過労の末に自殺した元和民社員、森美菜さん（26歳）の両親がきょう、渡邊氏の立候補取り消しを求めて自民党本部を訪れた。

 

両親は選挙対策の政治家との面談を求めていたのにもかかわらず、自民党は職員を出して対応した。それも門の外側で、だ。

 

あまりにも不誠実な対応に父親の豪さん（65歳）は職員の胸ぐらをつかんで詰め寄った。「どうしてワタミを候補者にするんだ？　私たちは５年間、毎日毎日苦しんできたんだ…」。

 

母親の祐子さん（59歳）は、美菜さんの遺影を抱いて夫に寄り添った。「私たちは政治家に会いに来たんです」。もの静かな口調に深い怒りが込められていた。

 

「門の外ではなくて党本部の中で（選挙対策の）政治家に会わせろ」。両親と支援者が中に入ろうとしたが、制服警察官がピケを張って入れさせまいとした。自民党本部の正門前は緊迫した雰囲気に包まれた。

引用：「どうしてワタミを候補者にするんだ？」　過労死した社員の両親、自民党に抗議

最近、ブラック企業叩きについて記事にする機会が増えている気がする。

まぁ、ぶっちゃけて言えば、日本がダメになった理由の一つを体現している現象であるから目が知らぬ間にそれを追ってることが多いからかもしれない。

※ブラック企業叩きというのは俺が考えた造語。ネットイナゴと同じような意味であって、定義などについてはこちらを参照

で、首尾一貫して、被害者になろうとして汲々としている人々の異常な姿、そして自分の適性や経歴、候補企業を全然まじめにリサーチせずに闇雲に就職する愚かしさを説いている。

これらの人々に一貫しているのが、労働基準法を遵守しろという企業への「要求」であり、企業からの「利益を上げてもらわないと雇えません」という「条件提示」を皆目無視している姿勢である。

つまり、自分は何から何までいくらでも要求するが、自分は一つとして相手の要求にも応じない。

自分で自分を被害者と定義付けすることに成功したものは、相手へ遵法を要求しながら自分は法を乗り越えて何をしてもいい無敵状態になるという錯覚も顕著。そろそろこういう勘違いはやめにした方がいいんじゃないだろうか。

そもそも森美菜さんとその遺族は被害者か？

森美菜さんは”ワタミに殺された”のか？

まずこの被害者というのが、何についての被害を誰から受けたのか、がよくわからない。このご両親は「ワタミ」の被害者と主張しているらしい。

ワタミ＝渡邉美樹であり、殺されたということは労働基準法に違反していた状態が死の原因であり、ワタミと渡邉美樹氏が殺したも同然だと言い張ってるってことだろう。

しかし、それが事実だとすれば、それは検察に告訴して刑事裁判を開いてもらえばいいだけの話であって、今までにあれだけ弁護士や支援者がついてそうはならなかった現実をこの人達は忘れているのだろうか。

労災保険の審査の上では過労は認められているが、それは刑事的責任や、実際に死んだ殺したとは全く別の「保険の審査」の上の話であって、むしろこのご両親は法の遵守を他人に求めるのであれば、関連性の曖昧、というか事実無根の罵詈雑言を人に投げつけるのをやめるべきだ。

この人達の言う「殺人」（写真背景で、殺人企業というプラカードを持っているところから見てこの主張は明らかである）の被害者というスタンスをはっきりさせたいのであれば、それはワタミを企業か元会長個人として刑事の被告人にし、有罪判決を勝ち取ってからの話になるのであって、他の本当に被害を被って動かない警察、行政に苦しみながら戦っている人々の苦労をよそに自分で思い込んだだけで勝手に被害者になり、罵詈雑言を口から溢れさせるのは常軌を逸脱していると思う。

結局、現在の法制度でご両親は被害者でもなんでもなく、気の毒な労災事故の遺族ではあるが殺人の被害者でもなんでもないってことだ。

そして刑事裁判が開廷されてないという現実から推測するに、周囲や弁護士から散々その理由を聞かされているはずなのに、あえて聞き入れずにこうした言動を現在においても継続しているのだろう。

社会や世の中に訴えかけるのであれば、同様の事故について刑事責任を負わせるように訴えかけるべきだろう。ところがそういう様子は全く見せずに、渡辺氏個人への私怨を原動力に個人への誹謗中傷をいつまでも続けている。

そしてしまいにはなんの責任もないただの職員の胸ぐらをつかんで怒鳴り散らす。

個人的には正直言って見苦しいとしか思えない。娘が生きている時に守る手段も、死んでから自分が本当に報復する手段もいくらも他にあり、むしろそちらの有効性のほうが高かったにもかかわらず、彼らは常にピントのずれたことをやり続けている。

ここまで執念を発揮するのであればそれは子供の教育に発揮するべきであったし、生前に娘の様子をちゃんと見てフォローするべきだった。

我が子の生死は親とその本人がより責任を負っているのであって、勤め先の赤の他人に全てを丸投げ・責任転嫁してクレームだけ言い募るというのはどこかがずれている。

マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙

ワタミは責められる「べき」なのか？

実際はワタミは迅速に賠償を申し出ている現実

「加害者意識がまるでない」とご両親は言い募っているらしいが、ワタミは加害者なのか？

世間的な常識で言えば、労災審査の第一次で請求が却下されたことから少しは自分を省みたほうがいいのではないかと思う。

二次審査に弁護士を立てて食い下がってようやく労災認定が降りたらしいが、そもそも労災認定を受けたら加害者なのか。

労災認定を受け、保障を受け取っておきながらなおワタミに人殺し呼ばわりで食い下がり、マスコミを連れてきて（訴えたければ自分一人でも言えるはず）会社の風評をガタガタにしているのは遺族とその取り巻きであって、ワタミとその従業員からしたら、むしろご両親のほうが加害者になりつつある気がしてならない。

しかも今は会社の役職を離れて、一個人と政治家の狭間で活動しているものに過去の在職中の問題で執拗に食い下がっている。その姿こそ異常でなければなんなのか。

（これを拍手喝采でウォッチしているサラリーマンの人々、仮にもし自分が業務で起きてしまった事故で、辞職しても転職してもこういう人々が付きまとってきたらって想像できない？これを拍手してウォッチするってことは、自分がそうなっても喜んで受け入れますってことなんだけど。）

むしろ、ワタミ側としては遺族側が騒動を起こすことを重く見て、和解と話し合いの糸口を設けるために、賠償金を用意して民事調停の申し立てをしている。

人が死んでしまい、それをダシに騒がれる以上は、人間を生き返らせることが出来ない以上金でしかケジメのつけようがないと思うのだが、「会長との面談」など意図や目的が不明瞭な（そもそも何でコンプライアンスや労務・人事の責任者では駄目なのか？）強請を繰り返しておいて、会社側が非常に合法的な民事調停を申し出てきたら「金でかたをつけるつもりか人殺し」と言う。

普通の企業で同様のことがあったとして、自分から和解金の支度をして和解を申し出てきたりするのか？そんな話は殆ど聞いたことがない。

むしろ、金でしか決着がつかないことにそのお金を用意して話し合いの場を設けるどこが野蛮なのかその理屈が知りたい。

結局、遺族とその取り巻きは、特定の企業を叩き潰したいという負の欲求に突き動かされているだけであって、ワタミが叩かれるべきだとも加害者だとも、なんの怨恨もない第三者には全く見えない。

悪質なモンスターペアレントはご遺族の方ではないのか？

「どう謝罪してもお前を許さない、破滅するまで追い込んでやる」本音がそうであればそう公表すればいいのであって、事実彼らの様子を見ている限りではどこかで話しあえば納得して手を引くという性質の考えなど全くないと思う。

労働基準法を守ったら誰ひとりまともに暮らせない現実

形骸化した法の改正を訴えるのがそれほど悪質というのか？

そもそも労働基準法という物自体が、工場労働者で、朝９時に出勤して１７時くらいに定時を迎えるという前提で設計された、ブルーカラーが中心の高度成長期の遺物である。

その当時、経済的・社会的にマイノリティーだった一次産業の人々のことなど全く計算に入っていないし、企業や業界としてまとまった姿を形成できていなかった飲食業界なども勘定に入っていなかった。その他に医者、看護婦、介護、法曹も勘定に入ってない組になるだろう。

（これは、職の貴賎の現実を現している部分もあるけど。）

渡邊氏の立候補は、そうした既存制度からの捨て子であった業界に、法の線引を持ち込もうという考えが裏側にあってのことだろう。

ブラック企業叩きは、どの業界でも一様に労働基準法を守れというが、現実的に日本中でその遵守が徹底したらどうなるのか。

まず、地方で入院できる病院は半分以下になるだろう。看護婦も慢性的な不足がよりひどくなり、診察に重大な支障をきたすことになる。

農業の生産高は、半分以下になるだろう。（百姓はなんだかんだ言って３６５日仕事をしている。）

漁業の生産高は４割は減る。マグロは食べられない。遠洋漁業など、全て労働基準法に違反している。カツオもさんまもカニも食卓に上がる日はなくなるだろう。

木材はほぼすべてが輸入材になって、国内林業は全て廃業するしかなくなるだろう。

飲食店のランチ営業は全てなくなり、格安弁当の販売など不可能になる。深夜、時間を持て余して外へ出て、気軽にファーストフードを食べることも絶対にできなくなる。

仮に大怪我や重病で救急車を呼んで、行った先の病院で「労働基準法の関係で労働にあたる治療行為は出来ない」といわれて、ハイそうですかと自分は納得するのか？

つまり、労働基準法で労働者を守ろうという発想は結構なことなのだが、実際はそういう観念を持たずに生きている多数の人から暮らしを支えられているわけであって、上記のような普段目にすることのない業界の人も労働者で、声高に権利を叫ぶ人の言説をそのまま受け入れるとするならば、彼らだってお仲間のはずだってことが頭からスッポ抜けているのである。

実際は医療技術の進歩には、家に帰ってからも最新情報を調べて自己研鑚を怠らない研究者や医師の尽力が大いに貢献している。

インターネット関連サービスの進歩に関しても同様であり、どうにも冴えない社員が多いサービス業の社員レベルを底上げしているのは、土建屋・不動産屋・飲食業で社員に強制的に読書をさせ読書感想文を書かせ、知育に力を入れている企業のおかげである。

これらのことから明らかなように、労働基準法を何でもかんでも当てはめて、全員が遵守したら国ががたがたになるのであって、その有り様を問うべき時期がやってきたってことだ。

医師も一次産業従事者も看護師も寡黙である。

しかし、飲食業界は制度の捨て子を卒業して、ワタミという企業が東証一部に上場したことが象徴的なように、社会的なシステムの一部になった。

そして、今までは弥縫の連続で糊塗していた企業運営を抜本改善するために、現実に即した形に法を変えようという動きに出た。

世の中のそういった流れの中で、一個人としての自分の被害を語り続けて執拗に選挙と政治活動を妨害しようとしている遺族の人々は、個人の話を皆の話にすりかえて見苦しい振る舞いをするのをいい加減にやめにするべき。

被害者なら自分は絶対正しいというのは甘えであり、自分勝手な錯覚にすぎない。

そして、仮に被害者であって、自分が正しかったとしても、それが絶対正義で、相手を抹殺するまで追い込んでいい正義になれるはずもなく、そういった認識のズレが我が子を殺したのかもしれないという反省をそろそろ親としてするべきなのではないか。何をやってもいいという免罪符などあなた達は得ていない。

今の社会は、自分が何を感じるかという声高な主張をするものが増えすぎた。しかし感じるだけでは何も産み落とされるはずもなく、考えることと行動することこそが大事なのである。

感じることをテーマに生きている人々の大半は、感情的な声を上げることを行動することと勘違いしているが、感じることしかできていなかったから子供に現実を教育することでさえ出来なかった。

たとえ避難勧告が出ていなくても、津波が来たらまっさきに自分で逃げる、家族が逃げ遅れそうであれば激励して逃げろと諭す。

他人にいくら責任転嫁しても、自分の命と行動の責任は最終最後、自分が負う。二番目に家族がその責任を負うだろう。

その時が来て「自然の脅威を感じている」場合ではない。どこに逃げたら安全か「自分で」「考えて」そちらの方向に避難「行動」をすることだけが大事なのだ。

繰り返す。大事なのは感じること、共感することではなく「自分が」「何を考え」「どう行動するか」この３個である。

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軍荼利

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