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ドナルド・トランプ当選とインターネット SNSで伝染する悪意と怒り

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ドナルド・トランプの選挙キャンペーン成功の秘訣は?

 

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トランプが選挙で勝利したと言うので、産経みたいなトランプの親戚みたいな新聞から自民党みたいなトランプの日本版みたいな政党までてんやわんやの大騒ぎだね。

今回、口を揃えて「トランプブーム」を連呼しているのが、近代的な民主主義の理想像に彼らもしっかり染まっていることを示していて面白い。

 

今回トランプが当選したのは間違いなくインターネットのおかげである一方、実際にトランプブームが起こったのかはかなり怪しいだろう。

仮にトランプブームが起きているのならどう考えたって投票率は高かったはずだし、得票数がヒラリーを下回るなんてことはなかったはずだ。

 

にも関わらず、なぜ「トランプブーム」が連呼されるのか。

それは多数決的な意味での単純な数の勝利でしか選挙では勝てないという盲信が根強いことを示しているし、「選挙結果は常に大多数の賛成の賜物だ」と信じ込んでいることも示している。

 

今現在、安倍晋三氏に山口県の人以外の誰が投票したのか?

彼は日本の総理大臣だし、こと政治に限らず、世の中の風潮というのは、良し悪しを別にして常に一部の特異点や、浮世離れした過激な人々の徒党化した動きで変化してきた。

 

原爆は特異点の代表例アインシュタインが少数チームで開発し、佐幕派の方が数の優位にあった幕末に結局幕府は倒されて明治に突入した。

そう、世の中は狂騒する一部の人々の動きを蜃気楼のように反映して人々の目に見せている。

 

得票数でヒラリーが勝っていて、トランプ反対デモがあちこちで起きてもトランプブームと言ってしまうのは、蜃気楼を幻だと知らないからだ。

本当にブームが起きていたらヒラリーは得票数でボロ負けしたろうし、反対デモも起きてない。

 

日本で安倍晋三ブームが起きて、憲法改正や沖縄のアメリカへの売り渡しに大多数が賛成しているのか?

繰り返す。安倍晋三は総理大臣だ。

 

同番組とのインタビューでトランプ氏は、大統領に就任した後はソーシャルメディアの利用を自重するとしぶしぶながら述べる一方、何もやましいことはないと語った。また「フェイスブック(Facebook)やツイッター、インスタグラム(Instagram)などにおいて、私は(フォロワー)数の面でこんなにも力がある。彼ら(他の出馬者)は私よりも潤沢な資金を選挙戦に投じてきたが、ソーシャルメディアは私が全面的に選挙戦を切り抜けるために役立ったと思う。そして私は勝った」と述べ、悪意ある話題や不正確な情報を流されても、自分にはソーシャルメディアという反撃手段があったと語った。

 さらにトランプ氏は、ソーシャルメディアを「最高のコミュニケーション手段」と評し、自身のフォロワーは2800万人に上りインタビューの前日にも新たに10万人増えたなどと自慢げに語った。

via: トランプ氏、「米大統領選の勝因はソーシャルメディア」 (AFP=時事) – Yahoo!ニュース

 

 

トランプ当選と朝鮮人虐殺の類似性

 

トランプの勝利とSNSの相関性は注目が欠かせない要素だろう。

関東大震災の時に朝鮮人虐殺で正力松太郎が証明してみせたとおり、広範に活字化されて人々の目に触れるもの、そこに悪意が書かれていた場合拡散は容易だ。

 

つまり、人は衝動として悪意により強く惹きつけられる傾向を持っている。

例えば街角でボランティアに立つ人々と、昼日中から不倫に励んだり、有り余る金を他人のために使わずに趣味のブランド品に変えるニューリッチに憧れる人の人数を比較したら後者の方が多い。

 

統計的な数値がないのだとしてもそれが事実だってことは誰でも分かる話だろう。

善意より悪意、これが人間の視線が奪われる順位なのは生物的な宿痾なわけだ。

 

SNSに限って言っても、善意より悪意の拡散のほうが容易だし燃え上がる炎はでかい。

地震の被害に募金した人を叩く声のほうが、募金を募る声よりSNS上では大きかったがゆえにネットメディアに取り上げられ、雑誌や新聞にも載ったのは最近の事実。

 

つまり、ヒラリーにせよ同類の人々にせよ、共和党の他の候補者にせよお題目がキレイだったことが敗因なわけだ。

トランプが大統領で良いのか あのセクハラ野郎 と悪罵の限りを尽くす選挙キャンペーンのほうが、ポジティブに国を変える公約を発布するよりよっぽど効果的だった可能性が高い。

 

それほど当たり前、まとも、善意の要素を踏襲した言動や行為は人の意識に残らない。

例えば、労働組合や共産党が経営者側と戦い続けて権利を守ってきた労働者の歴史、今誰か覚えてるんだろうか。

だらしない野党とサヨクの枕詞には、必ずと言っていいほど「憲法より生活を訴えないから野党が負ける」とついている。

 

まさにそのキャッチフレーズで選挙を戦っている野党に向かって、本気で馬鹿にならない数の人間がそれを投げかけるのが現実だ。

そして彼らの応援する候補者の得票率は伸びない代わりに、なんとなくそういう風潮にアテられた人々が面罵されるパヨクを敬遠し始めて選挙で敗ける。

 

その点で言えば、一昔前にラリー・フリントがやったのと同じような選挙の戦い方を、当選を前提に繰り広げたトランプは、選挙を勝たなきゃいけない投資と捉えて実に狡猾に戦い抜いたと現代的な意味で賞賛されてもおかしくないだろう。

日本でも安倍総理は同じようなストラテジーを、広告代理店に企画させて採用しているようだけど、それがどれほど効果が高いか日米両国の近頃の選挙が指し示した。

 

ソシャゲを爆発させるのと同じノリで選挙が勝てるって事を証明した。

重課金者もどきのオタクが蛆虫のように集まって選挙を(ある意味で思惑通り)支援する。その構図だって日米とも似たようなもんだろう。

 

安倍とトランプは選挙で勝ったというより、対立候補を引きずり落としたという方が正解に近いのだろう。

このニュアンスの違い・温度差を理解できない限りシステムとしての選挙は今後もこういう流れが主流になっていく。

 

悪行千里を走り、善行門をも出ず これがヒトの本質だ。

 





 

 

冷静な大多数より、行動する少数派が徒党化して歴史を変える

 

選挙で勝ったというより、対立候補を敗北させたのだ

 

つまりこれは、「冷静な大多数」の順当な行動より、行動する少数派の帰趨が勝負の重要な部分を常に担っていることを証明したということだ。

だからこそここでSNSやインターネットの存在感が重要になってくる。

 

集団ストーカーという精神病や、ネットに相関性が高い疾患。

従来は偏在していた社会の特異点を所得や距離などの差を乗り越えてネットが結びつける。

 

平野達彦が淡路島で起こした五人殺しの事件や、植松が障害者施設を襲って19人殺したのも、最後に後押ししたのはネットだった。



 

ただの少数派が行動する少数派に変わったのは、「一人ではなかったのだ」という安心感が引き金になっているし、それはインターネットが生み出した安心感と言って差し支えがないだろう。

 

一昔前の日本でこれほど公に差別用語が飛び交っただろうか。

たかじんのなんとか委員会だとか、チャンネル桜とか1990年代の日本では放映することそのものが無理だったはずだ。

 

なぜそうなったのか?

安心感をネットが生み出した結果、

 

悪意や疾病が伝染する

仲間が増えて一人じゃないと実感する

「行動しても良いんだ」と錯覚する

アクティブになったキチガイがはた迷惑な動きでヘドロをそこらじゅうに撒き散らす

 

↓(日米の最近の選挙)

煮えくり返る鍋のようなカオスを見て、ディティールに興味がない人はヒキ始める

(これが大多数のうちのマジョリティーってこと)

 

これをしてポリコレの敗北とのたまう人々が増えているらしい。

しかしそれをより正確に表現したら、心の中の狂気を抑えきることの出来ない心神耗弱状態の人々がそれなりにいたとしか言い様がないだろう。

 

伝染病と同じ理屈で捉えたらより理解しやすい。

伝染病に予防注射が敗北することはない。

あえて言えば予防のタイミングが遅れてパンデミックを起こしてしまったと言うべきで、伝染病が流行したからと言って予防注射に正当性がなくなったとは誰も思わない。

 

ポリコレの敗北という現象は、正確に評価すれば

「まだあの病気に感染してる人なんかどれ程も居ないじゃない。健康な人が大多数だよ?」

という事態の過小評価が思わぬ結果を生んだってことだ。

 

上述のメソッドの通り、勝負の帰趨は行動する少数派の行動が現実化して、「冷静な大多数」に内包される『さほど関心がない人』の沈黙を生むかどうかが鍵を握っている。

 

「冷静な大多数」は、強制性や党派性を伴わないが故に、『常識だと○○だよね』という消極的な姿勢しか持ってない人を母数の大部分にした曖昧模糊とした集団を指す。

「別にどっちでもいいから○○でいいじゃん」という興味が全然ない人も含めば、なんとなくその場で決めますという人も含んでいる。

 

目に入る情報が彼らの行動を左右するし、アイキャッチの率は猥雑さに比例する。

そして猥雑さが一定のしきい値を超えた時に消極的人々は嫌悪感を持ち、関心の高い人は声を出す。

 それだけのことだ。

 

だからこそ倒幕派は江戸市中や京都市中でテロ行為を頻発させて、市民を辟易とさせてそれを取り締まることの出来ない公儀への嫌悪感を醸成してから決戦に挑んだ。

その時に「冷静な大多数」が本当に思ってるほど賢明であれば、事実としてテロを主導した連中の利になる行動は一切しなかっただろう。

 

伝染病もナチスも大東亜戦争思想もはじめは一人から始まったどうってことない変わり者の運動だったってことを忘れてはいけないし、選挙で複数回勝利を得たあらゆる政治的ムーブメントのキーは大多数の手には握られてはいなかった、それが現実なのだ。

 

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gundari迦陵頻伽 Recent comment authors
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迦陵頻伽
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迦陵頻伽

政府や自民党の狼狽振りを見ると、本当にトランプが当選するとは思っていなかったのでしょうね。

情勢を一番つぶさに把握できる立場に居るはずなのに、政府の情報収集能力はこんな程度なのでしょうか。

いつもは共和党候補の当選をもろ手で喜ぶ産経も、TPP.安保・沖縄問題もあってか、今回のトランプ当選は嬉しそうでないみたいですし。

本文の論旨とは関係なくてすみません。

迦陵頻伽
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迦陵頻伽

以前の記事にありましたよね
みんなに同調するとろくな事にならないとかなんとか
あの記事は警鐘みたいな雰囲気で書かれてたように記憶していますが
まさにそんな感じの実例が目の前の現実で起こってしまったんでしょうね

迦陵頻伽
Guest
迦陵頻伽

トランプ氏の選挙戦術なり人格なりを批判し、ポヒュリズムと小馬鹿にする前に、何故ポヒュリズムが台頭したかを反省する流れがほとんど見えない。
特に米国で見受けられることだが、「未来のボリューム層」と持ち上げられているヒスパニックやらその他新興勢力にしっぽを振る政治家に対して、「現時点でのボリューム層」である白人中低層労働者階級が長年溜め込んできた怒りを爆発させた結果、いわゆるエスタブリッシュメントとは一線を画すトランプ氏の当選に至った。んで、その怒りの根幹は、米国社会全体が白人中低層労働者階級を抑圧してきたことにある。
経済的には、本当の意味での貧困層はフードスタンプなり何なりで、足りないながらも補助を受けているが、トランプ支持層は税金を毟られるだけ。
政治的には、政治家は前述の通り新興移民ばかりに良い顔をする。
さらに、家族観や性的価値観に関しては、古臭いと罵られる。
社会的に四方八方から抑圧されれば、誰だって破壊者・再構築者の登場を歓迎する。白人中低層労働者階級への抑圧が意図的かそうではないかは知らんが、これを語らずしてトランプは馬鹿だ、トランプ支持層はもっと馬鹿だとしたり顔で語るのは、卑怯極まりない。