負けの見えてきた西側
パレスチナのイスラム組織ハマスは7日、イスラエルに対しここ数十年で最大規模の奇襲作戦を開始した。戦闘員がイスラエル領内に侵入し、イスラエル側で少なくとも250人が死亡した。戦闘員らは市民らを人質にとって逃走した。一方、イスラエル側も大規模な報復作戦を行い、ガザの保健当局によると232人が死亡し、少なくとも1700人が負傷した。
ロイター動画ニュース
去年(2022)の七夕に、東西両陣営の勝利条件を整理した上で行き着く先を予測していたのだけど、大体その方向に流れているようで、バルト三国やポーランド、アゼルバイジャンとアルメニアなど緊張状態は拡大し、BRICsは2023年10月9日の現時点では共通通貨構想などを打ち出し西側との経済的分離に向けてひた走っている。
その中でハマスがイスラエルに大規模な攻撃を繰り広げ始めた。
イスラエルは圧倒的な戦力でハマス、つまりパレスチナ人ゲリラやイスラム系のゲリラ組織を抑え込んでおり、ロシアにそれとなく肩入れしている国の一つであった。
戦力的な優位性や治安の掌握力の証拠に当の戦争状態当日に至るまで夜っぴてコンサートをやってにぎやかに騒いでいた。一方でハマス、ヒズボラ、イランとロシアと共依存関係であることはまぁ普通に知られている話であって、今まではイスラエルに手を出す決定的な機会がないまま今日に至っている。
それほどの優位性がなぜ今突然崩れ去ったのか非常に怪しい雰囲気を感じるものの、件の七夕記事で指摘した通り西側の勝利条件はほとんど達成不可能なまま、敗北への道をひた走っている。
インフレを抑え込む金利政策は意味がないのではないかという猜疑心が市場ににわかに滲み出してきている。
当たり前の話である。なんで金利が上がったら物不足が解決するというのか。
中央銀行の輪転機と麦や芋の産高に何かしらの比例関係があるとでも言うのだったら根拠を見せてみろと言いたい。
この記事を書いている現時点でなかなか秋は肌寒く、今年の冬は色んな意味で寒いものになるのではないかと思っている。
夏の異常高温からインフレの激化、スーパーでのモノの売れ行きなどに明らかな変調が出てすごい勢いで経済が縮小していっている。
そのインフレは本年の夏までの戦いの推移から新しい局面を目指し始めたと判断している。
気にするのが秋の麦の取れ高だけではない時代が到来するだろう。
稲作、麦の秋から鉄の冬へ
ここに至って、日本が食料調達に遅かれ早かれ困難を来すことや、今後も食い物が上がり光熱費は上がっていくことに疑いを持っている人は少数派だろう。
最近所要で確認している金融機関の見通しや、企業の決算や事業計画に今後の物価上昇を記載してないものを見たことがない。
年率5%とか、業種によっては20%とか必ず書いてある。
しかしそれ以上に、これまた疑う余地がない経済ブロック化というか、西側の孤立が起きたときに、物理的に一番困るのは確実に鉄(金属全般)の不足なのだ。
そもそも日本や先進国で鉱山を掘る職業がメジャーな国ってどの程度あるだろうか。
先進国の大体の鉱山が閉山していったのは、掘りやすいところを掘り尽くして採算が合わなくなったからだ。
逆に先進国と途上国や新興国に経済力の大きな格差ができたのは、先進国が昔自分たちの資源を掘りまくって生産し、それらの国に売ることで富を移転してきたからに他ならない。
だからそれらの国にはまだ楽に掘れるところが残っていると言える。
つまり、取引はこれまでよとなったときに、たちまち即座に困る上に自前確保が非常に困難なのは食い物ももちろんだが、種を蒔くとか足りないという次元ではなくなってしまう金属資源なのだ。
要するに無いから一番困るわけだ。
十分では無いが種撒いたら少しは取れるとかそういう次元じゃない。無いのである、生産がどうとかではない。
YoutubeでPrimitiveLifeとか、原始生活から人類史をなぞっていくコンテンツで、大体鉄器や青銅器の時代で行き詰まるのはなぜか?
それは当時の人類の真横にそれがあったような露出鉱なんかあるはずもなく、↑動画のように砂鉄とかでどうにかする他なくなるからである。
そう、そういうとりあえずすぐ調達できる場所の資源は我々は取り尽くして発展に使ってきた。
その後はとんでもない大深度の地下まで掘って掘って掘りまくって鉄砲の弾やおもちゃや車に変身させて札と交換してその金で和牛食って生きてきたわけだ。
既に戻りたくても戻れなくなっている。
当たり前の話で、↑の砂鉄からどれほどの量の鉄ができるというのか。(質とかはともかくとして。)
答えはこれ↓
こうした人質が既に取られてしまってると気がついてない人は未だに勇ましい。
しかしスーパーで肉も魚も売れなくなり、半額のお惣菜しか買わない客に音を上げたスーパーが二割引しかしなくなった現在、空元気がいつまで続くのか?
すでにスクラップの値段はこの二年で1.5倍くらいに上がっている。
中国の貿易パージが金属に及んだらそんなものでは全然済まないだろう。
缶詰が中身より缶のほうが高くなって、そのうち船を修理する金属部品の流通がおかしくなってまた無茶苦茶な値上がりをし始める。
それが農機具を対象にしても同じことになって狂乱物価は完全な悪循環になる可能性が飛躍的に上がってきた。
なにしろそれだけ構造的な脆弱さを抱えていながら、意味不明なファイティングポーズを取るのは私達の国の為政者がやめないし、芋一つ作らない都市住民は意味がわからないままゼレンスキーとネタニヤフにエールを送って節約生活をしている。
(マゾなのか?)
こいつらが現実に気がつく頃に手遅れではない保証は全然ない。
むしろ手遅れになったついでに回復も不能になるまで気が付かないのではないか、そうとしか思えないままである。
活路は都市型鉱山にしかない
こうした状況の中、特に日本みたいな国で活路を見出すとすれば、こと金属においては都市型鉱山つまりゴミ捨て場の採掘とスクラップ屋ビジネスしかないだろう。
(それも時間稼ぎにしかならんけど)
今後の日本では人手の調達が相当に難しいのはさておくしかないとして(議論とかに意味がない解決不能な問題で、やりきるのか諦めるのかの二択でしかない)、企業や生産として道を見出すとするのなら、スクラップ屋の開業とか行政と連携してゴミ捨て場を掘り返して鉄や非鉄金属を回収してスクラップ屋を通じ流通させるという他に方法はなくなるだろう。
多分この問題を騒ぎ始めるのに2-3年はかかるのではないだろうか。
上述の通りスクラップ屋の在庫と流通だけ考えてもそれだけの耐久力くらいはどこかにあるはずだと信じている。
多分そうだろう、そうであって欲しい。そうじゃなかったらいきなり破綻すると思う。
鉄鉱石の生産はほとんど全部がBRICsに集中しており、唯一西側だという前提で話ができるのはオーストラリアしかない。
中国、ブラジルに次いで世界第三位、シェアにして18%は豪州産である。
全部をオーストラリアに依存する他なくなったのだとして、単純計算で金属の価格は6倍ほどになるということだ。
ビルも建たない、ほとんどの建築物を紙と木で考え直すしかない建築界の江戸時代復興ルネッサンスみたいな状態になるのだ。
車は窓にサランラップを貼って木枠で走るようにするのだろうか?
木製自動車”義経”とか備前焼ボディ”牛窓”とかそんなやつ。
エンジンをどうするかとかはめんどくさいから考えたくもない。
しかしこのまま行ったら冗談としての木製自動車はともかく、金属資源が何倍にもなって社会は成り立たなくなるのは火を見るより明らかである。
アホと関わったらろくなことにならないなとしみじみ思うのだが、新しい事業を考えている人は、スクラップ屋を起業してなるべく金属を備蓄していって市場が高騰したときまで投資として貯蓄しておくとか、そういった計画を真面目に検討してみてもいいのではないかと思う。
だいぶ前にコロナが蔓延し始めた頃に「おそらく文明の退化が始まる」と予測したのだけどそれはこのようにして退化していくのだ。
あなたは紙と木で暮らしますか、スクラップ屋開業しますか?
第三の答えで北京語を覚えて上海に引っ越すとかもありかもしれない。
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