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世界のインフレと欧米、日本経済 経済を回せ「ない」時代がやってきた

  1. 経済
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今起きてるインフレってロシアのせい??

 

ウクライナ紛争が始まる直前からテーマになっていたインフレ。
特に欧米では結構な率でインフレが起きてしまっていて、この最近欧州産の奢侈食品は輸入が止まり始めたらしい。
フランス物の仔牛のカツレツとか、スコットランドの羊、ドイツ物のホワイトアスパラなんてのはいずれ夢のまた夢になるのだろう。

とにかく、入手不能なものが早くも出始めた。
実際、この間ペンネの新しいレシピを思いついて買おうとしたら、去年まで2000円台半ばだったものが3300円を超えている。
北海道からきた知らせでも、一昨年3500円で食い放題だったジンギスカンが今やすでに5000円近いらしい。
これはウクライナ紛争とは実際は直接の関係はなくて、コロナの影響だけでひとまずここまで来てるということを私達は頭に入れて置かなければならない。

実際のところ、ウクライナ紛争の結果としてのさらなる物不足は第一弾が今年の秋から、次が来年の春くらいに本格的にやってくるのだから。
中長期的に、ロシアやBRICS達とOPEC、南米、中央アジアなどの国は資源生産国の連合を組成する流れにこのままなるのだと思う。
本当の狂乱物価がやってくるのはそれからだろう。(なにしろロシア制裁に賛成してる国より反対してる国のほうが人口は多いのだから。)

関連リンク1:物価と貨幣 20世紀型都市生活への最終警告
関連リンク2:ロシア戦争(ウクライナ侵攻)と百姓一揆 今から私達が直面する世界

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どうしてインフレが始まったのか?

 

ではなぜインフレがいきなり、こんなに激しく起こり始めたのか?
それは私達の社会が有り様を変えたからの一言で終わってしまうのだけど、もっと踏み込んで言えば供給側が飽和供給をやめたことが第一の理由としてあげられるだろう。

転機のビール類市場 アサヒが2工場閉鎖へ 飲料も製造の新拠点計画 – 食品新聞 WEB版(食品新聞社)

17年連続で縮小が続くビール類市場。アサヒグループジャパンは中長期的な市場動向を踏まえて – 食品新聞 WEB版(食品新聞社)

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コロナで売上激減という危機に瀕した会社がまず考えることは、生産量を減らして無駄を削減するということであると同時に、ないものはないという体制を作って正直にないと需要者を突き放す姿勢を作り上げることだ。
それが例えば↑アサヒビールの工場閉鎖に現れている。
消費が旧に復したところで生産や供給姿勢を元に戻すつもりがないとはっきり示している。

欧米では日本よりひと足お先に、ワクチンを打ちまくって(その効果のある無しは全く別問題で)とりあえず規制の撤廃に踏み出す国が増えた。
しかしサプライヤー側は当たり前だけど世界同時多発で供給を絞ったし、畜産や農業も同じように供給を絞った。

当然、生産体制を元に戻す準備は「もし」やるのだとしても当然2-3年かかって当たり前の話で、畜産なら5年はかかるだろう。
そこに突然、今までと同じような供給を求める注文が殺到した。

人員はコロナでリストラした。ウェイターやバーテンですら足りない。
トラックの運転手も足りない。
そもそも物がない。

一部日本人が大好きな「経済を回せ!」(ウォーリーを探せじゃねぇぞアホが)をやっちゃった途端、サビが浮いた軸を回し始めたかのように不具合を起こしたのが今というわけだ。
モノが足りてないのに経済を回したらどうなるか?

ガソリンが入ってない車を吹かすのと一緒、ガス欠が早くなるだけに決まっている。
経済を回す 回転を上げる これで成り立っていた欧米経済に黄色信号が灯り始めた。
てっきり以前は終わるのは日本と少しの国だけだろうと思っていたけど、どうもそれですまないように見える。

そしてこれはある恐ろしい事実を予告している。

 

失業率の推移とモノの単位

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これはコロナに関係した失業率がどう推移したかを示す統計データだ。
日本の嘘っぷりとイタリアとスペイン、フランスの悲惨さはなんというかものすごくもやもやするデータなのだけど、とにかくそういうデータである。

で。インフレを起こしている欧米では徐々につまらない接客とかどうでもいい仕事でもどんどん給料が上がっとるそうだ。
そしてそれがいかにやばいことかこのデータから我々は気が付かなければいけない。

アメリカでは10%ちょっと人が増えただけということに統計データからはなるのだけど、10%増えてそこまで上がる給料と同じ連動を今からウクライナ紛争で不足する物資が見せたら、これ一体どうなるのだろうか。
わかっていることは物不足と供給の崩壊は畜産を先頭に水産と農産物に押し寄せてくる。

それがそこまでここから上乗せして上がったら大変なことになるだろう。
twitterではこの最近、第三世界での飢餓を予測していたけど、ベイルートなど弱小国から早くも顕在化してきた。

カメルーンなどで既に起きていた飢餓などの人道問題は巨大化するだろう。

西欧社会の勝ちが不透明になったウクライナ紛争

この問題に欧米型経済は止めを自ら刺すことになって自壊するリスクが日毎に高まっている。

我々の社会は実物経済とは案外かけ離れている。
末端の製造現場などの意見をひとまず切り離して考えたときに、我々はルネッサンス期フィレンツェやローマ(つまり西欧社会)の手本になった古代ギリシアのような社会、文明を形成してきた。

すべてのインテリと若者はその文化文明に憧れ、多くの知識人がその言語を嗜み、法や規範、服装の導き手だったわけである。
その証拠にそれに皮肉を述べるものですらネクタイを締めたりジーンズを履いたりして批判している。
実際冷戦を終わらせた背景には、チェルノブイリ事故や巨大化した軍の維持費以上に、ジーンズとハリウッド映画に憧れる当時鉄のカーテンの向こう側だった若者達の声が強力に働いていたと言って過言ではない。

芋を作り鉱山で穴を掘り、軍に従事して血を流してきた人も、家に帰ったら誰かがこっそり仕入れてきたダーティーハリーやスターウォーズを見て、どこからともなく手に入れてきた米ドルや特別な売店の入場券を手にリーバイスのジーンズを買いに行き、自由アメリカ放送だったか西側が東側に向け流していたラジオを聞いて自由に憧れていたわけだ。

マネー 映画 ファッション 恋愛これらがキラーコンテンツで、往時よりずっと即物的になった地球上ではマネーが今やコンテンツの王様である。

そのマネーがこのインフレを放置するはずもなく、間もなくGWの帰省ラッシュ並みの大移動を始める。

ハイテクバブルの終わりが地獄の入口

突然だが、ナスダックに代表されるハイテクバブルは一旦は終わるだろう。
(かならずちょっと時間をおいて沢山の巨大企業を再度林立させるだろうが、それは民間の金によるものではなく政府とその息がかかったマネー、その他にGAFAAの金によるであろう。)

回復したかに見えた雇用もこれは所詮手で扇げば舞い上がる囲炉裏の灰のようなもので、店で使う材料がないのに雇用もクソもあるかと早晩なるに決まっている。

そして今市場を乱舞するマネーはいわば投資目的性の資金であり、金を増やすことが最大の目的である以上必ず株よりパフォーマンスの高い商品に流れ込む。

単純明快な計算なのだけど、仮にインフレ率が年率で10%になったのだとして、成長率10%以下の会社を持っていたら単純に金は減っていく。
埋め合わせようと思ったら人件費を削減するしかない。
(つまり日本では給与削減と大リストラ時代が再来してしまったのだ。)

いま年率10%以上成長しているいわゆる新興企業やハイテク企業は市場の中でもそう沢山はないはずだ。
店が開けない物不足で雇用なんか維持できるはずもなく、どの企業も三次産業は軒並みパフォーマンスを落とすだろう。

関連リンク:件は告げる ソフトバンクと連動する日本の将来

年率10%インフレの社会で10%パフォーマンスを出す自信がない者はそのものズバリ実物と先物に金を投資するか、為替ヘッジを組み合わせた複雑な投資手法で稼ぐほかない。
(個人投資家にETFが大注目される時代になるだろう。)

中長期ではロシアルーブルと人民元、今目の前では商品コモディティに大挙を打ってなだれ込む下地が出来上がりつつあると思う。
今の小康状態は受け皿の準備でフル回転、といったところではないのだろうか。

ちなみに、年率10%のインフレを盛り過ぎと思ったかもしれないそこのあなた。
特に需要が変わらないタバコみたいな商品まで含んだインフレの数値に実際の意味はない。
事実としては一昨年3500円だったジンギスカンが今5000円なのだ。

給料で飯が食えないやつは働いたら飯が食える会社にとりあえず転職を試みるだろう。
そいつに向かって数値的に自社は悪くないと何をしゃべくっても無駄なものは無駄なのだ。
希望にすがるのはやめろという言葉をお前に贈っておく。

上述までの条件を揃えたインフレをマネー先導型の商品バブルが更に激化させるだろう。

  1. 現在の品不足はコロナを原因にしており、モノの量はウクライナ紛争を織り込んでいない
  2. ウクライナ紛争を織り込んだ物不足とインフレはこんなものじゃ済まない
  3. インフレが激化するにつれて投機マネーは更に状況を悪化させるであろう
  4. 国民生活が崩壊する中で西側が戦いきれるか?いまニュースで見える情報と違う結末になる可能性が高い

え?
今から証券マンやプログラマーが芋づくりに転職するのかって??

どんな人間も結局は手持ちの武器で戦うしかない。
MMAに転向した空手人間が最後に見せる構えはやはり空手なのだ。
ハイテク市場は官需とプレゼンスを失いかけたGAFAAの必死の投資を下支えに、いずれまた日を昇らせるだろう。

押忍の心でそこを見抜くしかない。

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