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崩壊する”日本の品質” いつまで続くインバウンド

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クリーニング無間地獄とコロナ

 

コロナが明けて(実際的には明けてないんだが・・・)から突如としてビジネスの世界に駆り出されて早や二か月目なのだけど、準備期間中に埃をかぶった脳みそにカツを入れたり、時々フォーマルな店でデートする時以外はしまっていたスーツをケアしたり準備にバタバタしていた。
去年の夏ごろから事前のミーティングを兼ねたランチなどに出かけていたので、スーツをクリーニング出しに行ったりしてたんだけど、このクリーニングの段階から無間地獄に突入して長い間悩まされた。

スーツはもう15年前にビジネスマンを引退したときにほとんど燃やしてしまったのだけど、若いころは全てダンヒルの本店でオーダーしてた時期があって、残していた一着はアーノンクールが公演に来るときに作った思い入れある一着で、お値段は2トラウザーで当時70万くらいしたんじゃなかったか。
(今作ったら一体いくらかかるんだろう。当時ロンドンのスマイソンで8-9万で買ったボールペンは今や20万を突破している・・・)

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往時のオーダールーム。小道具が「イイ」

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注文完了までたまにブランチはさみながらやるのである。

それが指先(タバコの先×2くらいの太さ)くらいの穴が5か所、金具ですり減った臭いスクラッチが3か所、適当に水洗いしてなかったらなりようがない芯地の馬毛飛び出し数十本という悲惨極まりない状態で帰ってきた。

まぁ、当たり前にクレーム入れるわけだが。
生地が古くなっていたのではないか 芯地ってなんですか スクラッチは前からあったのでしょう などとつべこべ屁理屈を抜かすのだ。
要するに、クレームを入れたところで何の得もない価格の製品が目の前にあって、それに向かってどう言い逃れをしてもダメなもんはダメだという普通の発想がないらしい。
(仮に70万なら70万金で払わせても、ロンドンまでの渡航費で終わりで、スーツ作れないんだみたいなのがわからないのではないか。)
何十万かするスーツとかそういうものがあるのだとか、そういう前提知識がないのかもしれないし。(まるで土人じゃないか・・・)
そして多分コロナでリネン系の人員を解雇して、ある程度リネンの発注が返ってきた今オペレーションが盛大に崩壊しとるのだろう。

とりあえず無償で補修してくれたのはいいんだけど、今度はボタンが割れて、裏地が一部剥がれた状態で返ってきた。
プレス機でどんな押し方をしたのかしらないが生地にテカリが出ていた。
Really?

コロナ前の世界ではまぁなかった話が方々で突然起きている。
産業の重要なソフトウェア面、信用と質が溶けているのではないか。

まるで東南アジアとか人口の少ない島国家で起きてるような事がマジで起きている。

コロナで底抜けした人口減少社会

 

コロナで底抜けしたサービスや品質の問題は、働き方改革も相まって回復不能なのではないか。
ビジネスの世界に戻ってきて今、まず強烈に面食らっているのが人手不足である。
掃除をだれがするのかみたいな話で摩擦してたので、「じゃぁ掃除のおばちゃん来てもらおうぜ」と言ってみたところ、もはやそんなのは絶滅危惧種の様になっとるらしく、おじさん現場復帰いきなり失笑されるの巻である。
試しにパチンコ屋をのぞいてみたら灰皿やごみ掃除を店員がやっていた。

昔は掃除機の化け物みたいなのを引きずったおばちゃんが腰にズダ袋ぶら下げてやっていたのに。
こうまで人のアサインが厳しくなったら回復する余地なんか全くないだろう。

そのつもりで注意して観察してたら、店員の欠員で臨時休業するお土産物屋とか、飲食店なんかザラ。
今まで惰性で回ってたものが、コロナで解雇して一回0に戻って、働き方改革で組み方が難しくなったことで、人口減少が職員減に直結してしまい地獄の釜のふたを開けてしまう結果になったのではないか。
当の飲食店経営者なんかと話してても、当の本人たちですら狐につままれたような感じで人手不足を語っている。

降ってわいた人手不足は売り手市場を生み出してもいる。
働く側がきついめんどくさい仕事を選ばなくなったことが拍車をかけているのだろう。

いずれにせよ、属人的な付加価値だったサービスや質、信用はもはやないものとして考えるしかないのではないか。

クリーニング出して仕上がりを心配する必要がなかった日本、説明書に書いてあるスペックに嘘がない日本、腹壊すような食い物は出てこない日本、サヨウナラ

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劣化した街並みと教育、質が脱落しつつある限界社会

 

歩くやつはバカばっかりで、きつい仕事はやりたがらない。
サービスとか質とか、自分に関係ない。
これって一昔前のフィリピンとかタイみたいな東南アジアではないのか。
(実際労働者の権利的な事を喚いてる奴ってこれに近い理屈を無意識に主張してるもんな。)

今はどうだか知らないが、やっぱり当時はクリーニングに高いものを出すなんてとんでもないみたいな世界だった。
それはどんだけ高級なホテルに泊まってても一緒。
高い服をわけがわからない国に着ていくな、これが当たり前。
だからドレスコードなんかすっ飛ばして高額店にサンダルと半ズボンで訪ねても特に問題はなかったのだ。

大抵そうした国での観光の裏の目玉は女である。
はした金でパンツ脱ぐ、おりしもいま日本から海外に出稼ぎ行く女子は多いのだというね。
まぁそういうことなのだろう。

しかし、東南アジアと日本ではまぁまぁ厳しい差がある、今後インバウンドに期待するのは普通の観光という面では厳しいのではないか?

というのも、ブルーラグーン光り輝く南の太平洋 常夏の島と、歩いていたら股間からカビが生えそうな湿度の夏日本。
観光の目玉は原爆ドーム、大阪駅の横の吉本劇場、秋葉原のAKB劇場かなんか。
これ、相当厳しくない?

今までの日本のインバウンド観光に、そりゃぁ風俗行きたいとかあったと思う。
しかし観光(表に出る消費を期待する方)の目玉としては、そつのないサービスとまぁまぁの食い物が安価で楽しめるサービスコスパ最高の国というものだったのではないか。
確かにサービスの良さが最高というわけではなかった。味だって最高というわけじゃなかった。

同じくロンドンなんだけど、今は無き名店で、行くたび通ってた店。
ドーバー鯖のタルタルステーキが超絶絶品で、アンコウのポワレとタルタルステーキ、生ガキ、シャンパンなんかを食い散らかしてたその店はサービスは最高だったがランチタイムからおひとり様4-5万は普通に取られていた、リーマンショック前の世界の物価で。

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JTはピースミディアムの生産早く再開しろよ

 

同時代の同等の価格帯は日本だったら2万くらいだったと思う。
ホテルもロンドンだったら目ん玉飛び出すような金額だったのが、例えば東京だったら新橋の東京第一ホテルが1万円でおつりがある時代で、大阪のリッツカールトンは2万ちょっとで泊まれる日も珍しくなかった。
そしてそれを知っている外国人観光客は密かに俺と似たようなことをして日本を満喫していた。

しかし、である。それが3万も4万もなって、飯食っても不愉快な金額の請求が来るようになって、クリーニングに出したら東南アジア、テレビじゃ毎日みたいに品質偽装と車のリコールで喚き続けているようになってそんなものが続くのか?
やり続ける気だったらホストを規制するのではなく、まともな女の子まで食い荒らすような真似をさせてどんどん体を売らさないと厳しいのではないか。

慰安婦さんの強制徴用が必要になるかもしれない・・・・
スーパーのレジとか日本人しか行かない店のバイトは全部ジジババに振り向けて観光客向けの店には水着を強制したスシ女を立たせといてケツくらいタダで触れるようにしたらいいのではないか。

いずれにしても世の中は様変わりしている。
こうした劣化そのものについて気付くだけの豊かさを失いつつある私たちの社会で、こうした質というソフトが再度立ち直ってくることはもはや期待できないし、そのためのマンパワーも最早ない。

インバウンドとか外国人誘致とか、本当に可能なのかどうかをまじめに考えて計画を立て直すべきなのではないか。
どうも日本がそれにのめりこめばのめりこむほど、逃げ水のようにそれらが遠ざかっていくようにしか見えてこない。

時代は変わりつつある、それもすごい速度で。

次に日本人に自らが不景気であると思い知らせてくる産業。
それは観光になるだろうと予告して今日は筆をおく。

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