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同一労働同一賃金という新しい地獄 21世紀版階級社会の到来

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日本で最も大きな賃金格差は底辺労働者の高待遇 新しい地獄の幕開け

 

自民党の高村正彦副総裁は3日のNHK番組で、同じ仕事なら同じ賃金を支払う「同一労働同一賃金」の実現に向け、関連法の改正を検討する方針を表明した。「今の賃金格差は社会的に許容できない。指針も作り、法改正にも踏み込む」と述べた。公明党の山口那津男代表も「均等に待遇するため、法改正を準備する必要がある」との認識を示した。

 関連法は労働基準法やパートタイム労働法、労働契約法などを念頭に置く。秋の臨時国会での成立をめざす。

 

via: 同一労働同一賃金実現へ「法改正を」 自公  :日本経済新聞

 

国民みんなが歓迎して前向きに進んでいる同一労働同一賃金という近年の動き。

日本は案外、賃金格差が大きい。

どういうふうに大きいのか?

 

具体的に言えば、非生産的な底辺労働者の待遇が高すぎる。

これ、現実。

他の国々の底辺はどんな暮らしをしているか?

 

中国のビル工事現場、見たことある人居るだろうか。

道端でベニヤの犬小屋のようなものを建てて(端材から自力で作るらしい)、鳥の巣のような寝床を作って寝て働く人々が建設に従事している。

足場から落ちて死んだりするのはそういう人達だ。

 

インドネシアも同じ。

アメリカで日が暮れてからくず鉄を集めているメキシコ人、ヨーロッパでダウン症の人と一緒にマクドの窓拭きをしている労働者、全員日本人が想像もできないような待遇で働いている。

本当だ。それらの待遇が素晴らしいと主張する人は、ぜひ転職してどうだったかレポートしてみて欲しい。

 

わかりやすく説明すれば、日本の雇用者側の本音としては、どうでも良いような事務員、オムツ替えしか出来ない介護職員、女の片手間の看護婦や保育士、全員給料が高過ぎると内心で思っている。

それが事実かどうかは彼らにとっては別問題で、それらの仕事の中の人が事実を元に何かを主張してネットでBUZZっても一向に結果につながってない。

 

それは彼らの本音が事実によって変わることはないからだ。

ホモウヨの脳内サヨク、サヨクの脳内神社本庁、自民党の脳内憲法学者や最高裁と同じような何かが彼らに囁いている。

 

「仕事も一人前に出来んくせに、一人前の給料をもらってけしからん!」と。

これは本当だ。

だから一人前の給料を貰う人が減って、車が売れなくなっている。事実は現実を常に証明している。

 

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基本的な発想が甘すぎる賃労働者達

 

同一労働同一賃金を今政治家が立法府で騒ぐ一方で、それらが労働者たちから上がった声ではなかった現実。

これが労働者たちが転落してきた理由を克明に物語っている。

 

今まで労働者が、労組運動衰退以降どうやって自らの地位保全を図ってきたか?

一言で言えば国と法律に全てを丸投げしてきた。

 

元々、金を持ってるやつじゃないと戦えない選挙戦という事実を元に現実を観察すれば、政治家も法律も基本的に雇用者の味方であって、被雇用者をどうやって瞞着するかの腕前を競い合って当選している。

嘘だと思うのなら、労働者の献金によって政治活動を行って当選している議員の比率がどの程度居るのか説明して欲しい。

殆どが企業経営者や金持ちからの献金で当選している。

 

政治家が自らの支持者を裏切ることはありえない。

つまり、こうなった原因は労働者が立法の良心に期待する一方で、良心のある政治家を送り込む努力あるいは自分たちを徒や疎かに扱えないという示威行為をサボり続けてきた事にあるのは論を俟たない。

むしろ、労組やユニオンを揶揄するサヨクいじりを趣味にして示威行為を出来ない風潮を自分で蔓延させてきたといえる。

 

「ミナタマのため」を政治家が追求したのが現在であって、現在同一労働同一賃金を口にする奴も同じやつ。

それが被雇用者に有利に働くと考えている奴は気が狂っているのだろう。

 

論理構造上、金を払う側の雇用者と、金を貰う側の被雇用者は対立が必定であることに疑う余地はない。

そしてその関係上、被雇用者は個人として常に雇用者より弱い立場なのは理解できるはず。

 

弱いから集団行動によって示威して牽制してきたのが労組の成り立ちだった。

やめたのは勝手だけど、必然的に起きた結果に文句を言うのは間違っている。

 

給料を上げるには三通りの方法しかない。

1.増税(税金払うくらいなら経営者は善人になろうとする。)

2.個人として業績を挙げる

3.実力行使して払うしかないように相手を追い込む

 

この全てを被雇用者は何故か自ら否定してきた。結果的に

1.減税(浮いた金は貯めこむ)

2.労組がないから被雇用者は個別に追い込める

3.行く宛のない社員を安く使い倒せる

 

こうなった。

 

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早稲田大生 梓氏の研究より。

 

 

同一労働同一賃金が実現したらどうなるか?

 

現在のところ、給料が上がる方向の動きというのは起きてない。

で、同一労働同一賃金は、底辺労働者の待遇を革命的に押し下げる起爆剤になるだろう。

なぜか?

 

同一労働同一賃金というのを実現するためにはどうするか考えてみたことはあるだろうか。

これは具体的に言えば全ての職務内容を定量的に評価できる法的なシステムを実装するということだ。

金銭価値、難易度、労働時間、就業者の経歴属性など、そういうものを組み合わせた評価システムの登場を意味している。

 

その場合、契約社員や派遣社員は法的に社外の人間であるがゆえに背負っているハンデを超えられなくなる。

社内の人間しか出来ない決済処理や渉外活動の成果を得られない以上、必ず定量的評価は彼らより下になる。

今までは慣習的に同じ業務形態の社員に給料だけでも近かったものが、法的な評価が労働の価値を決めてしまうからだ。

 

さらにこの同一労働同一賃金という発想は必ず新しい労働差別を生み出すだろう。

 

今薄給で働いている体がしんどい仕事の従事者。

長距離トラックの運転手、看護婦、介護士、保育士、栄養士など雑多な給料が安い人々。

彼らの人生を支えている大きなものは、「自分の仕事が誰かの役に立っている」という目に見えない自負心で、これだけが金銭的評価と軸を別にしているがゆえにかろうじて自意識を支えている。

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自分たちの先祖代々のテリトリーで観光客相手に踊ってみせるインディアンやアボリジニが、金銭的モチベーションでそのような行動に駆り立てられているか?

こうでもしないと食えないという動機か、伝統を守るための自負心という動機でしかないはずだ。

 

定量的な労働価値の評価という同一労働同一賃金の思想は、ここに金銭的なものさしを持ち込むことになる。

つまり、金銭的な価値を顔の前に突きつけられて、「お前らは千代田区で働くホワイトカラーとは比較にもならんよ」とはっきり宣告されてしまうわけだ。

 

多分、同じような仕事をしている人は上記の文章を読んで激怒しているだろう。

「あの軍荼利というやつはレイシストだ」と。

しかしよくよく考えてみて欲しい。

 

『大変な仕事、えらいね』というセリフを大の大人に平気で吐き捨てる奴はあなたを差別してないんだろうか。

『僕にはとても出来ない』なぜそう思うのならそいつは介護士より高い自分の給料を『偉いやつ』に差し出さない?

底辺の労働者の仕事が大変だと尊重するふりをしながら、自分たちは今まで大学を出るために勉強をしてきたからあいつらとは違うんだと思っているのだろうし、それが給料という結果にこれでもかというほど露骨に反映されている。

 

金持ちの息子や娘が、生活のために老人ホームに就職しておむつを交換しているか?

仲がいい人の家族で中堅の人材派遣会社を経営している。

その人の友達(良いところのサラリーマン)の娘さん(旧帝国大卒)が、シングルマザーになって困っている時に、就職先の斡旋を頼んだ時にどうだったか?

 

人材派遣会社を通じて回転寿司の仕事が斡旋されて、なんとも言えない嫌な表情をしていたのは忘れられない。

 

勿論、明確な差別意識がその家族にあるわけではない。

むしろすごくいい人達だし、俺なんかじゃ全く比較にもならんほど納税して社会に貢献しているし、寄付も欠かさない。

 

しかし、この事例が物語っているのは、経済的合理性の追求・現実の定量的評価というのは、される側にとって時として耐えられない残酷な評価を下すということだ。

 

同一労働同一賃金はホロコーストのように、労働者にマスの単位でその評価を下すことになるだろう。

また仮にそういった定量的評価を行わないのであれば、派遣法改正の名を借りた奴隷製造法案と同じように、意図的に作った欠陥によって新たに労働者を瞞着するシステムの一部になるって事だ。

 

正直、労働者=有権者なので、これ以上の自業自得もないしはっきり言って俺に関係ない話なのは現実ながら、ここ25年ほどの歴史と世界は、非常に不思議な矛盾を演じ続けてきた。

 

多くの人にとって、国会や取締役会が彼らを殺す算段を計画している。

そして面白いことに、国会や取締役を選べと迫られた時に、多くの人が自分達を殺す人を選び出してきた。

 

牛が屠殺人を選ぶという恐ろしく非人間的な喜劇を人間が演じている。

その時に牛がどういう気持で投票するのかは俺にとって永遠の謎になるのかもしれない。

 

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迦陵頻伽 選挙権gundari Recent comment authors
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残念理系
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残念理系

昔からの金持ち家系は相続した財産や家柄を通して長いスパンでの文脈を意識することがあるけど庶民にはそれが無い。そのため自分の生活を成り立たせているものを手の届く範囲でしか理解していない。
庶民が時に自滅するのはこれが理由ではないでしょうか。

迦陵頻伽
Guest
迦陵頻伽

そうした流れで出てきたパナマ文書
これからの流れが気になります

選挙権
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選挙権

同一労働、同一賃金という絵空事。

現実の仕事を知らないバカの戯言。

こんな馬鹿な政治家を選んだ選挙民は選挙権を返上せよ。

 
Guest
 

すげーなパヨクw

同一労働同一賃金と言わなきゃ今度は格差社会と騒ぐんだろ?w

毎回それの繰り返しw

主旨一貫して変えずにそれを言うのならまだしも

なんの理由もなく唯反論したいだけの反論w

メッチャ低脳なのはどっちだ?w

迦陵頻伽
Guest
迦陵頻伽

またホモウヨが喚いてますね。
社会に出たことのない無職、ニートのホモウヨには関係のないことなのに。
こんなところで喚く暇があったら、お前らを養ってる両親の心配でもすればいいのにね。