スカイマーク民事再生法申請、プレパッケージ型再生に失敗 ”航空業界の拓銀事件”に学ぶ景気の転換点 2015年~の経営手法に変化必要


「中間」企業が生き残れなくなった時代が到来、小泉・竹中時代を踏襲する経営手法が必要に

 

平成10年に航空業界に新規参入し当時寡占状態だった航空業界に風穴を開けた「スカイマーク」は、業績の急速な悪化によって経営に行き詰まり、裁判所に民事再生法を申請する方針を固めました。スカイマークは当面、運航を続けながら、裁判所の管理のもとで再建を目指すことになります。

国内3位の航空会社スカイマークは、円安による燃料費の増加や格安航空会社との激しい競争などによって経営が急速に悪化し、今年度の最終的な損益が過去最大の136億円の赤字に陥る見通しとなっています。
こうした状況に、スカイマークは、必要な資金を得るため航空機の関連機材を売却したり、国内や海外のファンドに出資を求めていました。しかし、関係者によりますと、搭乗率の低下になかなか歯止めがかからず、ファンドとの交渉も難航して経営に行き詰まり、スカイマークは裁判所に民事再生法の適用を申請する方針を固め、28日の臨時取締役会で正式に決めることにしています。
国内の航空会社の経営破綻は5年前の平成22年に会社更生法の適用を申請した日本航空以来です。スカイマークは当面、運航を続けながら、裁判所の管理のもとで再建を目指すことになります。

 

via: スカイマーク民事再生法申請へ 運航は継続 NHKニュース

 

貿易赤字記事を書こうと思ってたら先にスカイマークが死んだので予定変更。

今か今かと倒産が予見されていたスカイマークがついに倒産してしまったけど、今回の倒産はある意味で象徴的な出来事であって、言ってしまえば航空業界の拓銀事件と見てもいいんじゃないかと思う。

 

まず、総体的な話だけど、この2015年からは小泉と竹中が大鉈を振るっていた構造改革時代の再来をイメージして経営するようにしないと、甘い経営者と中間層の企業が死滅していくようになるだろう。

 

実際問題スカイマークが倒産した理由もその辺にあるわけで、低価格の顧客をJetStarに吸い上げられて、高価格路線(それでも相当厳しいだろう)はJALやANAが相変わらず独占している。

スカイマークの価格帯やブランドイメージ自体が顧客に訴求力がなかったのは勿論だけど、株主優待などで高額単価の客を囲い込んでいるJAL・ANAと違って、中級以下の客は薄情なものだという事を忘れてはいけないということ。

 

両極端の時代といえばわかりやすいだろうか。

一番安いか、一番品質が高いか。

まぁ、飛行機会社なんか高いか安いか、経費族を囲んでるかそうじゃないかの違いだけになるのでそれがより露骨に出るってことだ。

 

仮にこの記事を読んでいる読者で、真ん中の中級品路線の商売をやってる人。

最安値に競争を仕掛けるか、最も高品質で客を囲い込むことに成功している企業か、そのどちらかをライバルと考えて肉薄しない限り生き残る道はなくなると思う。

 

死にたくなかったら今から頭を回転させ始めることだ。

一部上場の多くの企業で今年も苛烈にリストラをして、高コストの社員を追い出して運転資金を削減している現実を甘く見てはいけない。

 

文字通り、スカイマークの倒産は拓銀と同じインパクトがある、経済史に残る事件に発展すると見たほうが良い。

 

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恐らく近年珍しい厳しい再建になる見通し

 

今回のスカイマークの民事再生申請で、最も注意してみなきゃいけないのはプレパッケージ再生にならなかったってことだ。

例えばコードシェア便の運行でJALやANAに彼らは接点を持っていた。

 

つまり、顧客の統合効果などを期待するのであれば、どちらかのビッグカンパニーは経営難を見透かして民事再生の前にスポンサーの地位を約束していただろう。

 

国土交通省だって基本的には昔の大蔵省的な出方でそこら辺を斡旋していたはずだ、普通なら。

ところが投資ファンドのインテグラルというところが資金の面倒を見るというものの、スポンサー未定のまま民事再生法申請まで真っすぐ行ってしまい、スポンサーは今から探すという体たらくになってしまった。

 

JALの再生にかぎらず基本的にこうしたものは監督官庁主導で完成で進めていくという慣習を見事に打ち破っている。

 

インテグラルも恐らく国内キャリアをスポンサーにつけることには成功しないだろう。

こいつらに手数料を払うくらいなら監督官庁と打ち合わせしながらJALやANAが自力で銀行シンジケートを組成して吸収しているはずだ。

 

多分スポンサーが見つかるとしても、東南アジアのローコストキャリアとか、JetStarの増便扱いになるのが関の山になるんじゃないだろうか。

恐らく非常に無残な屍を晒す結果になるだろう。

 

要因としては、はっきり言ってしまえば屍肉も残ってないスカイマークの財務体質もあるだろうし、今後の国内の消費動向の冷え込みはそんなに甘いモノじゃないという各社の見通しの二つがあげられるだろう。

 

会社の売り物の値打ちを見なおして、経営者のマインドを切り替えるべき時代が到来した

 

こういう時代になって、一番先に潰れるのが製品を売り物にして、製品力にぶら下がって息をしている会社だ。

あるいは伝統とかのれんで食ってるところなんかもそういう範疇に入るんだろう。

 

昔拓銀が倒産してからの時代に早い段階で息の音が止まったのは、経営者が甘い会社と、売り物の力を過信していた会社だった。

 

山水だってそうだったし、地方豪族の会社もどんどん死滅していったのをみんな覚えてるはず。

 

逆に何の特徴もない割に生き残った会社は、経営者が苛烈で甘さが全くない会社だった。

今から見直すべきことはなにか?チェックポイントを挙げていけば

 

・今までならそこまで言わなかったというほど従業員のしつけや説教は最後まで徹底的に追い込む

・空いた時間に自己啓発なりトイレ掃除なり、雑巾がけなりやらせる

・給料が安いと口にしたものはその場で解雇

・業績や姿勢を見てダメだと思った奴は減俸、優勝劣敗を徹底する

・弁当代、コピー機のリース料、見直せるものは徹底的に見なおして無駄を削減

 

この辺を徹底的にやるしかない。

生き残った会社はみんなこれをやっていた。

 

「彼らにも生活があるしな」とためらっていた奴はほとんど倒産した。

悲惨なことにそういうお人好しは、やめるにしても倒産しか出来ないわけで、計画倒産も廃業も出来ないまま浮世の藻屑になってしまった。

 

今からの時代の経営者に一番必要なスキルは「嫌われ者になることを恐れない」「嫌なやつになることをためらわない」この二つになる。

漫画に書いて有りそうなビジョンなんか糞の役にも立たない時代がやってきた。

 

ついでにいえば、借りてくれという金は必要なくても借りておけ、ってことだな。

早晩、銀行が貸し渋りの強烈なのをやり始めるだろう。

 

貸してくれなくなってから泣きを見ても手遅れ。

借りるだけ借りておいて、金利は保険料だと思っておけば良い。

とにかく手元資金と流動性比率は、自己資本比率を無視してでも高めておくことだ。

 

いざとなったら退職金代わりに懐に入れてサヨウナラ。

最後に至るまでに重要な事は、一円でも多くのキャッシュを確保しておくことになる。

 

あと、社員の監視で大事なことは、ドアの開け閉めで必ず隙間が開いているしまりのないやつ。

電機のスイッチなどの向きがちぐはぐになっていても平気なやつ、大した資料でもないのにカラーコピー機を使う見栄っ張り、食事速度が遅い、コンビニ飯をさもしい食い方をしていて見苦しい、この辺だろう。

 

他人の金だと思ってこういう奴は思わぬ無駄遣いを平然としている。

そうじゃなければ人目を気にしない鈍感さで無能を平然と正当化している。

 

一事が万事、騙されたと思って↑の特徴がある奴は辞めてもらったほうが良い。

テストのためにインクジェットプリンタとコピー機両方設置してどっちを使うかよく見ておくことだね。

 

「最適化」コストダウンとデフレの違い 品質は価格に打ち勝つことは出来ない

 

今回スカイマークの倒産で象徴的なことは、前から言ってる通り自然な価格下落が起きているということだ。

これも一事が万事で、今からあらゆる分野で同じような現象が起きる。

 

例えばスマホ一台にしても、今まで珍しくておしゃれだったものが、誰でも持っているものになった。

一事が万事とはよく言ったもので、普及度があらゆるもので高まって、量産効果的な現象が起きて価格はどんどん下がっていくだろう。

 

例えばこういうことだ。

ANAが品質を叫んで機内食に力を入れることが出来たとして、同じ距離の移動でJetStarの倍の速度で移動できるわけでもない。

この場合、機内食なんかどうでもいい多くの客にとって、JetStarを選ばない積極的な動機はないことになる。

 

この場合ANAとしては、今までのファーストクラスを個室化して、ビジネスクラスをファーストクラス化して、一般席をビジネスクラス化するしかなくなるだろう。

それ以外に競争力を打ち出す方法はありえないからだ。

当然ラウンジなんかもエコノミーシートにも開放するようになるんだろう。

(全裸で接客ならお金のことは気にしないんだけどw)

 

そうすると、今まで東京⇔福岡間路線で2万円だったエコノミーは事実上数千円まで価格が下落したのと同じことになる。(JetStarプライス)

逆に、NY⇔成田間のファーストクラス80万円ほどの価格が、ビジネスクラスと同等の35万円ほどになって、35万円のビジネスクラスが8,9万円のエコノミークラスに代替する。

 

ありがちな間違いは、飛行機の座席で解説したらこれ以上ないくらい明らかな事実に対して、品質やサービスで対抗しようとすることだろう。

どんな屁理屈を捏ねたところで、よっぽどの何かがない限りJetStarを多くの人が選ぶのは動かしようのない事実で、ここで「今までのあり方を変えない路線」を選ぶのは自殺行為だってことだ。

 

必然的に生き残ろうと思えば↑と同じような大胆な改革をせざるを得なくなって、これをやろうと思えばANAやJALで言えばLCCの買収や、大型飛行機の新造と言うような社運をかけた投資が必要になる。

ところが殆どの企業では、動き始めた時に既にそんなことをする体力がなくなっているのが相場だし、体力があったとしても怖くてできないと思う。

 

つまり死にたくない人がやるべき行動としては、可哀想だけど一部社員に泣いてもらうことでLCCと同等の分野で競争するほかなくなるってことだ。

そのためには嫌な人になることをためらっていられないのは理解できたと思う。

レガシーコストを切り捨てて、役得を没収して、今までなら一服してた時間に雑巾を絞れと命令する必要があるからだ。

 

それほど「中間」が存在できない時代は厳しいってこと。

未だに会社を経営していたり、幹部格で働いてる皆さんご愁傷様。

今から最低5,6年はそういう時代が続くのではないかと思う。

 

ストレス、たまりまっせ。

 

「スカイマーク社運航停止による特別代替輸送の実施について」

 1月中頃には、表題にこう記されたプレスリリースの「素案」が、国交省から国内航空各社に送られている。仮にスカイマークの運航便が止まっても、運航停止に伴う混乱を回避し、利用者の利便性を最大限確保しなくてはならない。そのために、国交省はANAやJALのほか、AIRDO、スカイネットアジア航空、スターフライヤーなどが、スカイマークの予約客に対して、特別運賃で代替輸送を実施するよう要請する。こうした内容のものだった。

 国交省としても、日々深刻になるスカイマークの手元資金について把握し、最悪の瞬間に備えていたというわけだ。

 ある日、燃油の支払いが途絶えて、突然飛行機が飛ばなくなる。搭乗客がみな空港に足止めされ、パニックが起こる――。

 振り返れば5年半前、JALが経営危機に陥った時にも、こんな懸念が持ち上がった。手元資金が尽き、ついにはその日の燃油費も払えなくなる。そして空港には動かないまま横たわる飛行機がずらりと並ぶかもしれない。そんなパニックに備えて色々な対策が練られていた。

 ただし幸いなことに、スカイマークの“突然死”は回避され、手元資金が途絶えるか途絶えないかというきわどい状況ながらも、何とか民事再生法適用の申請にこぎつけた。

 投資ファンドのインテグラルが当面の資金を融資し、燃油費などを支払いながら運航を続けていくという。同時に今後は再建計画の作成やスポンサーの選定なども進める。

 今回、スカイマークが民事再生法の適用を申請したことで、国交省にとっての最悪の事態は免れた。スカイマークの運航便が突然止まれば、空港は大混乱に巻き込まれ、安全運航にも深刻な懸念が生じることになる。監督官庁の面目は丸潰れだっただろう。

 

via: スカイマーク、破綻は不可避だった (2ページ目):日経ビジネスオンライン

 

 

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コメント

    • 愛国左派
    • 2015年 1月 30日

    うわぁ、就活とかどうなるんだろ、、

    • gundari
    • 2015年 1月 30日

    @愛国左派 さん

    就活のお年ごろですか?
    おっさんに騙されたと思って、

    ・不人気で、募集してるのに誰も応募しない会社
    ・地方のNo1非上場企業
    ・ラーメン屋に厨房機器を売るかのようなジャンルの商売

    を狙って行かれるといいと思います。
    中年になった時に、「騙してもらったおかげでウハウハw」ってなってると思います。

    逆に今人気の会社や、言い方は悪いですがちょっと冷静に見たら身の程知らずな会社は的から外した方がいいです。
    前者は将来の斜陽産業、後者は時間の無駄です。
    採用されても、噛ませ犬になるのがオチですね。人事システムの硬直は、やっぱり半端じゃ無いので、でかい会社は。

    • 春はまだ遠いです
    • 2015年 1月 30日

    @愛国左派さんのように未来に希望がもてる人が、羨ましく感じます。
    私は社会的には、底辺の人たちの職業と言われる道端で棒を振っている、交通誘導警備員で飯を食っている者なのですが、軍茶利さんが今回の記事に書かれたチェックポイントを読ませていただいて、ここまでやらないと生き残れないのかと思ったのと、チェックポイントの1番目の従業員のしつけや説教は最後まで徹底的に追い込むを実行した時点で、今勤めている会社だとしたらほとんど辞めて、ほかの会社に行ってしまうだろうなー俺はどうだろうなんて、いろいろ益体もないことを雨に打たれながら考えながら考えてしまいました。

    • 愛国左派
    • 2015年 1月 30日

    いえ、希望は見えません。
    ただなにも見えてないだけです。w

    • 仏眼仏母
    • 2015年 1月 30日

    しかしまあ、しょっちゅう「日本は“南朝鮮(本来は北朝鮮が韓国を称する表現だが、なぜかネトウヨ君たちは喜んで使う。彼らを踊らせている連中のお里が知れる表現w)”に乗っ取られる―――(シコシコ)」ってわめきながら、コメ欄で愛国活動に勤しむ人たちって、どうして具体的な経済ニュースには無反応なんでしょうね。

    • 名無し
    • 2015年 1月 31日

    せっかくミニスカートにしたんだから、
    飛行機もミニで攻めりゃ良かったのに?なんてね♪

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