AIIB　アジアインフラ投資銀行で見せたアベノミクスの醜態　ニッポンを愛せば愛すほど迷惑をかけるストーカー政治

 

日米両政府は融資や審査基準の明確化などを中国側に求めてきたが、中国が明快な返答をしていないためだ。組織の概要が固まるとされる６月末頃までに、参加の是非を決める方針だ。

　ＡＩＩＢを巡っては、今月に入り先進７か国（Ｇ７）の英独仏伊が相次いで参加を表明し、２５日もオーストラリアのアボット首相が参加の意向を示した。

　日本は、理事会の設置など企業統治のあり方や、融資に関する環境・社会への配慮が不透明として、参加に慎重な姿勢を崩していない。

via: 政府、ＡＩＩＢ参加判断先送り…基準明確化要請 （読売新聞） – Yahoo!ニュース

 

AIIB関係の騒動を巡ってアホな連中が騒いでいたけど、「日本の金をあてにしてるだけ」というのがものすごく多かったね。

本当に馬鹿だなと思うんだけど、今外貨準備高と金融機関の総資産で日本は中国に圧倒的に差を付けられている現実がわかってないらしい。

 

外貨準備高が日本の三倍、１０年近く昔の２００６年には追いぬかれていた。

総資産はそれぞれ最大のナショナルメガバンク、みずほと中国工商銀行を比較したらこれも二倍の差が付いている。

 

つまり日本が台湾の政府の金やタイやインドネシアの支援をあてにしないのと同じレベルでもうアジアの諸国が日本の金をあてにする可能性はないというのが紛れもない今の現実だ。

くれるならもらうだろうけど「貰いに行って頭を下げる」ことはしないようになってしまったんだよ。

つまり中国政府の発想としては見るからに「だぶついている外貨の有効活用」から端を発しているものであって、危険性だのリスクだのに直結する性質の金ではないってことだ。

 

この外貨準備高のTOP１２を見て一目瞭然なのは、日本・サウジアラビア・スイス・台湾・韓国以外は自分たちの国あるいは連合を中心にした経済圏を現在保持しており、外貨準備高に翻弄されなくても済むという前提付きでなおこれだけの外貨を保有してるってことだ。

 

中国の今回のAIIB構想というのは、一種の東アジア共同体構想の中核になるものだ。

それは数年前、まだ国力が拮抗していた最後のタイミングで鳩山元総理が日本主導で実現しようとしたもので、今現在中国が主導で実現することになってしまった。

あの当時鳩ポッポ呼ばわりしていた馬鹿に見えなかった未来はこれのことだ。

 

意味するところはなにか？このTOP１２の中にアメリカは入っていない。

外貨がなくても米ドルで取引が全て賄えるからに他ならない。

 

中国が今回狙っているのは人民元の流通であって、外貨に左右されない相当強固な組織が出来上がりつつあることを意味している。

中南米の国々とも個別で人民元建ての取引を推進し、ついには東アジア及び中央アジア中国隣接の国々とそうした経済圏の確立に王手がかかったわけだ。

アジアも中南米も米ドル基軸の市場で通貨を翻弄されてきた歴史があり、そういう意味での安定は歓迎するに決まっている。

 

将来的にはアメリカを中心として秩序が作られていた東アジアの様相は一変するだろう。

その中でアメリカの最前線として日本が彼らと反目することで失う利益は計り知れない。

それを考えることが出来ない盲が政権を担当しているのはまさに悲劇というしかないだろう。

 

パナソニックの１０兆円構想にせよ、頭打ちが見えてきた日本の製造業各社にせよ、出口はアジアにしかなかったのに自分から排除される立ち位置に回ったわけだ。

今ならまだ競争の余地があったのに中国企業とサムスンに市場を黙って明け渡したのと同じことだ。

 

こうした実情が思いつかずに、未だに１９９５年以前、なんなら７０年前のアジアの地図を思い描いて、「みんな日本をあてにしている」とのんきに構えて、外人が日本の田舎を旅するバラエティーを見てホルホルしてるアホがどれくらい日本の「国益」とやらの足を引っ張っているのか想像ができるだろう。

７０年前の曖昧な歴史なんか２１世紀の現代の処方箋になるわけがない。

 

こうした人々は中国の不透明性や、投資商品の危険性を一様に口にするけど、中国の不透明性というのは日本と比べてそんなにひどいのだろうか。

ほとんど発展の余地がなくなったのが誰にでも理解できる国で、将来の成長がない場合値上がりが期待できない市場にどれだけ公金をつぎ込んで年金を危険にさらしているのかは無視するのか？

 

こういう１９９５年以前のバブルジャパン、あるいは７０年以上前のエンパイアジャパンに脳内で生きている人達は、透明性というものの本質も理解できてないらしい。

 

島国からあまり外に出ずに、内輪のルールを曖昧に運用している日本市場と、ドイツのハンブルクみたいな中途半端な都市からマンハッタンまであまねく進出して、国際的な投資を反復して繰り返している中国の実力分析が正常にできてない可能性が高いんじゃないか。

透明性が危ないと言われている中国市場に外資が大挙して投資を行い、中国工商銀行は上場前にゴールドマン・サックスが巨額の投資をしていたし、今現在シンガポールのテマセクが大株主になっている。

 

透明性という部分で遊びがない市場で揉まれているのは多分中国の方だろうし、汚職と賄賂を揶揄される中国で汚職がバレて捕まって死刑になったりする奴が居る一方で、他国の透明性に危惧を示す日本では警察官が飲酒を強制して婦女暴行で逮捕されたり、放火殺人を自白しても無罪になったりしている。

お白洲文化は世界のデファクトスタンダードなのか？もはや理解不能なくらい現実が見えてないと思う。

 

労働者の人権にしても同じことで、退出する外資に労働者への保障をどれだけ中国共産党が求めているんだろうか？

上海などの大都市に出稼ぎに行く日本人で人権弾圧された人の話は聞いたことがない。

そういった国の人権を問題視する一方で、日本の外国人研修生はどれだけ悲惨な暮らしを強いられているのか。

 

中国で１０年前ボロ屋にタコ部屋状態だった都市部のOL達は、今はマンションで一人暮らしができるようになった。

一方で労働者の人権を危惧するアメリカでは不法移民が奴隷のような暮らしをしながらハウスキーパーになり、追従する日本では派遣社員がアパートも借りられずネットカフェで起居している。

 

多分、中国が発表した「日本の参加も歓迎する」というのを過大に捉えて「俺達があてにされているううううう」と絶叫し始めるんじゃなかろうか。
でも、参加期限は明後日で、今までの言動と整合性を持って参加する意思を駆け込み表明した場合、日本は大恥をかく。

つまり日本の足元を掬って嘲笑しているんだよ、あれは。

 

本当に参加してほしけりゃ自民党の二階氏や福田元総理の訪問を立ち話で終わらせないから、常識で。

 

竹槍でB-29を撃墜することは出来なかった。

B-29を撃ち落としたければスペックを正確に分析し、自分たちで取れる限りの対策を取り、何なら新型の飛行機で迎撃することを国防という。

 

今現在、日本政府は竹槍でB-29を撃ち落とせると豪語し、本当は軍隊がやらなきゃいけない仕事を竹槍持った一般市民に押し付けようとしているようにしか見えない。

現実よりイデオロギーが勝った時に、その政治は必ず文化大革命と似たような結果をもたらす。

 

果たして７０年前やバブル期の日本神話から抜け出せない、日本真理教イデオロギーは強力な２１世紀の中国に対抗しうるのだろうか？

 

 

 

自分より金持ちのやつに向かって
「あいつらは俺の金をあてにしている」
とかキチガイ丸出しでしょ。
だってそれ言ってる当事者が唯一当てた政策って中国人の”爆買い”だろ。
「俺たちをあてにしてる」はむしろ中国人のセリフだよ。

 

 

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中国が設立を主導する国際金融機関「アジアインフラ投資銀行（ＡＩＩＢ）」への加盟をめぐる駆け引きが、一気に動き始めた。イギリスが今月半ばに参加を表明すると、せきを切ったようにドイツ、フランス、イタリアが続いた。創設加盟国入りの期限が今月末に迫るなか、不参加を表明していたオーストラリアや韓国を含め、加盟に踏み切る国はさらに増えそうだ。

　本来なら、これらのニュースはさほど注目度の高い話題ではない。だがアメリカがＡＩＩＢの設立に猛反発してきたせいで、ＡＩＩＢ構想への各国の対応は今や世界的な大ニュースだ。

　同盟国に不参加を呼び掛けてきたアメリカは、イギリスの加盟表明を中国への融和政策だと強く非難した。だが、イギリス批判はアメリカの無力さをかえって際立たせるだけだ。

　皮肉なことに、アメリカが警戒心をあらわにしたせいで、ＡＩＩＢは米中の対立を象徴する存在となってしまった。アメリカは、ＡＩＩＢが米主導の世界銀行やアジア開発銀行の存在意義を脅かす事態を恐れていた。だが同盟国に不参加を呼び掛けることで、アジアの一組織は国際的影響力を競う場に格上げされてしまった。しかもアメリカはその戦いに敗れつつある。

 

via: 中国主導のAIIB構想とアメリカの手痛い失策 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

 

【3月27日 AFP】中国が設立を主導する国際金融機関「アジアインフラ投資銀行（Asian Infrastructure Investment Bank、AIIB）」をめぐり、米国が孤立を深めている。欧州勢の参加表明は、AIIBに否定的な立場を取ってきた米国にとって不意打ちだった。

 英国、ドイツ、フランス――欧州の米同盟国が次々とAIIB参加を決めるのを、米国は指をくわえて見ているしかなかった。アジアの同盟国、韓国も26日、参加を決定したと発表。既に参加表明国が約30か国に上る中、オーストラリアも参加を検討している。国際通貨基金（International Monetary Fund、IMF）のクリスティーヌ・ラガルド（Christine Lagarde）専務理事も、AIIBの設立計画を歓迎する声明を出した。

 AIIBは、米国が強い影響力を持つ世界銀行（World Bank）やアジア開発銀行（Asian Development Bank、ADB）と競合する国際開発金融機関となる可能性がある。

 元IMF幹部（中国担当）のエスワル・プラサド（Eswar Prasad）氏は「経済的・政治的に緊密な同盟国が相次いで参加を表明したのは、米国にとって想定外だった」と述べ、世界の経済政策を主導する立場としての米国のパワーは縮小していると指摘した。

 中国が昨年10月に発表した資本金500億ドル（5兆9500億円）のAIIB設立構想に対し、米オバマ政権は控えめながら熱心なロビー活動を展開してきた。米政府高官は、AIIBによって国際的な開発支援の審査・融資基準が低下するとほのめかしている。

 ジェイコブ・ルー（Jacob Lew）米財務長官は先週、議会で「AIIBは、これまで国際金融機関が築いてきた高い基準に忠実だろうか。労働者の権利を保護したり、環境に配慮したり、汚職問題に適切に対処したりできるのか」と、疑問を投げ掛けた。

 だが、こうした米国の率直な反対姿勢は失敗に終わった。

 

via: 孤立する米国、中国主導のAIIBで変わる世界構図　写真1枚　国際ニュース：AFPBB News