問題解決に向かい合わなかった政治家の自業自得は世界中で
欧州連合(EU)離脱派が勝利した23日の国民投票後、英国内で移民らへの差別的な嫌がらせが急増、キャメロン首相は27日の閣議で強く非難した。PA通信が伝えた。キャメロン氏は「政府は他のEU諸国の市民に対する不寛容には我慢できない」と訴えた。
英国では国民投票後、ポーランド系移民らに英国から出て行くよう呼び掛けるなどの嫌がらせが相次いで発生。ニュースサイト「インディペンデント」によると、これまでに100件以上の差別的嫌がらせや憎悪犯罪(ヘイトクライム)が報告されたという。
ロンドン警視庁は今後も同様の行為が起きるとみて警戒を強めている。
イギリスのEU離脱問題って、結局のところ「移民問題ガー」でカタが付いてしまった勘があるけど、どうもイギリスの為政者及び日本のニュースを聞いた人々の感覚がおかしいと思えてならない昨今。
そもそも論としてなんでEU離脱をしなきゃいけなかったのか?
実は日本でもEU離脱に近い現象はバブル時代に既に起きていて、その対処を誤ったために今の悲惨な時代を招いたのが現実と言わざるをえないだろう。
そう、EU離脱問題はイギリスだけに始まった問題ではなくて、欧州にとっては普遍的な問題で、東京は一足お先にその洗礼を受けている。
バブルの後の地価暴落を何に起因していたか振り返ると、一言で言えば不動産融資の総量規制だった。
なぜ総量を規制するようになったのか?
それは東京都民が一戸建てを買えないほどの地価高騰に起因していて、局所的な人口爆発が都市設計の許容量を超えたら必ず対立が起きるということを示していた。
EU VS イギリスの対立はそっくりそのまま首都圏 VS 地方に反映されていたのは紛れも無い日本の近代史だ。
全ては東京への人口集中に起因していたし、バブルのピークは都市の許容量を人口が超えた時点で起きたわけだ。
それ以降の日本で、昔の土木屋のように大手を振ったのはマンションデベロッパーだった。
横に伸ばせない土地を縦に伸ばして人口集中を誤魔化した。
(今はその必要もなくなったのに惰性でなんとなくごまかし続けて日本の地価と家族制度を寄生虫のように蝕んでいるわけだが。)
総量規制を皮切りに、東京は地方に金を盗まれているとかそういう理屈が世論を席巻し始めて、東京は日本という和合の集合体から離脱して一種独特の存在になった。
今のイギリスとそっくりの国内異邦人に学ぶべきところは多い。
今回のEU離脱が具体化したら、欧州は取り返すことの出来ないリセッションへ転落するだろう。
数百年前に設計が固まった都市には柔軟性がなかった
イギリスの庶民的には、ガイジンが増えるから困るというよりも、「人」が増えて色々困っているというのが正直な感想。ここの人達はガイジンには慣れているし寛容。ただEUからこんなに人が来るとは誰も予想してなかった。政府の予測は大外れだった。自治体が耐え切れない状態になっている。
— めいろま (@May_Roma) 2016年6月24日
日本で地方から進出した企業や人が大阪や東京を覆い尽くしていた時期。
ちょうど、今の京都の河原町や大阪の心斎橋の外国人と同じだけの人数の日本人がそれぞれの商用や学業、旅行で彼の地を歩いていた。
東京の原宿とかあのあたりもちょうどあんな感じで地方から出てきた人々で覆い尽くされていた。
都市設計というのはそもそも住人の数に起算して行われるものらしく、何かでどっと人が集中した時にキャパシティーをすぐにオーバーし住人には耐え難いストレスをもたらすものだ。
イギリスの、特にロンドンの場合それは度を越してひどかったといえる。
リーマンショック前にロンドンに買い物に行って思ったけど、まず地下鉄に乗れない。
出社帰社のラッシュアワーに、街を歩いていたらかなりの長い、それこそ何百mの行列が出来ていた。
「なんかうまい店でも出来たのか?」と思って行列の先頭まで追いかけてみたら、単に地下鉄の駅からあふれた人が行列しているだけ。
休みの日の公園なんか文字通り立錐の余地がない。
日光浴マニアの白人が、南極のペンギンみたいな密度で肌を晒して日光浴をしていた。
親切丁寧、道を熟知しているのが売りのロンドン名物のタクシーも、移民が就職したおかげで印象は様変わりしていた。
人でごった返して、どこ行っても座る場所もなく、家賃は高騰し食い物は値上がりし阿鼻叫喚の地獄絵図だった。
それこそ一部屋一人の貸出より、複数人数でルームシェアのほうが儲かるからか、部屋の貸出はルームシェア前提という物件も大分出ていたらしい。
日本の東京とイギリス、ロンドンの共通点は、都市計画が既に煮詰まってそれ以上の(住宅供給向け)開発が難しいという一点に絞り込まれる。
たとえ空き地があったところで、常識的な金額で貸し出しできるような地価じゃないってことは誰にだってわかるだろう。
つまり、それ以上広がりようがない最適化が100年以上前にとっくに終わっているロンドンや、高度成長期で空き地が消え失せた東京にとって人が集中すればするほど摩擦が起きるのは必定だったわけだ。
全ての原因は、拡げる都市計画を立案出来るアメリカの繁栄方式を拡げられない古い街が真似しようとしたことにある。
↑の航空写真のどの地域で住宅を供給するのか?
ヘタしたら東京の倍ぐらいの地価のロンドンでそんな馬鹿げたことは不可能だろう。
東京の地価でも無理なものがそれより高いところで実現できるはずがない。
そしてこうなった。
移民のせいでもなんでもない。
はじめからわかりきっていた問題を無視して、都市計画をほったらかしにしてきたつけ以外のナニモノでもない。
算数ができる人か、地図を見れる人が計画を立てていたらこんなことは起こり得なかっただろう。
都市計画問題と切り離せない移民問題、アメリカ型の繁栄模倣に再考を
-アメリカの方式を真似するのが馬鹿だった-
事は、今からアメリカの真似をする気らしい日本政府にもよく考えて欲しいところなんだけど、実際問題欧州の都市計画の破綻は津々浦々まですさまじい状況になっている。
少し前になるけど、シチリアに旅行に行った時もそうだった。
まず、空港にアクセス出来ない。
帰り便に乗ろうとして3時間前にタクシーに乗っても、空港から徒歩15分位離れた地点から動くことができなくなるのが関の山だ。
何が起きているのかというと、空港のキャパシティーを訪問客が追い越している。
レンタカーやタクシーで空港に押し寄せる人々でごった返して、アクセスが不可能になっている。
そして1時間半前になんとかチェックインを済ませて手荷物検査に並んだら、今度は手荷物検査に人が溢れかえって飛行機に全く間に合わない。
信じられるだろうか?
手荷物検査に並ぶ列が空港の外にはみ出している。
そして手荷物検査をくぐったら今度は立錐の余地もなく乗客がタチンボしていて、座ることもままならずイライラしたまま飛行機を待つハメになる。
欧州の1000年の歴史で最適化を尽くした都市群は新規のビジターに案外耐性がない。
そもそも論としてアメリカのように近郊に空き地が広がっている国とわけが違う。
イギリスの航空写真から一目でわかることは、通勤可能な距離に住居を構えられない可能性の高さと、その問題を解決するための都市計画が無理であることだ。
日本も移民を前提にした国力の維持を模索するらしいけど、こうした問題から学ぶのであれば、遷都を前提にした国土計画の見直しは必要不可欠だろう。
人を呼ぶのに、それ以上立錐の余地もない様な街に呼び込んで一体どうするんだろうか。
仮に日本で政府が東京に移民を呼ぶつもりであれば、それは岐阜に遷都して岐阜に来てもらうように考えてもらったほうが結果は良いのではないか。
イギリスも移民を呼んで繁栄したかったらバースとかロンドンから離れた空き地のある街を候補にしてそこを首都・あるいは第二首都にしてそこへ呼ぶべきだったのだろう。
元々、国土面積の小さい国の首都は人口の一極集中が問題になっている。
そこに人を呼び込んできた今までの政策と都市計画の矛盾の産物がバブル崩壊やEU離脱といったとんでもない結果を生み出してきた。
アメリカが移民によって繁栄しているのは、ただみたいな土地を需要に応じていくらでも供給できるから。
日本も真似をしたければ岐阜や千葉、茨城や栃木に第二首都圏を設けることから始めないと必ずイギリスと同じようなろくでもない結果をもたらすだろう。
(現在進行形で起きているし。)
そしてそれくらい馬力のあることを考えないことには地方創生なんていうお題目も夢物語に終わるのが関の山だ。
殊に日本の場合、移民でやってきた外国人にURあたりがせいぜい5,6万で家を貸し出せる状況をどうにか実現しないかぎり悲惨なトラブルが押し寄せるだろう。
イギリスは比較的高額な所得を得るために移民が押し寄せたのである一方、日本に移民を呼びたい経営者や政治家は、呼んだ移民がURに10万円の家賃を払えるような給料を出すつもりは毛頭ないに決まっている。
そんなつもりがあれば日本人の非正規社員やフリーターが生活に困ったりしてない。
現状のまま何も考えずに移民を呼び始めたら数年もしないうちに東京にスラム街が林立するだろう。
九龍城のような治外法権地域が山程できるに違いない。
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日本有数のネトウヨ・キチガイ・ネットトロルウォッチャーです。
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コメント欄は日本有数の保守(ホモ)、ネトウヨ、ネットトロル博物館となっております。
義務教育で学び損なったらどこまで悲惨な人間に育つか?
子育て世代の貴重な見本がコメント欄に大量に所蔵されています。
そこで二階建て電車の出番ですよ
地方に新たに首都圏を作るとなると、それこそオリンピック関連施設を遥かに凌ぐ一大計画になりますね…。 他の県はわかりませんが、千葉に関して言うと交通網がとにかく整ってない上に、人が疎らに住んでいるので兎に角困難を極めそうてます。
初のコメントさせていただきます。
ロンドンでランチにグラスワインつきのパスタを食べたら30数ポンド払わなければならない。
もちろん味を筆頭に日本円にして5000円弱を払うような価値は無い、と。
誰のトクにもならないこの現状、なんとかならんものですかね(苦笑)
@チガエシ さん
「味だけ」で言うなら、ケンジントンガーデンあたりは超お気に入りのレストランありましたし、パスタでもシャーロック・ホームズロンドンの近所(Baker st)に結構良い感じの庶民的店はありました。
クアグリーノスも味はぼちぼちですが店は楽しめますし。
というか、ロンドンは噂より随分美味いもの多いです。
しかし値段は世界でも割と上位の鬼みたいな値段ですよね。
高額料理の天井プライスでは香港に負けてると思いますが、あの平均価格の高さはどうしょうもないでしょう。
ロンドンの地価が全ての元凶だと思います。(無論、スタッフにそこで暮らせる給料払わなきゃいけなくなるので。)
多分、なんともならないと思います(笑)
レスいただきありがとうございます。
「テナント代に全てが消える」これが全てなのですよね。
日本でもターミナル駅近高層ビル最上階のフランス料理店で税サ別8千円のランチを食べたら前菜からオマールエビのグリル、鴨のロティまでほぼ全部がおそらく冷凍パック品で閉口したことがあります。
一緒に食べてる人の手前言い出せませんでしたが、ギブアップして帰りたくなりました。後でやたら喉がかわいて体調が悪くなったし(苦笑)
ただ自分にとってランチに8千円は高いですが、テナント代等考えると高級なんて望めない要求できないほどに安い金額ですね。
ロンドンはほぼ知らないので参考になります。
いずれにせよ高くてもせめて味さえ良ければ・・なのですが。
@チガエシ さん
東京で一番笑ってしまうのは、駅ビル内の量り売りのお惣菜ですね。
あの単価のお惣菜をおしゃれして買って帰って、ワンルームマンションでサトウのごはんでも加熱して食ってるのだろうと思うと、涙も出ないです。
ちなみに、フレンチにかぎらず近頃和食の凋落は酷いです。
目利き出来る板前が減ってますので、養殖を天然と騙されて(知ってるのかもしれませんが)出してみたり、酷いのになったら骨を外した後のフィレパックから刺身を取ってるところもあるみたいです。
それで結構な単価を料亭ヅラや高級旅館ヅラしてとるんですから、オモテナシとやらも落ちたもんです。
食事を楽しむのが目的であれば、私はバンクーバか上海を推奨します。
幅も広く深さも深いですね。
香港も相当いいですが、高額店の単価は私はちょっと心が折れますね。
上海なら、レストランでなら梅龍鎮(上)小南国(中)、鴨王の北京ダック、新天地の鼎泰豊の点心。ドライブして陽澄湖の上海蟹ですか。
他諸々あります。
今の時期のメインなら、マナガツオの清蒸が良いですねぇ。飯物がすっぽん粽、デザートで亀の甲羅ゼリーかな。