ISISと「テロ組織」違いはなにか? イエメン、内乱で崩壊 ISISとの戦闘も開始 中国人は数百名参加、見えてきたスエズ動乱


中国の警察に当たる公安省の次官はマレーシアの内相と会談し、300人余りの中国人が、マレーシアを経由してイスラム過激派組織「イスラム国」に参加していると伝え、取締りへの協力を求めました。

これは中国共産党系の新聞「環球時報」が23日伝えたもので、中国公安省の孟宏偉次官が21日、マレーシアでザヒド内相と会談した際、「300人余りの中国人がマレーシアを中継地に、シリアやイラクで活動する『イスラム国』に参加している」と述べ、取締りへの協力を求めたということです。これに対して、ザヒド内相は協力を約束し、容疑者のリストを作るために、「イスラム国」との関与が疑われる中国人の情報提供を求めたとしています。
また、記事では専門家の話として、「彼らの最終的な目的は中国に戻り、テロを起こすことだ」と伝えています。
中国では、イスラム教徒の多い新疆ウイグル自治区で爆発や殺傷事件が相次ぐなか、中国政府は、ウイグル族の過激派などが国外で訓練を受けて国内に戻ってテロを起こす可能性があると主張しています。
中国政府としては国際社会と連携して取締りを進めるとともに、国内でのウイグル族に対する締めつけ強化の正当性を内外にアピールするねらいがあるものとみられます。

 

via: 中国人300人余が「イスラム国」参加 NHKニュース

 

今回日本でもにわかに議論が増えてきたISIS、「テロ組織」「原理主義者集団」と何が違うかというのを勘違いしたまま、上滑りの議論が続いている気がする。

さすがに政府レベルではその程度の認識はあると信じたいわけだけど、基本的な事実と要件部分に目をつぶったままにわーわー騒いでも無意味な気がするので、そんなことすらわからなかった人向けに簡単な解説はしておくべきなんだろう。

 

まず根本的な事実を言うと、ISISはテロ組織ではなくて、タリバンなどと若干の近似性を示した「イスラム法国家」であって、テロ集団とか原理主義者と違って国家を創生するという大前提を持っている。

今の現段階で言えばパーレビ皇帝を追放した直後のイランと同じ状況で、基本的な路線としては中東の中堅国ないしは大国として台頭してくる可能性が非常に高いだろう。

 

なぜならISISに限って言えば、イラン、タリバン、ビンラディン死後のアルカイダが打ち出せなかった壮大な計画でカリスマ性を得ることに成功しており、イスラム法国家の台頭を待望している人にとってものすごいカリスマ性を実現することに成功しており、表題の通りISISと地理的なつながりが全くない中国の回教自治区、マレーシアにまで影響力を現実に及ぼしているからだ。

 

イランの革命防衛隊の組織力がそこまで及んでいたか?及んでなかった。

それらの基本的な要因は、イラクの滅亡後バース党の解散によって行政能力の高い人々が流入し、税制と行政、福祉とインフラの再建を進めている組織力にある。

 

つまり、カリフの称号にふさわしい世俗との融合の成功しつつあるのが現状で、事業経営者や商人、農民にとっては既存の政府より安い税制で今までより手厚い保護を頼れる身近な組織になっている。

通貨の発行、万を超える軍隊、行政能力、テロ組織なんてとても言えないような実情を備えている。

 

カリフというのはイスラム世界での世俗の最高指導者であって、政治面では例えば個別の影響力の大きなイスラム教指導者のファトワを無視することも出来る強力な権威で、あっちこっちで乱発されるウラマーのファトワに振り回されていた、カリフ不在下のイスラムの人々にとって、カリフ宣言をする強力な指導者の登場は今までと違った安定した生活も意味している。

 

日本人にとってカリフとして有名なのは、オスマントルコの征服者メフメト二世、壮麗帝スレイマン一世あたりだろう。

前者がビザンチン帝国を滅亡させて、コンスタンティノープルを現在のイスタンブールにした。

後者はクズルエルマ(赤いリンゴ)と名づけたヨーロッパにまで征服の手を伸ばして、第一次ウィーン包囲網を敢行した。

 

カリフ宣言が基本的に意味しているところは宗教対立からの人々の解放であって、他宗教のものは納税によって暴力から逃れられることも意味しているし、現在多数の勢力と交戦しているのも宗教的正当性争いをしているのではなくて、国の統治権争いをしているってことだ。

だから彼らの戦いを宗教対立と見ることそのものが危険なわけで、対立しているクルド人組織や、シーア派民兵組織、中東の王国、トルコは宗教以外の要素で戦っているのだと断定するしかない。

 

クルド人は天然ガスが眠っている彼らの先祖伝来の土地に独立国家を築きあげることを目的にしているし、他の国々はオスマントルコ滅亡以来の繁栄と今の権力を手放すことを拒否しているわけだ。

それぞれ自分の国づくりもしくは、既存国家の維持を目的に生存闘争を繰り広げているのであって、日本人ウラマーの中田さんという人がISISと普通に交流出来ていることがこれといって宗教や人種の対立になってない現実を物語っている。

 

版図に関しても、かなり広大な面積を有している上に、人口は去年時点の統計で800万人。

これをテロ組織だと断定すること自体無知な蛮行であって、今後どうなるかを占う上で現状の把握は欠かせないだろう。

 

今後の動向を予測する上でも、そうした現状認識の基礎でももっとも重要な部分はカリフ宣言にあって、それが上述までの意味を含んでいる以上、今現在大小のイスラム系テロ組織に参加している過激派や戦闘要員は次々にISISに転籍するだろう。

なぜなら誰が考えても先がないテロ組織より、国家としての形を持っている方が求心力があるに決まってるし、その中で立ち位置を確保できれば仕官の道も開けるわけで、神秘の指導者として彗星のように現れたバクダーディースルタンの求心力は上がることはあっても下がることはない。

 

また、今まで迫害されてきた群小のイスラム系宗派もこぞって参加するだろうし、肥大した軍事力でカリフの名称の実効化を狙って今後も闘争は拡大する。

国境を接している国々、あるいは内戦が起きている全ての国々で闘争を開始する。ここに疑う余地はない。

カリフのロールモデルをメフメト二世やスレイマン一世とするのなら、地中海の島々まではともかくとして確実に中東とアナトリアの領土は統一しようとするだろう。

 

では大国との利害関係がどうかというと、米中ロの三大国のうち、米ロは実は現在ISISと利害が一致している。

どちらも石油の値が上がったほうが好都合な産業構造が特徴で、今後当面の間に関して言えばイエメンで争乱を「起こして欲しい」と思ってるくらいだろう、実際は。

中東にすでに持っている既存の米ロのプレゼンスさえ残すという前提であればヘタしたらどちらも国家としてISISを承認しかねないことを忘れないほうが良い。

 

中国に関してはウイグルの回教自治区という爆弾を抱えているため、沈黙と逃げの一途だったものが、ウイグル問題を皮切りに攻撃を名指しされている状況で、今後も表立ったISISとの対立は避けようとして逃げの一手だろう。

あの人口密度の中国都市部でテロなんかあったら、悲劇としか言いようがない結果が起きる。共産党にとって恐怖の的だろう。

 

では欧州はどうか?

ドイツとフランスは誘拐事件が起きた時に、身代金を支払っている。

つまり対立を避けようとする一方、半分はカリフ宣言を容認している。

 

カリフ宣言から読み取るべきもう一つのことは、イスラム法での戦いにおいて身代金は一種のビジネスとして認められている事だ。

サラディンを除いてみんな身代金ビジネスに熱心だった事実を忘れてはいけない。

つまりISISとの戦いがテロではなくて戦いの途上なのだという現実を独仏は受け入れているということだ。

(変に刺激しなかったら無関係でいられるってこと。)

 

そこで国家としてかなりの数のイスラム教徒のシオンになったISISをテロ組織呼ばわりして、戦いを宣言して、仇敵アメリカ、エルサレムの不当占領者イスラエルと手を組むと宣言した安部総理はどううつったか?

身代金の請求は10月・11月の時点では10億円くらいだったそうだ。

それが現在一人一億ドルになったということに、商売の体面をかなぐり捨てて見せしめに姿勢が変化した意味が出てくるのではないだろうか。

 

その辺の宗教的TPOをわきまえなかったのは大きな判断ミスだったように見える。

日本神道とイスラム教に対立の要素はないし、わざわざ中国共産党みたいな組織でも対立を避けている組織と、力不足の安倍内閣が正面から対立する意味が見えてこない。

みんなが遠いと思っているISISの手は東南アジアまで伸びてきている。

 

マレーシアと日本の行き来の容易さを想像した時に恐怖の重みがわかってくると思うのだが。

 

現実的な結論は、2015年1月23日の段階で、どの国がISISを一番に国家として承認するかという可能性を考えざるをえないというものになる。

 

 

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800万人の人口を擁するテロ組織ってスゴイんだけどな。
北朝鮮を国として認めてしまって、支援して訪問しているどこぞの国がよく言うよw

 

 

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イエメンのハディ暫定大統領とバハーハ首相が22日に辞任し、政権が崩壊した。AP通信が伝えた。20日から大統領官邸などを占拠しているイスラム教シーア派の武装組織「フーシ派」が実権を掌握し、クーデターが成立したようだ。同国南部では、独立を志向する勢力がイエメンからの行政の分離を宣言するなど、混乱が深まっている。

 衛星テレビ局アルジャジーラによると、議会は大統領らの辞表受理を拒否している。一方、フーシ派は議会機能の停止を宣言。近く、独自に大統領を選ぶ評議会を開くとしている。

 ハディ氏らはフーシ派の戦闘員に20日から官邸に軟禁され、同派の権利拡大などの要求を突きつけられていた。フーシ派の影響下に置かれた国営通信は21日に「大統領が要求に応じ、停戦に合意した」と伝えたが、22日には、同氏が要求を拒んだと報じられた。

via: イエメンでクーデター成立か 暫定大統領と首相が辞任 (朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース

 

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コメント

    • 愛国左派
    • 2015年 1月 23日

    殴られなきゃわかんないって悲惨だなぁ‥
    しかもこの場合殴られるのは宗教や国家のしがらみにほとんど関係ない人々になる可能性が高い。

    ほんとに戦争できる国にしたいなら、真面目に戦争しましょうよ。

    • 偏り見る者
    • 2015年 1月 25日

    ……もう親族くらいしか人質の生存を信じていませんし、このネゴシエートゲームはイスラム国の負けでしょう。
    死亡している人質で交渉出来ると考えていた、非常に考えの甘い組織であることは疑いようが有りません。

    正直こんな知能程度の組織が、本当に中東で覇を唱えられるのでしょうか……?
    それとも中東のトップエリート知能程度自体が、先進国の中学生辺りすら騙せそうにないレベルなのでしょうか。
    そもそも今回日本を出し抜けなかったことは、これから権勢を示す上でかなりマイナスになるのではないかと考えています。
    例のクソコラグランプリは、庶民レベルで人質の生存を信じていない者が大勢であることを示しているわけでもありますし。

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