インフレ・円安・株高という都市伝説 インフレでもデフレでも株は買わなきゃ上がらない 矛盾するアベノミクス


株高を見て「インフレと株高」で思考停止する人々、仕組をまずは考えよう

 

10日の東京株式市場で株価が15年ぶりに一時2万円を回復したことに、経済界からはアベノミクスなどの政策効果と企業の「稼ぐ力」の向上を指摘する声が聞かれた。先行きについては一段の株価上昇を期待する見方がある一方で、バブルの再来や実体経済との乖離(かいり)を懸念する声も少なくない。

 「2万円は1つの節目。賃上げ効果と合わせ、個人消費の浮揚につながる」

 経済同友会の長谷川閑史代表幹事は景気回復への期待感をにじませる一方で、「バブルのような状況にならないよう、注意しなければならない」と急激な株価上昇に警戒感を示した。

via: 東証一時2万円台 経済界「楽観・慎重」交錯 アベノミクス評価/バブル注意を (産経新聞) – Yahoo!ニュース

 

株高でついに2万円タッチ、ということで人間心理も狂気に向かってオーバーシュートしている昨今。

 

そもそもこの価格帯で買い向かっている養分の皆さん投資家の人々は基本的な路線でアベノミクスに乗っている。

つまりそれはアベノミクスの基本的な理論である

 

・インフレ=株高

・円安=株高

 

を無条件に信用しているということになるんだけど、世間で通説化しているインフレ株高セット理論は果たして本当か。

これを検証しないと話しにならないと思う。

 

馬鹿丸出しのトーシローの都市伝説としか言いようが無いんだけど、それを数値的にアプローチしようと思う。

結論から言えば株は上がりません。

 

日経平均見ろよって?

そうだよ。日経225銘柄が上がるだけで個別株は上がらないんだよ。

 

株がじゃんじゃん上がるんだろ?

自腹でボロ株買ってどうぞ大儲けしてくれw

 

 

 

市場の時計は常に動いている

 

インフレで株高、円安で株高理論は基本的な所でおかしな理屈を内包している。

具体的には

市場/発行体側

  • 企業が増資も減資もせず止まったままでいること
  • 規模も業績も同じまま
  • 資金の行き先が株式市場にしかない

 

投資家/国民側

  • 皆が株を買う金を持っている
  • 株式投資に抵抗がない
  • 株以外に投資商品がない

 

こうした条件を前提にしてやっとこの荒唐無稽な都市伝説が成立する。

 

ところが現実の世界ではデフレなんか一度も起きてなかったし、企業は規模拡大の一途をたどっていたし、世界に市場が開かれてネットが普及し、日本株は投資商品のワンオブゼムになってしまったし、そもそも投資と無関係な国民は激増した。

 

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日経225銘柄に見る資本金推移

 

オカルト理論の前提条件のうち、企業の資本金推移はもっとも重要な根幹部分になるだろう。

インフレにつられて株があがると言うけれど、インフレ・デフレの他に株式市場では希釈化、つまりダイリューションという観念がある。

 

資本金がインフレとデフレに連動して推移するものだったら株は確かにインフレ・デフレに連動するんだろうけど、そんな馬鹿な話はないという現実を理解しないととりあえず話しにならないだろう。

 

そこでピックアップした各社の資本金を1990年から最新のもので比較しようと思う。

 

1990年の日経平均

大発会前最終営業日:¥38,915-

大納会:¥23,848-

 

TOYOTAの資本金推移

1990年:2559億7千1百万円

2014年:3970億5千万円

 

日立製作所の資本金推移

2000年:2817億5千4百万円

2014年:4587億9千万円

(入手難で2000年で起算)

 

千葉銀行の資本金推移

1990年:1063億円

2014年:1450億6千9百万円

 

大和証券の資本金推移

1990年:1375億5百万円

2014年:2473億9千7百万円

 

どこもかしこも大体大筋で1,5倍位の資本になっている。

今の株高がインフレにつられてのものなら、物価は1,5倍になったんだろうか。

 

インフレの仕組というのは基本的にはこうだ。

今まで年に100kg生産して1kg1000円だった芋が、周りの物価が上がるに連れて生産量を同じままにして3000円になるようなことを指している。

デフレの場合は同じ条件で1kg500円になったりすることを指す。

 

もう一回聞くけど、インフレで物価1,5倍になったんだろうか。

「インフレにつられての自然現象みたいなもんだよ株高なんて」

 

なるほど・・・・

インフレ=紙幣の流通が増えることによって金の価値が下がる=株に投資して下落を回避する

 

では株券が増加して下落する株式価値でそれをどう回避するんだろうか。

現在のところインフレ株高理論に補足したら

 

インフレ=紙幣の流通が増えることによって金の価値が下がる=株に投資して下落を回避する→株券も増加して価値が下がったんじゃないですか

 

こういう状況に見えますけど。

 

 

銘柄数も1,5倍に

 

資本金が1,5倍になり、つまり株式市場で流通する売り物の数が1,5倍になった一方で、それを売る商店相当の発行体の数も1990年から今までで1,5倍になった。(市場全体では2倍)

 

インフレで株高になるということは、富の総額や市場の内容が同じの場合にようやく成立する理論で、それを逆に言えば富が減少して市場の銘柄数と流通する株式総数が増加した場合に、世間がインフレになったとしても株価は上がらない。

 

実に単純な話で、インフレとかデフレというのは箱庭理論を基本にした絵に描いた餅なわけだ。

 

家計に10年前に1000万円あったとして、そのうち400万円を株に投資していた。

10年後の現在に物価上昇によって貯蓄の総額が当時の500万円の価値に転落して、生活が苦しくなった人はどうするんだろうか?

 

当然株を売り崩して現金化する方向に動き出すに決まっているわけで、理論上はむしろインフレは株高につながらない。

 

多くの場合インフレと経済規模の拡大、そして労働者の貯蓄や投資の向上がセットになっていた時代背景があったからそれらがセットのように見えていただけの話で、風邪と鼻水と熱みたいなもんだ。

 

鼻水が出るからといって風邪とは限らんんだろうし、熱が出たからといって風邪とは限らない。

当然、風邪で腹痛が起きているのに頭痛薬を飲んでも何の改善にもつながらないわけで、一見必ず紐付けされるかのような現象を記録してきたアウトプットを見て何故か世間はそうした荒唐無稽な理論を盲信している。

 

 

東証一部売買代金推移から俯瞰する市場

 

インフレ=株高論が真実なのであれば、株式市場に資金の流入が増えていればインフレなんだろうし、それはつまり株高を意味するんだろう。

では東証一部の売買代金推移・日経平均の推移から株価やインフレの相関性を俯瞰してみた場合にどうなるだろうか。

 

東証一部売買代金月間額推移

1989年12月:約30兆円

1990年12月:約8兆4千億円

2011年3月:約46兆3千億円(東日本大震災)

2011年12月:約20兆円

2014年12月:約54兆7千億円

 

インフレ=株式市場への資金流入増=株高を当てはめた場合、

1989年というバブル最盛期の最高値時期を基準で彼らの都市伝説チックな理論を当てはめた場合

 

インフレオカルト信者のパラレルジャパン平均

1990年12月:デフレ、株安

2011年3月:超インフレ、日経平均6万円に

2011年12月:若干デフレ、日経平均25943円に

2014年12月:超インフレ、日経平均7万円超え

 

となりかねない。

こんなもん誰が聞いてもお前馬鹿じゃないのかというに決まっているようなむちゃくちゃな話で、事実として日経平均は以下の様な推移を辿っている。

 

日経平均株価推移

1989年12月:38915円

1990年12月:23848円

2011年12月:8455円

2014年12月:17450円

 

そもそも、株高の前提にインフレとかデフレとか言うのは全く関係がない話で、投資家が全体的に増えて売らずにホールドする株主が増えて初めて成立する。

 

インフレだろうがデフレだろうが、取引高が減ろうが増えようが株というものは売り物がそこにあるかぎり値を上げる事はありえない。

グーグルのたどってきた軌跡にしたって、株主の大半がその日限りのデイトレードを繰り返していたならば今みたいなとんでもない株価になったりしてないだろう。

 

逆に売り物が全くないのであれば、一単位の注文でもストップ高になって値が記録されるという仕組を理解してない人が喚く株式市場ははっきり言って不気味すぎる。

 

株が上がる条件はなにか?

買った株を手放したくない市場環境がそこにあることで、売り注文より買い注文のほうが多い状況が必要だ。

繰り返すけどインフレかどうかは関係ない。

 

青果市場から東証証券取引所まで、あらゆる市場で値を決めるのはインフレかデフレかではなく需給関係だ。

バブル当時から上場していた企業で、往時の最高値を上回った数少ない企業は、市場が崩壊状態で閑古鳥が鳴いている時も順調に上昇していた。

当時はデフレと騒がれていたけれど、彼ら個体の需給関係は良好でその背景に毎年高まる業績があった。

 

資本金や上場銘柄数からして、バブル最盛期の1989年の売買高30兆円は今の45兆円に相当すると言っても良い。(相当乱暴な計算だけど。)

去年の12月や東日本大震災があった月にそれを上回る売買高を記録したけどバブルの株価を超えたのか?

 

2011年3月と2014年12月はバブルの最盛期よりインフレで、東京を売ったらアメリカが買えるような状況になっていたとでも言うんだろうか?

去年の12月は、確かアベノミクス選挙の真っ最中で、デフレが終わらないから改革を進めるために解散して信を問うと総理大臣は大騒ぎしていたはずだけど。

 

インフレ=資金流入=株高理論は真っ赤な大嘘だということを確認してから株の話をして欲しい。

現実に資金が大量流入して大暴落することも珍しくないのが現実だから。

 

 

そもそも誰が株を買ってるの?

 

 

 

基本路線として、今の東証株の上昇は、外資系が今までと同じドル建て予算を組んだ結果対円の絶対金額が上がったことが背景にある。

日経平均銘柄でも日経平均ほどの上昇率が実現できてないものの、大筋素性の良い株が上昇してるのはそれに端を発している。

 

他の要因としては、大証と東証の合併による資金流入と、時価総額の移転、信用取引の証拠金規制解除(2013年春から実施)が挙げられる。

 

だいたいそれらが日経平均株価に寄与している部分といえば、元の基準価格1万円として4割の4千円辺りが体感として正確な数値だと思う。

 

それ以上の上値をでは誰が買っているのか?

 

皆がご存知の年金・日銀であって、予算が尽きた彼らに変わって今から農協とゆうちょが買い付ける。

それらの予算が尽きたら今後は漁協と信金の金でも突っ込ませるんだろう。

 

それらの重要な傾向といえば、政治的資金であるがゆえに目に見える成果を生まざるを得ない金だということで、基本、日経225銘柄の品薄株に流入する。

つまり再三指摘している通り個別株に恩恵が回ることはまずないと思ったほうがいいだろう。

 

日経平均の上昇をある程度はトレンドフォローするかもしれないけど、上がる方向に賭けたいのであれば値嵩の日経225品薄銘柄を買うしかない。

 

 

株は上がらない。日経平均が上がるだけ

 

 

 

そうした状況を裏付けるかのように、実際は3割引きで考えた方がいい売買高と裏腹に日経平均先物の売買高は無茶苦茶な上昇を示している。

 

日経平均先物 ラージ/mini 一日あたり平均取引枚数

2011年12月 842枚/13010枚

2014年12月 2390枚/22759枚

 

ざっくり言えばラージが玄人向けの大口先物で、日経平均の1000倍が一単位の先物。miniはその10分の1で個人向けだ。

政治的傾向を持った資金を投入するということを見越した外国人とトレーダーへの餅撒き状態になっている先物市場が目の前にある。

 

公的資金を差し引いた東証一部売買代金推移はこれといって増加したとは思えないけど、先物取引だけは盛大に増加している。

 

市場で株が上昇する要因として、最も必要なのは「買った株を手放したくない市場環境」「売り物より買い物の方が多い市場状況」を上げたけど、そういう環境にないから先物を買う一方で個別株の一般投資家や機関投資家の投資高は増加傾向を示さない。

 

現実的にはバブルの時を超える資金を市場に投入してしこり玉を吸収して値下がりを防いでいると言った方が正確なのではないか。

バブル最盛期を上回る買い注文量が市場にあるのに(公的資金の)、バブル最盛期の上値はまだはるか向こうということは、バブル破裂以降長年放置していた年寄りの株を換金するお手伝いをしているだけってことだ。

 

小売業はマイナス、貿易赤字、GDPマイナス、マンションの着工と販売が目に見えて減って家具屋が顔色が悪い今の時期に、バラ色の日本経済(笑)のために虎の子の金を出す奴がいるはずがない。

 

そもそもインフレとかデフレとか言ったって、デフレが起こってないんだからインフレかデフレかどうかを議論する意味が既になかったこともそろそろ皆気づかないとヤバいんじゃないか。

牛肉はたしかに安くなった。

 

でもその安い牛肉は30年前と同じように国産の牛肉を陳列しているものの価格なんだろうか。

和牛の高級肉なんか安くなってないし、今陳列されている牛肉は外国産の牛肉に置き換わったってだけ。

現実には雑誌からタバコまで日用品は値上がりが続いていたし、その隙間を縫うように改善された流通と小売の経路のお陰でワケあり品やメーカー直送品やPB商品が増えた。

 

同じものではない品物を比べてデフレとかインフレというのも、インフレ株高論と同じくらいめちゃくちゃな話だろう。

 

インフレ=株高理論はまるっきり嘘だということは以上の羅列した状況を俯瞰した時に大抵の人はすぐに理解できるんじゃないかと思う。

なんとなく疑問に感じていたあなたの違和感の正体はこれだ。

 

個別株はではいつ値上がりするのか?

状況としては実に簡単で、「これといって特徴のない個人や商売」が普通にやってればむやみに悩んだりせずに利益が上がる状況になったら上がる。

 

景気を論じる上で、「●●は▲▲が優秀だから大儲けした」と言うのは景気が良いとは言わない。

優秀な個の努力の結果は全体の景気と常に無関係だからだ。

 

今現在これといって特徴のない個人や企業はどうなっているんだろうか?

激増した廃業数、増加が止まらない非正規社員の数がそれを雄弁に物語っているわけで、株高詐欺に踊らされて大損するのはあなただというのを忘れないで欲しい。

 

今相場で金儲けがしたかったら方法は二つ。

丁半博打のつもりで破産を覚悟して日経平均先物に投資するか、仕手株でうまく立ちまわって値鞘を取ることだ。

 

空売りだけはやめといた方が良い。まだ日本に死蔵されている預貯金は随分ある。

おそらく今後も次から次へと掘り起こしてPKOにつぎ込んでくる。担ぎあげられたら死ぬしかないところまで大損するよ(笑)

 

 

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コメント

    • 迦陵頻伽
    • 2015年 4月 16日

    そもそもアベノミクスに株高とか目標ありましたっけ?
    いまや、円とオプションもかけ離れた相場になってますしねー。
    普通に戻ってくれたと思ってますよ。

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