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「金まみれ内閣」キャッチフレーズで隠れた日本経済の問題点 ”自力”で利益を出せなくなっている日本企業、「好景気」の尻拭いは自力でやるのか

  1. 経済
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補助金をもらっている企業の数が多すぎる日本経済、貰ってない企業がどれほどあるのか

 

麻生副総理兼財務大臣と菅官房長官の政党支部が、国の補助金を支給された企業から献金を受けていたことが分かりました。麻生副総理は、「どういう補助金を受けているかなど違法か違法じゃないか、きちんと調べて報告するようにと伝えた」と述べ、事実関係を詳しく調査していることを明らかにしました。また菅官房長官は「補助金を受けていたことは全く承知していなかった」と述べたうえで、献金を返金したことを明らかにしました。
政治資金収支報告書などによりますと、麻生副総理が代表を務める政党支部は、おととし12月、東京の空調設備会社から12万円の献金を受けていました。この企業は、国土交通省の補助金について事務を取り扱っていた建設コンサルタント会社から支給の決定を受けていました。
政治資金規正法は、国から補助金を支給された会社などが国の支給決定の通知から1年間、政治献金をすることは禁じていて、それを知りながら献金を受けてはならないと定めています。ただ、調査や研究など利益を伴わない事業への補助金の場合は除くとされていて補助金の性質によっては法律に違反しないケースもあります。

 

via: 麻生氏と菅氏の政党支部 補助金支給企業から献金 NHKニュース

 

今度の安倍内閣に関するスキャンダルで、とりわけ意味深いのは補助金交付企業の献金問題だろう。

問題の行方は国会に譲るとして、各地方でそこそこいい顔をしているはずの中規模、あるいは地方豪族と言って良い規模の企業がバンバン補助金をもらって利益の足しにしている現実。

 

安倍たたきとか「金まみれ内閣」キャッチフレーズの過激さに隠れた問題点として、国民が見逃してはいけないのは背景の問題だろう。

これらの問題で一番重いのは、「図体がでかくて仕事の基盤もあるのに利益を自力で出せない企業がどれほどあるのか」この一点につきる。

 

例えば、上場企業なんか市場原理主義を謳いながらいかにも欧米チックな経営をしているようでいながら、実際は補助金じゃぶじゃぶ。

浮いた金を利益に計上している。

補助金を交付することそのものが問題なのではなくて、その偏波している交付先が最大の問題と言っても言い。

 

補助金というものの公共性や、受け取り手の非常に日本的な恥の意識を前提で考えれば、「それより他に資金調達の妙薬がないルーキー」に交付されるべきもののはずが、「実績主義」「減点主義」というこれまた日本的な組織論に阻まれて、「そんな投資は自分でよく考えて金くらい自力調達しろよ」という大企業に投資される。

 

これも高度成長期移行、1990年位までは自治体としては雇用確保のための非常に正しい投資だったものが、今の時代その方法論が崩壊してしまった。

 

なぜ大企業に交付することに問題があるのか?

それはガラケーからスマホ、あるいはテレビというデバイスの衰退が現すように、図体がでかい企業が、およそ4年位で世の中の中心アイテムが変わっていく昨今、その速度に対応することができず、そうした政策を”するべきだった時代”から常識が転換してしまっているからだ。

 

例えばスマホというセクターが新たに出来た時に、大企業の方法論で言えば第一線級の人間をそちらに全力で振り向けるということはやらない。

今米びつを満たしている斜陽分野にエース人材を貼り付けて、申し訳程度の人材配置しかしないため世の中の中心が入れ替わった時にあっという間に凋落する。

そしてそれを今我々が現実に目にしている。

 

自己責任、株価が上がったという話が誰もの口に上る今、株価が上がったあの企業も補助金漬け、自己責任でリストラされた田舎者は自分達の税金をリストラした当事者に食われていたという皮肉な現実に気づけないままで居る。

 

雇用関係の助成金でも非情におかしい逆回転をしていて、例えばまだあるのかわからないシングルマザー向けの雇用助成。

受け取る以上はシングルマザーの子育ての都合を考えて、なおかつ補助金を足して出せるだけ給料を出せば良さそうなものなのに、間接部門をシングルマザーで固めて補助金を貰いまくった挙句何の便宜も図らず、更には普通より安い給料で雇用している企業ばかりだった。

 

本末転倒とはこのことだろう。

こういうことを平然とやる経営者が増えて、猫の目のように世の中がうつろうようになった昨今、図体のデカさや実績に持続性を夢見る時代は終わったのだと思う。

 

シャープの亀山工場で135億円にのぼる補助金を交付したという。

実際はライフラインの設置や道路の整備で多分200億以上金がかかっているだろう。

そしてたった6年で巨額投資に依存した雇用は崩壊して、街はゴーストタウンになり、当の亀山工場の中心に外国企業のアップルが居座り、日本人は立ち入りができなくなった。

 

今現在の日本経済の問題点の縮図とも言えないか。

自力で利益が出せないだけじゃなくて、後始末も自力でできない企業ばかりの日本経済。

五輪特需で利益を出すのは結構だけど、ゼネコンが利益を出した後、箱物を建設した地方自治体は維持費をどうやって捻出する気なんだろうか?

 

治療不可能ながん細胞をばらまきながらじゃないと利益を出せない企業が山ほどあることにそろそろ目を向けた方がいいと思う。

 

今の行政や補助金の思想ではなかなか難しい話だけど、亀山工場に投資した200億を2,3億ずつ50-70社に投資して新規創業を促していたらどうなっていただろうか?

多分、6年で死亡した亀山工場より持続的な雇用を多数生んだのではないかと思うし、夢がある街になったと思う。

 

風光明媚なところにちょっとした市営住宅でも設備して、都会から就業者を募ってみても人口増に貢献しただろう。

何よりいつでも閉鎖できる企業の一部門と、そこが本社の創業企業とでは持続性の面で一段も二段も変わってくる。

 

経済全体ではどうだろうか?

やっぱり小粒でも時々、新規でIPOする会社がある方が好ましいインパクトがあるだろう。

 

そして何かしらで創業資金を借り入れ以外で調達できる社会をまじめに検討しないと、経済の新陳代謝は絶望的なまでに悪化するはずだ。(今でも相当ひどいのに)

新規創業者への投資の環境を見る限りでは、それを補助金が代打してもモラルハザードとはいえないだろう。

 

政治家に接近して情報を得て、陳情し特等席をもらいなおかつ補助金まで貰うという図々しい企業には、そろそろ今までの歴史で貯めこんできた金を”自己責任”で取り崩してもらえばいいんじゃないだろうか?

老人ホーム化していることがスキャンダルから透けて見える日本経済の、深い部分の問題の象徴のように思う。

 

結論:ルーキーとハンデマッチが出来ない大企業は既に終わっている。

 

 

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200億を自力で調達するから大企業が凄いのであって、
図体のデカさを背景に他人にせびり出したら何の有り難みもない。
そろそろ当たり前のことを指摘した方がいいと思うんだが。

 

 

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「今太閤」を風靡する企業も内実は・・・過去の典型例

 

三重県亀山市。人口約5万人、古くは東海道五十三次の宿場町として栄えた。この地にシャープの液晶パネル工場が完成したのは’04年だった。2年後には第2工場も稼働し、ここで作られる液晶パネルは「世界の亀山ブランド」として人気を博し、シャープのテレビ事業を不動のものとした。そして亀山市も税収増となり、一時は、国から地方交付税を受けない「不交付団体」に昇格するまでになった。

「当時の北川正恭知事が中心になって、三重県が約90億円、亀山市が45億円の補助金を出して誘致したのが亀山工場でした。この成功で、全国の自治体の誘致熱は高まり、結果、補助金の金額も高騰しました」(全国紙経済部デスク)

 が、’09年に亀山工場の一部ラインは中国企業に売却され、もう「世界の亀山ブランド」のテレビパネルは製造されていない。亀山市も「交付団体」に戻っている。

 亀山工場に向かう。JR亀山駅から車で約15分、山林を切り開いた工場地帯を走るとすぐに、銀色の工場群と赤い「SHARP」の文字が目に飛び込んでくる。敷地約33万m2。昨年5月時点で関連会社、協力会社の従業員7100人が働いていたというが、出入りする人は少なく活気が感じられない。道路を隔てたマンションには「入居者募集中」の大きな看板。住民に声をかけると「かなり部屋が空いている」という。駅前商店街のスーパーはガラス戸が閉まっている。隣の食堂にも人影はない。市内に1軒だけあった鮨屋も店を閉めたという。

 県と市で合計135億円ものカネをぶち込んだ誘致プロジェクトは約6年で息切れし、それとともに町も寂れたのだ。そして、シャープには三重県から約6億4000万円の返還請求がなされた—。

 今、こうした補助金返還請求というトラブルが全国の自治体で起きている。帝京大学経済学部の黒崎誠教授が言う。

「テレビ事業を柱にしてきたシャープ、パナソニック、ソニーの3社だけで、’12年3月期決算の赤字額は、約1兆3000億円に迫る。各社、テレビ事業の縮小を決断し、国内工場の閉鎖は進んでいる。しかし、自治体はこれまで企業を誘致するために、土地を安く払い下げ、公共料金を安くし、周辺道路などのインフラを整備し、その上で住民の税金から補助金まで交付して迎え入れてきた。これほどまでに優遇されていながら、経済環境が悪くなったからといって、わずか数年で撤退するというのは、地元を騙したとしか言いようがありませんね」

 

via: シャープもパナソニックも!「裏切りの工場撤退」で補助金が泡と消えた  | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]

 

パナソニックは、兵庫県尼崎市と千葉県茂原市の工場撤退で地元に衝撃を与えた。尼崎では第1工場を停止、第3工場を休止した。兵庫県は二つの工場に対して約38億4000万円の補助金を出している。兵庫県の場合、操業年数に応じて返還を求める規定がなかったため、今年2月、規定を変更した。

「過去にも補助金を一括でなく10年分割で支払うよう制度を見直したことがありますが、今回は、急に工場を廃止した場合、それ以降の補助金を支払わないことを明確にしました」(県産業立地室)

 県は稼働期間分を除いた補助金12億6000万円の返還を求めている。パナソニック広報部は「県の指導に従う」としているが、まだ支払われていない。

 一方、茂原工場は’11年度でパネルの製造を中止。官民ファンドと大手電機メーカー3社が出資する新会社「ジャパンディスプレイ」に売却されることになった。千葉県は’06年から6年間で20億3000万円、茂原市も約13億5000万円の補助金を交付してきた。

 茂原市はもともと、日立製作所の城下町だった。全盛時は「朝の出勤時に駅から工場まで人の列ができた」(地元住民)というが今、駅前は閑散として、人通りはまばらだ。廃業したビジネスホテルやシャッターの閉まったゲームセンターが目立つ。不動産屋によると、「工場の撤退でワンルームの空室が増えた」という。市の担当者は、「1000億円を投資した企業がこんなに早く撤退してしまうとは」と驚きながら、売却先の新会社の事業や雇用の規模を踏まえて、新たに補助金を交付する予定だ。

 

via: シャープもパナソニックも!「裏切りの工場撤退」で補助金が泡と消えた  | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]

 

「日本を代表する企業が、進出先で補助金をもらうだけもらって、さっさと撤退してしまう。そんな地元をバカにした話があるでしょうか。いらなくなった工場用地が荒れ果てたまま残り、費やした工事費用が市の負担として残る。こんな大企業の身勝手を許してはいけません」

 NECライティングは、この件について、「現在裁判で審議中でもあり、コメントは控えさせて頂きたい」とする。

 前出・黒崎教授が言う。

「地元はほとんど恩恵を受けないまま、企業が逃げ出したのですから、行政も結果責任を問われるべきです。地元への裏切り行為をしているわけですから」

 企業誘致の失敗で税金が泡と消えたことを、自治体は理解できているのか。

 

via: シャープもパナソニックも!「裏切りの工場撤退」で補助金が泡と消えた  | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]

 

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