個人で仕事を請け負い、建設現場で働くいわゆる「1人親方」などの事故死について、厚生労働省が初めて調査した結果、去年12月までの半年間に、全国で48人が死亡していたことが分かりました。「1人親方」は、経営者とみなされ、これまで労災事故の統計に含まれてこなかったということで、厚生労働省は、今後継続的に調査を行い、元請け業者への安全対策の指導を強化する方針です。
厚生労働省は、労災事故で死亡した労働者の人数や原因について、毎年統計をまとめていて、去年、建設業界で死亡した人は336人と公表しています。
しかし個人で仕事を請け負い建設現場で働く「1人親方」は、会社と雇用契約を結ぶ労働者ではなく経営者とみなされ労災事故に当たらないため、厚生労働省によりますと記録が残っている昭和25年以降、統計に含まれてこなかったということです。
この「1人親方」などの事故死について、厚生労働省が初めて実態調査を行った結果、去年12月までの半年間に、全国で48人が死亡していたことが分かりました。このうち32人は高い場所からの転落が原因で、防止用ネットなど安全対策を充実していれば、大半は防げたとみられるということです。
土木建設業にかぎらず、他の製造業の現場でも世間に知られざるまま、一人親方たちが息を引き取っていく事例は後を絶たない。
高いところから落ちた、機械で体を切って死んでしまった、溶接で事故を起こしてしまった、バイオ汚水槽に落ちて溶けてしまった、あるいは薬品タンクで液体になっちゃった、と。
高齢の一人親方が増えて、若い頃ほどうまく体が動かない人が出て事故が増えてると言うのが実感だ。
まだ幼児だった頃に、若かった彼らの膝に抱かれて「でっかい橋」「でっかいダム」「大きな溶鉱炉」で自分が活躍してるって話を、聞かせてもらったことを昨日のように想い出す。
ゲーム機をおいたような喫茶店で、半ドンの現場を上がった親方たちが、こってりバターを塗ったトーストにコーヒーをすすって街の商売の話をあれこれしゃべっている。
宝石商や地主、信金のあんちゃん、親方のところで独立を狙ってる若いの、ヤクザの親分と雑多な連中が喫茶店にとぐろを巻いている。
少し前までここが美人喫茶だったろうと思わせる店主や、あるいは男勝りにタキシードの姐さん店主が切り盛りしていた。豊かな、時代だった。
今は若いのもいなくなった年老いた一人親方も、輝いていた時代があって俺はそれを見て知っている。
ISOや安全基準の関係で、表沙汰にならない事故で時折、落ち葉が落ちるように彼らが死んでいく。
安全対策とか、彼らにとっては侮辱以外の何物でもない。
「オレっちは瀬戸大橋でもてっぺんで仕事をやってて死んでねぇ」「何もわかってねぇくせに口出しするな」
「目が悪くなったって俺が溶接した継ぎ目は強度が絶対落ちねんだよ」「地震が来ても俺が作ったトンネルに逃げたら絶対死なねぇ」
もし生きてたらこう言うんだろう。それも俺にはわかる。
だから、その死んだ人を知ってるか知らずかにかかわらず、耳にする度に憂鬱な気分になる。
結局、彼らがそうして死んでいかなきゃいけないのは、就職氷河期というどうすることもできない時期を挟んだにせよ、彼らの首を取るものが現れなかったからだ。
激動の昭和で「作ること」が優先だった時代、今からじゃ想像もできない勢いで彼らは時代を駆け抜けた。
息が上がってきた今になって、自分たちがそうしたように年寄りを現場から追い出す新しい若いのが出てくることを頑なに信じたままに。
現在、どうだろうか。オトーサンが現場にいないと息子や娘が何もできなくなってしまう。
根性なしのオカマみたいな連中が育って、くだらない情熱を他の何かにつかやいいのに、あそこで焚き火をしている奴がいるから通報しよう、やれなにそれが不謹慎だなどといい、ワケの分からない携帯電話をいじって四六時中一人で笑っている。
「うるせー、クソジジイ。テメーはもう時代遅れなんだよ」と言って向かってくるはずだった奴が家でゲームをやっている。
自分たちと同じ情熱で壁にぶつかって自分たちを現場から抹殺するのは自分の子供達だと頑なに信じていただけに、内心の寂寞はそれはそれは大きなものだろう。
オッサン達はインターネットなんかやってねぇだろうけど、前から俺は言いたいことがあった。
ダイエーが破裂した時に時代は終わってしまった。情熱とか根性で壁にぶつかって「突き抜ける」時代は終わったんだ。
そしてわずかばかりオッサン達に残された仕事があるだけになっちゃった。
気持ちの行き場がないまま、なんとなく仕事を続けてるんだろうけど、もういいんじゃねぇの?
仕事ほっぽり出して、携帯の電源を切って、少し遠くの街でパチンコやるのもいいし、家で待ってるおばちゃんと夫婦でハワイや沖縄でも行ってみてもいいかもしれないよ。
生きてさえいりゃ畳の上でも納得して死ねる日がやってくるかもしれない。
どうするという解決策は俺にはわかんない。
政治家だってどうしたら良いかわからないだろう。何しろ本人だってなんで今そうしてるのかイマイチ理解しかねてるんだから。
そして今が間違ってるとは誰にも言えない。
ただ今日、不完全燃焼のまま時代に取り残されたオッサン達が、落ち葉が落ちるように死んでいる。
色々旅をして、あちこちで遺跡を見てていつも哀しくなってしまう。
あがき続けて、必死に生きた人たちが、爪あと一つ自分の痕跡を残せずに消えている。
残酷じゃない歴史なんてかつてあっただろうか。
何時の世も時代の変わり目に、我々はそれを目にする。
光と影というのかもしれないけど、今日の日陰も昨日は日向だったんだぜ。
日本コロムビア (2003-08-20)
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サヨナラ昭和。最後はせめて畳の上で
個人で仕事を請け負い、建設現場で働くいわゆる「1人親方」などの事故死について、厚生労働省が初めて調査した結果、去年12月までの半年間に、全国で48人が死亡していたことが分かりました。「1人親方」は、経営者とみなされ、これまで労災事故の統計に含まれてこなかったということで、厚生労働省は、今後継続的に調査を行い、元請け業者への安全対策の指導を強化する方針です。
厚生労働省は、労災事故で死亡した労働者の人数や原因について、毎年統計をまとめていて、去年、建設業界で死亡した人は336人と公表しています。
しかし個人で仕事を請け負い建設現場で働く「1人親方」は、会社と雇用契約を結ぶ労働者ではなく経営者とみなされ労災事故に当たらないため、厚生労働省によりますと記録が残っている昭和25年以降、統計に含まれてこなかったということです。
この「1人親方」などの事故死について、厚生労働省が初めて実態調査を行った結果、去年12月までの半年間に、全国で48人が死亡していたことが分かりました。このうち32人は高い場所からの転落が原因で、防止用ネットなど安全対策を充実していれば、大半は防げたとみられるということです。
建設労働者で作る労働組合によりますと、「1人親方」は、全国で40万人以上いるとされ、建設業に携わる人が減少するなか、業界内で占める割合は年々増加しているということで、厚生労働省は、今後継続的に調査を行い、元請け業者への安全対策の指導を強化する方針です。
建設業界の現状に詳しい芝浦工業大学工学部の蟹澤宏剛教授は「1人親方の事故死は、統計上、消えてきた事故と言え、背景には元請け業者に十分な安全対策を求めにくい1人親方の立場の弱さがあると思う。東京オリンピックなどで建設工事の増加が見込まれるなか、この状態を放置すれば1人親方の事故死が増えていく恐れもある。今回の初の調査をきっかけに、国は今後も実態把握に努めるとともに、元請け業者含め業界全体がより安全対策に乗り出すことが求められている」と話しています。
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