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沖縄県知事選とチダイズム 玉城デニー氏の魚の目化した東京臭

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選挙ウォッチャーになぜか届く意味不明な怒り

 




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本土に伝わらない沖縄の本音と分断

<保守系ネット番組しか見ない若者と基地議論をタブー視させる空気──報じられない沖…

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長らくご無沙汰を経て更新を再開したのだけど。

この2年、3年、過去投稿してきた記事がそのまま事実化したような現象ばっかりで、仮に更新を続けていても内容は主にそら見たことかくらいしかかけないだろうなという感想を毎回抱いていた。

 

 

 

その中で誰も意識しないまま続いていてかつ俺が最も危機感を抱いている現象を、表題のチダイズムという(かなりまともに思える)コラムへの反応が表している。

今度の沖縄県知事選は四分六でさきま有利だろう。

 

本音で言えば玉城デニー氏はこの選挙で負けたほうが野党のためになるのではないかと思う。

今からどちらが知事になるのだとしても、様々な理由で口にした公約や、誰もが期待した将来的行動を実行に移すことはできない。

さきまは実現しても所詮は朝三暮四の空手形を乱発しているに過ぎないからだし、玉城氏は中央と地元で対立する政治的勢力の反対を振り切って沖縄のための政策を実現することに困難を極めるはずだ。

 

そしてさきまの公約や演説の内容が実現しなかったところで、誰だってまたかとしか思わないはずだ。しかし玉城氏の躓きはそうは捉えられない。

 

ほぼ確実な近未来を比較したときに、玉城氏および支援勢力が受けるダメージはでかすぎる。

石破氏が総裁選で相手の肝を冷やすだけで勝利条件を満たしたのと同じこと。勝ったときのダメージがでかすぎてメリットが全く見えない。

 

”ウルトラ”クラスの存在感を世界に示した故翁長知事でさえ癌を発症したストレス。

近未来に確実に見通せる茨の道。

それでもなお勝負に出た玉城氏と親分の小沢氏の勇気にはリスペクトの一言しかない。

(もし自分だったら既定路線の相手の自滅を待つだろうなと心底思う。)

 

しかしほぼ博打と言えるその結果に興味があるのは否めないので、更新再開の第一幕はこの記事にすることにした。

 

長い間、沢山の記事で繰り返し繰り返し表現してきた根源的な俺(やあなた)の怒り。

日本人の2/3のうち、大多数は内在的にそれを抱えている。

それがチダイズムコラムへの反応で一気に表面化した。

 

一見なぜ怒っているのかわからない、単なるアホの発狂に見えるクソリプの山の中のいくつかはくすぶりが小火に変わりつつあることを示唆している。

それが表面化するということは、おそらく20年後くらいの日本人にとって憂鬱な現象が起きることが決定的になってきたということだし、なぜそうなるのか気がつけない鈍感さが、これも繰り返し指摘してきた住所格差を裏付けしもしている。

 

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フェミ、沖縄、右左を超えて実は日本に蔓延している違和感

 

あの自称フェミニストの意味わからないクソリプが一体何を表面化しているというのか?

早い話が、田舎だと思って馬鹿にしてるのかという原始的な怒りを表面化させているってことだ。

その怒りを飾るために「キャバ嬢を」「中卒高卒を」と衣を着せているだけの話で、一言でいえばそういうこと。

 

本人たちがそう自覚しているのかどうかを別にしてほとんど必ず、話の起こりはそこにある。

都会、特に関東に住んでる人と話して違和感を感じること、ない?

大体の地方出身者は必ず経験している違和感。

 

・愛知と愛媛の区別がついてない

・鳥取とか島根が区別できてない

・兵庫県の場所は知らない

・佐賀県が脳内から消えている

・大阪とか福岡をなにか異常な場所だと思い込んでいる

・福島の原発は東北電力のものだと思ってます(2018年現在においても)

 

この手の経験は誰しもしているはずだろう。

そして追加したら

 

・えー!虫触れるの?今度ゴキブリ退治しに来てよ

・さすが港出身。魚触れるんだ(笑)

 

お前は舐めとるのかという反応にかちんと来たことある人だって少なくないと思う。

そしてチダイズムコラムが無意識に内包している「えー!沖縄の○○ってそうだったの」の、どうしょうもないその東京臭に神経がざらついた。

 

そうじゃない人にとってすごく複雑な印象をこのクソリプ群から受けた人は結構いるんじゃないだろうか。

『おいおい、この自称フェミとか肉球なんちゃら頭おかしいんじゃないか?』

『でも、確かにこのコラム読んでなんか神経がざらついてしまう・・・・・』

 

一体そのいらだちの正体ってなんなんだろうか?

 

 

あまねく地方に蔓延する観察(被)疲れ

 

一般的に日本人は日本人であるという意識を無条件に日本人は持っている。

わかりやすく言えばお互い同じコミュニティーと言うか、「ふわっとした社会」に内包される一人の人間なのだという認識を持っているってことだ。

それがどういうものかというと、広い意味でお互いにとって謎がない、わかり合っている共通したものを持つ存在であることを疑ってないといえる。

 

身近なわかり易い例に落とし込めば、夫婦がお互いの外出を浮気するためにしている行為だと特に疑わないってことだし、疑うってことは関係が壊れ始めていることを意味している。

 

大きな差異がないコミュニティーの一員であるって点で、意見の相違があったとしても根本的な信頼や安心感を相互に持って生きてきたのが日本人だったわけだ。

ところがこの30年くらいの日本ではそういった信頼や安心感を破壊してきたんじゃないだろうか。

違和感の正体は何か?

 

「同じ一員のはずなのに、なぜお前は私を観察するのだ」

「奇異なもの、未知なるものを見る目で俺をみるのはなぜなんだ」

 

違和感の正体はここに行き着くのではないだろうか。

例えば北海道で近年起きたアイヌの遺骨返還訴訟なんかその違和感が爆発した事例としてものすごくわかりやすい話だと思う。

 

 

地方では東京(的なナニカ)に観察されることに疲れている。

小さな「違い」が積み重なっている事を痛感させられる度に違和感を感じているし、眼の前の東京人より有能であることに疑う余地はないのに不遇や貧困をかこっている同じコミュニティーの仲間の姿と、カフェで談笑しながら仕事が進んでいく東京人を比較して、形容し難い怒りを感じている。

 

同じじゃなくなっているのに絆があると吹聴している世の中のコンテンツに辟易しているし、享受できるものが圧倒的に違うのに同じだと連呼している社会に疲弊している。

チダイズムよりコラムニストとしては圧倒的にメジャーな小田嶋隆氏のコラムでもやっぱりそうなのだと実感する。

 

「あれ? 今治って岡山だったっけか」
 という間抜けな勘違いだった。
 事件が報道される以前まで、私の脳内に漠然とあった今治市のイメージは、
「ほら、四国の瀬戸内海に面した、島がごちゃごちゃしてるあたりにある、たぶん半農半漁半タオルぐらいな」
 地方都市の姿だった。

 

via: 偉愚庵亭憮録

「運動会での実施率55%は意外に低いという印象だ。とはいえ、通常の授業で阿波踊りを学んでいる学校があることなどを考慮すれば、この運動会の実施率だけをみて駄目だとは一概には言えない−−略−−」
 はじめから阿波踊りを「良いこと」と決めてかかっているところがすごい。
 先生は、踊りの強制に苦しんでいる子供の気持ちなど、一顧だにしていない。
 私は、運動会で踊らされるみたいなことが大嫌いな子供だったので、徳島の小学生たちにちょっと同情している。
 もっとも、あの土地柄に育ったら、そもそも踊りのきらいな子供という想定そのものが相手にされないのかもしれない。
 おそらく、音楽が鳴ったら踊りだしてしまうパブロフの踊り手みたいな、回路が形成されることになるのだろう。

 

via: 偉愚庵亭憮録

 

林真理子が生まれてこない社会に所属している人間が、それが出てくる土壌がある社会と同じであることを前提に進んでいく世の中に感じてしまう無常感。

 

東日本大震災のときに、食べ物を買い占めないでと吹聴するテレビを見て、市場原理主義を連呼して地方では悲惨な倒産を大量に発生させた東京発の政策を思い出した商売人は少なくないだろう。

『あれ?私とあなた達って同じなんですよね。今度はおにぎり一個二千円とかで買えばいいじゃないですか、私ら買わされたし虎の子の財産を巻き上げられましたけど??』

しかしそうはならない。

 

放射能騒動が起きたら地産地消はなかったことになって、地元野菜は関東に行って福島とかわけのわからない、今まで見たことない産地の野菜が「こちら側」の店頭では陳列される。

関東とその資源供給源の災害には自衛隊が10万人動員されて、北海道の災害には5億円の予算をつけて知らんぷり、西日本の災害はボランティアで解決しろよと放置プレイ。

大概の地域の大学と、東京の上位校の偏差値を比較したら絶望的な何かを実感する。

 

チダイズムや小田嶋隆氏のコラムだけじゃない。夏目漱石の坊っちゃんの時代から実はそうだった違和感。

異国情緒たっぷりの地方を東京的な何かは観察している。

ナショジオが森の中の原住民を撮影してドキュメンタリーを作ってる現場と大差ないんじゃないか、双方の意識的な違いは。

 

よく沖縄と本土の分断、なんて言われてるけど、分断は関東の東京文化圏および、それがなきゃ生きていけない人とそれ以外でもっと大規模に発生している。

そしてそれが悲しいかな本日の投票の結果に影響するのだろうと思っている。

 

 

玉城さんはどこの人?

 

東京の人と選挙に関係する話になって毎回感じる強い違和感。

選挙で勝てばいいじゃん、お決まりになりつつあるパワーワードの根源にあるそれ。

 

北海道で札幌出身(あるいは在住)の人以外が知事になったら快挙や珍事の類だろう。

それは大体の道府県で一緒なはずだ。

ところが東京では全く違う現実があって、その程度の認識すら共有できてない事を話す度に痛感させられる。

 

日本に蔓延している分断は(果たして東京がそれ以外から分断されたのか、東京がそれ以外を分断したのかはさだかじゃないけど)沖縄県知事選に強く影響すると思う。

玉城さんの周辺に吹いた東京臭い風。

このなんとも形容し難い、分断に伴う感情を刺激してしまった可能性は非常に強い。その風が吹いたと同時に分断を感じてる人々はそのゾーンを「あっち側」と認識するはずだから。

 

自分たちの作り上げた東京発のデマをうまいことフォークロアの形でばらまいて、どういう角度から見てもローカル臭しか感じないさきまを擁立した連中はその点に無神経だったやつより優位に立っている可能性が強い。

仮にさきま氏が県知事になっても、知事のものまねをする市会議員にしか見えないと思っていても、自分たちと違う属性のやつを代表にしたくはないという意識が働くからだ。

 

つまり、チダイズムの発見したフォークロアは最終的には、玉城氏みたいに近代の沖縄そのもののような人をして他所の人と印象づけるためにばらまかれたものだし、それを調べに行った人々の観察行為はますますそれを周辺から補強してしまったってことだ。

それは靴の中の小石や、足の裏の魚の目のようになってしまっただろう。

 

分断は日本にとっくに蔓延している。

貧乏人は死ね、障害者は死ね、透析患者は殺せ。

死んだほうが良いやつは無数にいるのに、社会に点在する死んだほうが良い存在はインビジブルなまま、なにかふわっとした存在に死ねと浴びせかけている。

 

一方で絆を連呼する社会ではふわっとした一体感がある風に見せかけながら、日本人の2/3が暮らす小さな社会は1/3にとってインビジブルで卑小な存在に過ぎず、時々話題に出た時にだけ観察されている。

沖縄の県知事選であなた達は自分の権利を選ぶのだとか言ってるけど、権利を選んでも彼らの自決は今まで通ってきてないし、今までもこれからも、沖縄に限らず日本の2/3では誇りとでも形容するべきもっと別なものを東京的なナニカと争ってるのだと思う。

少し古い映画だけど、名作「ワイルド・ギース」の最後の方の名シーンのセリフで締めくくりたい。

 

 

「忘れるな。今アフリカに自由はない。人種や南北を問わずアフリカに住むなら明日を考えろ」リンバニ

「俺達(白人)はな。この国の黒人の面倒を見続けてきたんだ」ピーター

「それは逆だろ?」リンバニ

「現におれは今お前の命を助けてるじゃねぇか」ピーター

「いずれその立場は逆になる。助け合うべきなのだ」リンバニ
「愛し合うことを学ぼう。このままじゃアフリカは戦火で焼き尽くされてしまう」リンバニ

「お前に何ができるんだクロンボ?」ピーター

「何かができるはずだと信じている。我々は白人を許す。お互いの未来がなければ未来そのものがない。私は未来を信じそのために命をかける」リンバニ

「何となくお前の話がわかってきた。どうやら我々はお前が必要らしい。未来のために」ピーター

 

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KAZZ
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KAZZ

更新お疲れ様です。
何度か繰り返し読んで描かせていただきます。
ちだいさんと言う人の文章や視点は、自分も参考にしていたのですが、以前から妙な上から目線が気になっていました。言っている事は正しいのだが、この妙な煽りグセのせいで煽られた方は態度を硬化させるだけじゃないか?と。

今回の記事も軍荼利さんが指摘するように、言ってる事は正しいけど、神経がざらつく感覚。
記事公開の時点では多少の違和感程度だったものが、本日のちだいさんのツイートで、(今後も彼のレポートは読むのだろうけど)もう良い加減にしろよという気持ちになりました。

https://twitter.com/chidaisan/status/1047371216929996800
ちだい(選挙ウォッチャー)
@chidaisan
どこかの外国人が沖縄を旅行して、ヤギ汁を食べて、「うちの国では絶対に食わん!くっせぇ!こんなの喜んで食ってる地元民が信じられないぜ!」って言ったら差別って言われちゃうのかな。たぶん言われちゃうんだろうな。それだけ難しい土地であるということを理解していなかった自分の無知が原因だね。
15:22 – 2018年10月3日

思えばこの東京的な何かによる分断は、ネットで人気のある「高齢者は運転免許証を自主返納すべき」と言う声に感じる反発もそうですし、今後さらに加速するだのでしょうね。
何か東京的な視点というのは、地方出身者ですらいつのまにか地方の視点が削ぎ落とされるのだろうと思っていますので。(上記の運転免許証の件は地方出身で保守を自認する著名人も言っていて、文化の隔たりに寒気がしたものです)

奇しくも菅野完氏が今回の選挙を「左右両陣営の孔子が負けて、左右両陣営の老子が勝った」と解釈していましたが、こう言った東京的な視点こそが、孔子っぽいものだと感じました。

最近ネットで配信されていて偶然見た1975年にテレビ東京が放送した、「アマゾンの首狩族を追って」と言うドキュメンタリー作品は、「アマゾンの原住民は野蛮に違いないという視点を持って追いかけた、我々の方こそ野蛮だったのではないか?」と問いかける内容でしたが、東京的な物がそれを乗り越える日が来るのか、虚しい気持ちにならざるを得ませんね。

ななし
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