NEC、ネット接続業者ビッグローブ（BIGLOBE）を売却へ  崩壊するシナジー神話  大企業こそ本業に回帰せよ

この手の多角化事業っていうのは、そもそもが好景気の時に不景気に備えたアンテナとして張り巡らせておくもので、シナジーが出るわけでもない今、売って換金するNECの判断って割と英断なんだよね。

今後動きがどんどん鈍化していく業界で、いつまで図体を維持できるかもわからず、そこへ経営資源を割くのであれば売り渡す。

これは他の大企業が見習うべき判断だろう。

まぁ、見様によってはNECはそこまで追い詰められているということなんだけど、追い詰められたにせよ決断は評価されてしかるべきだろ。

結局、今の日本の大企業の大きな問題の一つが、多角化し過ぎた事業なんだよね。

仮に３０００億円の経営をするとして、一つの１５００億と３つの５００億の事業で成り立ってる会社なら、それぞれの変動が業績に影響するけど、日本の場合細分化したら２０個の１５０億で成立していたりする。

そうすると、１つや２つ事業部が好調になったところで全体には影響しないし、社会全体が沈み込んでいった時に泥縄になっていくわけで、「これ一本、自信がある」という柱や本業に注力して原点回帰する必要がある。

日本やNECの場合それが何かっていうのが限りなく遠い答えだけど、まずは余計を無くして純粋な存在になることから始めるべきなので、正しい方向性に向かい始めた。

NECはもしかしたら思わぬ業績回復をいずれ見せるかもしれないね。

古事記の天の岩戸開きの逸話でもそうなんだけど、悲惨な世間に見飽きた天照大御神様が岩戸の向こうに引っ込んだ時に、もはや日常となっていた楽しさを暗い闇の帳の向こうで神々が繰り広げて、「見てください、この世はこんなにおおらかで楽しい、素晴らしいところです」と天照大御神を翻心させた。

つまりは企業もそのように、先鋭的な感覚を取り戻して見慣れた光景の中から新たに何かを見つけるべきで、苦しくても自分の視野を変える必要があるってこと。

さて、あと１０年したら落ち目だったNECがどうなってるか。

良い答えを見せてくれればいいんだけどね。

古事記というのは、日本の創世神話でもあり、
日本人に原点回帰と総括の大切さも教えてくれる興味深い書籍だな。

現代語古事記: 決定版

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軍荼利

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