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パレスチナ人虐殺の理由と西側民主主義の落日 Stop Holocaust at Palestine.

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的確に「民族を」殺しに行っているイスラエルの虐殺

 

起こるべくしてといえばそれまでなのだけど、我々極東の住人にとって晴天の霹靂のように見えたハマスの攻撃から、予想していたバルト三国から遥か外れたレバント地域に飛び火したウクライナ戦争。
原因がウクライナの汚職軍人からの物資横流しだったのが実に皮肉だったといえる。

今回このハマスの攻撃に対しての報復で際立っているのが、病院や避難民が逃げ込んだ施設、難民キャンプへの狙い撃ちである。
誰しもジャバリア難民キャンプに打ち込まれたミサイルのクレーターを見たのではないだろうか。
トンネルとか軍事施設など、ない。
要するに子供、女を狙って殺しに行っている。

”日本はアメリカの51個めの州になればいいのだ”と冗談交じりに吹聴できる日本人にはピンとこないものの、これにははっきりした理由があって、文字通りの虐殺なのだと強いストレスを感じながらニュースを閲覧している。

日本国総理大臣の岸田文雄です。
ウクライナが大きな困難に直面する中で、今回の会合を主催されるゼレンスキー大統領のリーダーシップ、そして祖国と自由を守るために勇敢に立ち上がっているウクライナ国民の、勇気と忍耐に最大限の敬意を表したいと思います。
先週、私はウクライナを訪問し、その機会にブチャにおいてロシアによる侵略の惨劇を直接、目の当たりにしました。同市では、犠牲者への献花を行った上で、悲惨な体験をされた方々から直接話を伺い、ロシアの暴挙の理不尽さに強い憤りを覚えました。改めて、ウクライナ各地で被害に遭われた方々や御家族の皆様に心から弔意を申し上げます。
キーウにおける首脳会談においては、厳しい対露制裁と強力なウクライナ支援を継続していくとの日本の決意を、ゼレンスキー大統領に伝え、ウクライナとの連帯を改めて確認しました。
首相官邸WEBより

私達日本人の総理大臣はウクライナに行って、あったかなかったかはっきりしないブチャの虐殺に憤りを示しロシアに制裁を強化したわけだが、こうやって世界中のメディアが報道している言い逃れのしようがない虐殺には憤りを感じないのか?どうやら広島焼きというお好み焼きを食いすぎたら認知能力がおかしくなるらしい。

日本人として岸田の代わりに声を大にして、「Stop Holocaust at Palestine」と発言しておく。

 

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パレスチナとイスラエルの対立の根幹

 

最近、日本人は実に頭が悪くなったなと思っていたら、ネット上のミームではこれを宗教戦争と捉えているらしい。
まじかよ、どこまでアホなんだお前ら殺された安倍以下じゃないかと思ったのだけど、イスラエルとパレスチナは宗教でなど争っていない。

ユダヤ教のパレスチナ人もいるだろうし、キリスト教徒のパレスチナ人もいればイスラム教のイスラエル人もいる。
まじで知らないのだろうか?
レバント地域は大昔からそうなのである。というかイスラム教系の国々で他宗教と争っていることは極めて少ない。
インドネシアがイスラム教の国であると知らない日本人だって相当多いのだからこれは仕方ないのかもしれない。
(元来無神経だからなぁ、そこらへんが)

もとよりユダヤ教、イスラム教、キリスト教はあまり争点を持ってない同根の宗教なのも知らなかった人が多いだろう。
どれも共通の始祖を持っているいわば仏教の各宗派のような分かれ方(別れ方ではないってこと)をしたものなのだ。

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イスラエルとパレスチナ、ひいてはレバント地域を巡ってのイスラム世界と西欧社会の争いとは領有権問題にほかならない。
地図を見てのとおり、地中海世界とその外の世界の接合点であって、現代社会においてはスエズ運河などを指呼の間にした要衝の地であり、それ故に本来だったら日本で言う比叡山や高野山のように争いとあまり縁がない地域でなければおかしいはずなのにその領有権にローマ帝国時代以来何度も楔を打ち込んで今で言うイスラム世界(旧パルティア)との対立を繰り返してきた。

第二次世界大戦後はイスラエルを擬制建国させることでレバントの領有権に硬い楔を打ち込んでいる。
それ故に西欧社会に所属する大体の国々はイスラエルを断固として支えてきたわけだ。
ローマ帝国以来のならいってわけだ。宗教がどうとかではない、それができるはるか昔から争いは続いている。

現在の争点をパレスチナ問題に絞り込んでみれば、今となってはその名を聞くこともなくなってきたウェストバンクが消滅していったように、イスラエルによる占領政策と占領地の拡大に抵抗を繰り返しているのがパレスチナの立場であって、占領へのレジスタンス活動なのである。
このトートロジーなら南沙諸島や尖閣を中国に渡さないとか叫び続けている保守(ホモ)層にもわかりやすいのではないか?
そしてレジスタンス活動を積み重ねた結果、昔はPLOといういわゆるテロ組織だったものがパレスチナの自治政府として承認されるに至った。
PLOは西欧社会と話し合いを持つことで自治権などを獲得したものの、アラファト議長はイスラエル軍に捕縛され軟禁された。
そしてヘゲモニーはハマスに移行して今日に至った。

2020年だったかにイスラエルとアブラハム合意を結んだアラブ諸国がガザの虐殺で窮地に立たされ始めているように、レバント地域で西欧社会と融和的交渉を行った為政者はなぜかろくな結末を迎えていない、あのサダト大統領も結局は暗殺で生涯を終えたように。

地図を見たらバカでも分かる話なのだが、イスラエルが入植地を拡大していくのははっきりした理由があって、どのように交渉しようが結局はイスラエルの時間稼ぎに振り回されているに過ぎないと民衆は理解していたからそうなったのではないだろうか。
要するに食い物や資源の自給が、イスラエル建国当時の地図のままでは不可能なのである。
不可能だから生産可能な農地を求めてイスラエルの入植地は際限なく拡大していく。

もとから荒涼としていたあの地域で人間にとってハビタブルな土地はわずかしか無いし、そこには既に人が住んでいるに決まっている。
イスラエルをあそこに持ち込んだ事自体正気の沙汰ではなかったとしか言いようがないわけだけど、出来上がったからにはああやって理屈をつけてはパレスチナ人の家作を取り上げブルドーザーで地ならしして畑に変えていくしかなかったのだ。

多分、食うのに困ったことがない政治的エリート層がそこを理解しないままイスラエルの外交力と軍事的圧力にいいように振り回されているのがイスラム世界の有権者にとっては許しがたい間抜けな構図だったのだろう。

 

不可避だった対立の行き着く先はパレスチナ人のホロコーストだったのではないか

 

帰納法的にテーマを整理していくと、覆すことのできない根幹に誰しも気がつくのではないだろうか。
それはハマスやPLO、ヒズボラやイランが頑張っても軍事的にイスラエルのパレスチナ吸収を止めることなどできないってことに。

少なくともパレスチナVSイスラエルで焦点を合わせたらそれは絶対に不可能なのは誰にとっても明らかなことだろう。

これがパレスチナ人の多産、急激な人口増加の根幹なのではないか。
グローバルサウスの台頭を計算に入れず、今までの西欧社会一強時代が続くのだとして、パレスチナは遅かれ早かれイスラエルになるに決まっていた。
その中でパレスチナ人がどうやって生存を図るのだろうか?

エジプトとかイラン、レバノンにイスラエルみたいな国を作ってパレスチナを名乗るか?
これはちょっと厳しい話なのは誰にとっても明らかな話で、一番確実な解決策は西側の民主主義と人権に対しての理屈を援用することである。

つまり、占領された後に付与される公民権に焦点を合わせて人口を増やしておけば、選挙によって今までの不遇を挽回できるという集合的意志がはたらいていたのではないかと思っている。
西側の日頃の理屈を普通に当てはめるなら公民権の付与は不可分のものとして考えることは可能である。
実際、集計が始まった1993年に218万だった人口は2022年で536万人、約30年で2.5倍になっている。
増加率は常にイスラエルを上回っており、あそこまで迫害されてなお増え続ける人口には、静かなるインティファーダというにふさわしい強い意志を感じる。

2022年において966万人のイスラエルの人口に、536万人を足したら民意としてパレスチナの意志は28%を占めることになる。
日本における関東圏の絶大な政治力を考えたらわかるように、イスラエルを政治的に打倒するのに「十分な頭数」と言えるだろう。

そしてこれこそがイスラエルが見境なくミサイルを撃ちまくって片っ端からパレスチナ人を殺傷していく内在的理由なのだ。
学者とか政治家がどういう理屈をつけたところで内在的な理由というのは嘘をつかない、今日はフレンチが食いたかったからフレンチを食った、などと詩的な表現をしたところで人間は腹が減ったから飯を食っているだけなのであって、本質はガストロノミーではなく空腹である。
この内在的な理由を考えずには事象の分析はできない。

美しい芸術品のような料理を食ったところでトイレで出すものが臭いのは大体同じなのだ。

イスラエル政府や入植拡大による利得者は過去の行いを将来パレスチナ人による投票で断罪されることを本能的に恐怖していたのではないか。
そしてそれが集団的な共通項になってイスラエル国民の多数によるパレスチナ人差別、嫌悪に直結したのではなかろうか。
事象からの符号はそう語っているようにしか見えない。

だからこそアフターガザ、アフター入植地拡大の結末から必死で目を背け続け、弥縫策の連続は大虐殺一択しか見えてなさそうな政治的行き詰まりを生んだのだ。
だってそうだろ、公民権の付与からは逃げたいけどどんどん領土を拡大していって、住むところがなくなったパレスチナ人を最後どうする気だったの?
パレスチナの存在を認めないならイスラエルに領土を取り込むわけだよね。

人間はどうする気だったんですか。

 

この戦争の着地点と西側の落日

 

既にウクライナ戦争でじわじわメッキが剥がれかけてきていた西側の言う人権という欺瞞を、ガザの虐殺は世界中のメディアの目の前ですごい勢いで剥がしていく。

例えば前述のパレスチナ人の「静かなるインティファーダ」、パレスチナが消滅したあとにイスラエルが彼らに公民権を付与する気があったのかどうか今撃ち込んでいるミサイルは雄弁に物語っている。
「あ、こいつら結局屁理屈を適用するのは自分たちだけで、他人を奴隷にすることしか考えていやしなかったんだな」と第三世界とグローバルサウスの人々はみんな思っているだろう。
なにより、口を開けば人権や平和のためにあれをしろこれをしろ、ブチャの大虐殺許すまじと叫びまくった同じ口がパレスチナ問題では開かない。
国連の理事会からロシアを追い出そうなどと叫び散らかしたその手でパレスチナの停戦案に反対票や拒否権を行使している。

これは決定的な衰退を西欧社会、つまり西側全体に撒き散らすことになるだろう。

折しもこの記事を書いている11月3日の時点で多数の国が駐イスラエルの自国大使を召喚し、駐在のイスラエル大使や外交官の信任状を取り消している。
この流れは早晩戦火となって中東全域に飛び火するだろう。
そしてその結果スエズ動乱が起きることに疑う余地はないと判断している。
これは確実に海運の傭船料の暴騰を招くことは論をまたないし、この冬が寒かろうが暑かろうが天然ガスは全く不足した状態になるのではないだろうか。
インフレが新しい段階に到達する中、西側は世界から孤立していく。

現段階で我々が考えたほうが良さそうなのは冬、遅くても春の物価暴騰をどう乗り切るのかと、これらの騒乱が落ち着いたあとの実物経済世界に私達が座る椅子があるのか無いのかの二点ではないかと予測している。

最後にもう一度、「Stop Holocaust at Palestine!」と声を出して本稿を終わりにする。

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