東証一部上場企業の利益総額が47兆円、朝三暮四に踊る東京市場
上場企業の2015年3月期の連結業績は、円安が寄与して全体で売上高が3.3%増、経常利益が2.0%増と増収増益の見通しであることが時事通信社の集計で6日、分かった。原油安により石油など一部業種で巨額の損失が発生しているが、増益は維持され、08年3月期以来の最高益更新も視野に入りそうだ。
東証一部の利益総額が47兆円というので、東証では猿が集まって踊り狂っている昨今。
誰も指摘しない話があって、その利益を上げるために日本人はいくら金を出したんだというの、もう一つがその利益の後始末を自分でケツ拭けるのかという部分から多くの人が目をそらしている。
そりゃ、利益上がったのは構わないんだけど、その利益を上げるのにいくらの投資が必要なのかは最も肝要な部分になろうし、利益をあげて配当して、0.6%くらいのベアをしてお茶を濁して、投資の後始末は誰がケツを持つのかを無視されても困る。
利益が上がって喜んでいいのはTOYOTA位なもんで、実際は多くの企業の利益は自力で上げられてない。
その実態に大雑把な数字面からアプローチしようと思う。
投資でも経営でも、単純な出納以外からの検証やアプローチをしてはいけない。
複式簿記で話しの筋書きを描くのは、税務署・株主・銀行の誰かをだますための話作りのためにすることであって、おおまかな方向性を見たいときは決して複式簿記の甘い囁きに耳を傾けてはいけない。
100円で仕入れたものを10円の経費をかけて130円で売る。
こうした純粋な仕組以外の全てはまやかしにすぎない。
輸出数量は微減、金額は横ばい、貿易は大赤字、GDPはマイナス、複式簿記で計算した結果上場企業の利益総額はプラスになった。
現金出納だけで監視していれば、まともな人はこうした法螺話に決して引っかからない。
そもそも「アベノミクス」の民活の原資は公共事業
↑のグラフは公共事業の推移を示すもので、小渕内閣までの決定事項も小泉内閣に交代後どんどん減っている様子が伺える。平成14年から完全に土建屋がとどめを刺された状態になって、田舎の経済から阿鼻叫喚の地獄絵図になった当時の様子が見て取れる。
そして第二次安倍内閣に交代後もその緊縮予算を守っているかのように見えるものの、実は今現在平成14年以前の公共事業の状態に巻き返されている。
平成25年度において、公共事業の推移にプラスして総額で3兆5千億ほどの復興特別会計やオリンピック関係の投資が他に計上されていて、この12年間減少の一途をたどってきて数が絞られた土建屋に救いの手が差し伸べられた。
今日本で自動車関連を除いて好景気を謳歌している殆どの企業は、公共事業にぶら下がって一息ついているといったところが正解だろう。
パナソニックを除外して(パナソニックは三洋買収で自動車関連にシフトして息を吹き返しつつある)、電機業界で黒字決算を出している企業は基本的に重電に手を出している。
東芝は29日、海外でのテレビの自社開発・販売から撤退すると発表した。今後は国内での事業に絞る。中韓メーカーの台頭で価格競争が厳しく、赤字体質から抜け出せないためだ。
つまり原発の後始末や、火力発電所の再投資、再稼働を目指した原発のメンテナンスが特需的に発生して家電の赤字を埋め合わせていて、家電全体で言えばどこも大体はシャープと同じような内実なのが本当のところだろう。
こうした公共投資による利益が好景気と関係があるのか?
今謳われている利益の拡大というのは本質的にかなりの問題を抱えている。
まず、公共投資で防波堤を作ったりするのは結構なんだけど、今から30年後にそこにほんとうに人が住んでるんだろうか?
人口減少局面で無人になるのが火を見るより明らかなところにずいぶん多額の投資をしている。
例えば、オリンピック関係で人口3万5千の街に1万人とか収容できるスタジアムを建てたりしてるらしいけど、そんな巨大な施設をど田舎で維持できるんだろうか?
今利益が上がった給料上がったと大きなことを言ってる人の懐からだけではその経費は捻出できないのは明らかだ。
また、そうした利益が何に使われるのか?
グラフから見ても明らかな通り、公共事業削減で多くの受注する企業は傷みきっているのが現実だ。
除雪ができる土建屋が見つからないなんてことが豪雪災害で明らかになったりしている。
つまり、今まで12年間痛み続けてきた会社の補修に使われるもので、景気拡大に使われることはまずありえない。
12年かかって傷んだ会社は、相応の利益を同じ期間上げ続けないと根本的に立ち直ることはありえない。
濫発してきた手形の回収、多額に上る短期債務の返済、長期借り入れの組み換えにまず使われて、そのわずかのお釣りが車両の修理に回るのが関の山だろう。
人材不足という都市伝説は本当か?
これも大嘘なのであって、公共事業にぶら下がってる業種で募集をかけて、それに人が集まらないと喚いている。
しかし不景気の時でも大規模工事で人材が余るようなことはまずなかったわけで、単に不人気業種の募集が増えただけってのがほんとうのところだ。
常識で考えてみて欲しい。まるですべての業種で人手不足みたいなこと言ってるけど、それ実感してる人、居る?
出かける度にアルバイト情報が載っているタウン誌をパラパラ見てるけど、厚さも変わらないし時給も変わってない。
世の中の真実は求人に関してはバイト情報誌を見るのが一番早い。
つまり昔から地上25mの所で作業する煙突掃除作業員とか、落ちたら100%死ぬような高所作業をする鳶、土方なんてのは募集をかけてもいつだってそう簡単に人が集まらなかったのであって、第一原発の清掃作業員を募集して応募が殺到するわけがない現実を見て察するべきだってこと。
そういう仕事以外だと、老人ホームでおむつを交換して、いつ死ぬかわからない人の介護をするお仕事もあるけど、やりたい?
求人倍率は改善された。原発やでかいプラントで命がけで働いたり、年寄りの臭いおむつを交換するお仕事、全部安月給。
「空前の好景気」とやらの正体は実際はこうだ。
1995年から始まった不景気で街場で大きな仕事をやれる企業は3分の1になった。
往時の半分になった予算に3分の1の企業が群がっていたところに、往時並みの発注が降って湧いた。
そして生き残った人が残存者利益を得た。
ただそれだけの事で、MADE IN JAPANの売上が爆増して回復した好景気ではなく、これも株式と一緒で官製相場だということだ。
不景気の原因は「消えていった3分の2」にあるのを誰もが忘れている。
貿易赤字は年々拡大、輸出数量は減少、海外からの観光客が真水で2兆円消費しても「製品売上」は壊滅状態。
通貨価値が5割強落ちている今、半額セールを毎日開催している状態なのに、それでも貿易が赤字。
物は売れない、土地の価格は上がらない、人口は減る。
これが本当に好景気なんだろうか?
実態は半額のシールを張っても売れ残る商品ばかりの死にかけのスーパーと同じ状態なんだが。
「それでも利益が上がれば設備投資につながるんだ!」
目をつぶってこう叫び続ける人々を横に、住友大阪セメントはセメントの輸入を決定した。
セメントの増産より輸入の方がマシだとメーカーですら判断している。
全ての公共工事に利用されるセメントは、自給率100%で安値世界一だった。
その安値のセメントに何割増しの高価な台湾セメントを混ぜて販売する。
トリクルダウンの受け手はこの場合台湾人だ。
自動車業界の好調いつまで続く?サブプライム頼りに食い下がる新興国、省燃費脅かす原油安
TOYOTAに関して言えば「今まで」で言えば、自動車ローンの審査基準変更で北米で莫大な利益(全利益の3割強)をあげていて、自力で儲かっていると言っていいし、家電界でも自動車関係で成功している会社も同じことが言える。
まず自動車業界と電機メーカーのサバイバーの関連性を紐解くと、車載システムとバッテリーの販売の関係が一番に挙げられるだろう。
オーディオー、ナビ、スマホと連携する色々、ハイブリッドのバッテリー。後方センサーやカメラ、色々ある。
2013年度に1兆2千億円くらい関連で売り上げているもので、今年も販売台数に応じて成長したはずだ。まさに省エネと車載IT様々ってとこじゃないだろうか。
事実その分野に手を出してない多くのコンシューマー専門の弱電は壊滅状態だ。
TOYOTAの売上の伸びも、北米で自動車版サブプライムローンが一般化されて以降、燃費もあってだいぶ売れたようだ。
利益の主要部分を日本の自動車メーカーは北米で挙げた。
アベノミクスの円安が奏功したと言うよりも、北米の市況によって空前の利益を挙げているというべきだろう。
TOYOTAに代表される自動車業界の成長というのは、基本路線でアメリカバブルに乗っかった副産物だ。
その証拠にほぼ全ての自動車メーカーが前年比の販売を伸ばしている。
一方で北米と中国経済の伸長は日本にとって極めて厄介な相手を育てている。
今ヒュンダイの売上はすでにホンダに匹敵し始めており、ヒュンダイ単体の北米販売台数にスバルとマツダのそれを合算してちょうど位の規模まで成長してきた。
そしてヒュンダイはダイハツの事業分野だった業務用車両でやすい製品を開発して順調にアジア・北米の売上を成長させている。
欧州車の売上みたいに高級車中心とは言えないアジアメーカーの成長は、主戦場での競争が激化することを意味している。
ライバルの成長と同時に、日本メーカーにとっての追い風だった原油高が収束したのはデカイ。
原油安をきっかけに北米市場をアメリカの自動車メーカーに復権させようというのだろう、FOXとか共和党寄りのチャンネルでは早速TOYOTAのプリウスを槍玉にネガティブキャンペーンを仕掛け始めている。
「燃費がいいTOYOTA(笑)」「君プリウスなんか乗ってんの(笑)」といった風に。
燃費の良さがセールスキャッチとして奏功しなくなった時に、まっさきに打撃を受けるのはハイブリッドのバッテリーの供給メーカーだろう。
そして省エネしか売りがない日本メーカーも大変なことになるのは目に見えている。
只でさえ高級車の実効燃費でエコディーゼルに敗北した昨今、廉価車両の市場を喪失したらお陀仏になるのが目に見えている。
今最高益を謳歌している自動車産業も、先行きの面で言えば危惧を感じずにはいられない。
事実TOYOTAはアメリカの販売網の統廃合に着手して、オーストラリアの工場は撤退する。
日本では減産して海外では合理化してレイオフを断行している先に、彼らも今の売上がこのまま続くと考えてないという見通しがはっきり見えている。
仮に販売台数を維持するつもりだったら、貿易摩擦解消のための投資である現地雇用を削減するはずもなく、日本の工場で減産することもないからだ。
今後もまだ売れると確信していたら下請けに更なる値下げも要求しないだろう。
自動車メーカーの頭打ちと今後の先行き難は深刻な打撃を発生させるはずだ。
まず電機メーカーはヒュンダイやキアに製品販売を開始するだろう。
それから2,3年したら多分サムスンがもっと優秀なシステムを投下してくるに違いない。
部品の供給ビジネスで失敗した場合、弱電専門企業に食べていく道は見えなくなるのではないか。
TOYOTAを連呼してアベノミクスで利益を挙げているその他の企業の実態には口をつぐむ一方、未曾有の成長を続けてきたTOYOTAはそろそろ自分でも頭打ちを予想している。
皮を剥いた時に、儲かっているのが土建屋と原発関係だけだったとなったら衝撃は相当でかいはずだ。
利益は上がった 金なら銀行に返した 負の遺産が林立した 納税はしない
自民・公明両党の税制調査会は29日、来年度の国と地方に納める法人実効税率を、2015年度と16年度の2年間で3・29%引き下げることを決めた。来年度で2・51%下げて32・11%とし、16年度で0・78%下げて31・33%とする。税制改正の議論はこれで決着し、与党は30日に来年度税制改正大綱を決定する。
安倍政権は法人減税を成長戦略の柱として、今年6月に「来年度から数年で20%台に下げる」方針を閣議決定した。企業の税負担を軽くし、外国企業からの投資を呼び込んだり、日本企業の業績改善や賃上げにつなげたりするねらいだ。
たとえアベノミクスの好景気というのが本物だったとしても、アベノミクスというのは財政に(つまり国民生活に)何の影響も及ぼさない現実がある。
それは国策でじゃぶじゃぶ金を出す一方で、投資の回収手段である徴税の税率を順を追ってどんどん下げていくという事に理由がある。
毎年10兆円近い金を公共事業でばら撒いて、企業の経営が一息つけて不採算部門を社員と一緒に切り離し、株主に配当を出して銀行に金を返す。
政府の金をばら撒いてそれが銀行の金庫に消えて、減税されて税収はマイナス。
税金でリストラのお手伝い。
アベノミクスで企業の利益は1,13倍に成長して、数年で税率を15%下げる。
工場の新設も補助金を出して工場を建て企業を誘致して、数年で市場トレンドが変化して廃墟になり、あるいは新興国に格安で叩き売られる。
しかし国民の金で好景気を演出してやっているのに、なぜ企業だけが減税や補助金の恩恵をうけるのかいずれ必ず深刻な問題になるだろう。
「企業が雇用の役割を果たす」
と目をつぶって叫びだす人も居るかもしれない。
だったらなんで勤労者の総所得が低下して、派遣社員が増加しているんだろうか?
企業が皆雇用の義務に貢献していたら派遣社員は増加しない。
企業が雇用に貢献するつもりはないという嫌な現実にとっとと気づくべきだろう。
市場は拡大しない・利益は公共事業からしか上がらない中で、わざわざ人を抱え込む意味なんかないのは誰の目にも明らかだからだ。
アベノミクスでの企業への投資というのはまさに焼畑農業そのものであって、トータルで帳尻を合わせた時に必ず税収的には逆ざやになる。
47兆円に対して約17兆円が課税されている現在と比較して、公共事業をばらまきながら先々ではそれが10兆円弱に転落する。
その場合企業には17兆円ばらまいている計算になるんだが。
なぜ消費税を上げるのか意味がわからなくなってくる。
大学のカリキュラムから税制まで全てを企業向けに誂えて、原資は個人の税金から収穫する。
その個人が派遣社員ばかりだったりして、実に素晴らしい政策だ(笑)
焼畑農業が生んだのはハゲ山だった 株式投資で景気やモノヅクリは動かない
アベノミクスで好景気を起こすと吹聴する一方で、やってることは株式投資と公共事業だった現状。
なんで輸出数量が伸びないのに利益が上がったと騒ぐのか、一つの合理的な疑問の答えは伸びている業種とその内容にはっきりと浮かんでいた。
直接的に政策で伸びた企業は、全部が公共投資にぶら下がっている企業だった。
公共事業が悪とは思わないし、道路は無駄という寝言に付きあおうとも思えないけど、基本的には平成14年以降の公共事業の削減で、「今の体力で持続可能なインフラで最適化しよう」という一つの結論があったはずだ。
アベノミクスの企業や営業の部で顕著なのは、公共投資で利益を先食いして持続可能とは思えないカンフル剤をあちこちに打ちまくっている姿だろう。
つまり「今の体力では持続不可能なインフラへの過剰投資」だ。
自分達が給料を上げた時の利益はしっかりポケットに入れて、自分たちの仕事がまき散らす災厄には知らん顔。
法人税の減税で雇用や投資の拡大というのも嘘だ。
投資や雇用は基本的に経費として認定されるものであって、税が多額に上るときに「税を納めるよりは」という動機で日本人はそれらに投資してきた。
減税で浮いた金は利回りのいい金融投資やM&Aに回したいというのが企業の本音だ。
そうした金儲けの種銭を税金にタカりたいひったくりみたいな連中に金をばら撒いただけなのがアベノミクスなんじゃないだろうか。
今やってる公共事業の投資や減税という税金からの投資は国民の生活にポジティブなインパクトはもたらさない。
原発の廃炉作業は何も生み出さないし、東北のど田舎に建てるスタジアムは早晩お荷物になって自治体の財政赤字の生みの親になるだろう。
もともとアベノミクスの謳う好景気というのは、MADE IN JAPANが世界中で飛ぶように売れない限り実現不可能なものだ。
優れた製品やサービスを開発するために、土建屋に公共事業を出したり爆発した原発を解体するのに躍起になったりしてる国が日本以外のどこにあるんだろうか?
企業の投資や国の景気のために株式投資をする国というのも聞いたことがない。
本当にそれだけで世の中が回るのであれば、税金の徴収をやめて政府は一日中株式投資で稼いでればいいじゃないかという話しになるに決まっている。
MADE IN JAPAN=モノヅクリ という常識を踏襲すれば、投資する先は株式市場じゃなくて科学技術だった。
基本的なファクトを無視した財政出動で自助努力で稼ぐことができなくなった日本企業の延命に成功した。
現在日本では、延命とは好景気を意味するらしい。
本シリーズは前回が有価証券・金融資産の部、次が年金・社会保障の部、最後に出口政策の部で記事を投稿しようと思う。
沸いてくるクソコメ、踊るクソリプ。年単位でつきまとうネットストーカー。
日本有数のネトウヨ・キチガイ・ネットトロルウォッチャーです。
主に経済・哲学・ライフハックを扱います。
コメント欄は日本有数の保守(ホモ)、ネトウヨ、ネットトロル博物館となっております。
義務教育で学び損なったらどこまで悲惨な人間に育つか?
子育て世代の貴重な見本がコメント欄に大量に所蔵されています。
アベノミクスに抜かりはありません。
アベノミクスを批判する奴は特アのスパイ。
ってなことを言うネトウヨ最近少なくない?
最近減った気がするんだけど。
なるほど~。実情がよ~くわかりました。
政権の方にも現実を分かっている人はいると思いますが、
安倍さんに言ってるのでしょうかね?
ぐんだりさん、どう思います?
よくわかんないけど、日銀が毎週毎週何百億円もETFを買ってるから日本経済は大丈夫だよ!
http://www3.boj.or.jp/market/jp/menu_etf.htm
でもだれか出口政策知ってたら教えてほしいな!