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三世代同居政策と経済の崖 家族の絆と切り離せない不動産価格

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三世代同居政策に否定的反応が支配的な国民 家族はなぜ絆を失った?

 

合計特殊出生率を1.8に実現するのはほぼ不可能……というか国が掲げる「希望」としては非現実的だとしか思えません。

家族、家族、家族

 石井国交相の発言をみる限り、三世代を同居させる住宅政策は少子化対策の文脈の中で取り上げられています。しかし実際には育児よりも、介護にウェイトを置いているように思われました。というのも少子化問題も重要な課題ではあり、どちらも共に対策すべきなのですが、より直近で深刻な高齢化による介護問題になりそうだからです。

 今年3月時点で要支援・要介護の認定を受けた人は606万人ほど。これは国民の20人に1人が要支援・要介護者だということになります。支援・介護の中心となる若者世代が働きながら介護をするのには限界があります。場合によっては親の介護のために離職することになりかねません。現状では、35〜39歳から40〜44歳のパートタイマーに介護離職が多く、またパートタイマーはおよそ7割が女性となっています。おそらく女性が介護のために離職するのが当然という風潮が続いていくでしょうし、それでも人手が足りなくなれば、性別にかかわらず介護離職をせざるを得ない状況になるかと思われます。

 

via: 三世代同居の住宅政策まで…執拗に「家族」を推す安倍内閣 – BIGLOBEニュース

 

社会保障のために増税しといて公務員の給料に全額突っ込んで、今度は三世代同居促進政策と喚きだした安倍内閣。

キチガイじみた連中なのが事実だったとしても、最終的に今、皆が目にしている介護というのは現在の都合のいいシステムのままでは存続できなくなるだろう。

 

人間一人預かって月に10万も儲からない、それでおむつを変えさせてヨボヨボの性格が悪い年寄りの嫌味を聞くとか、ものすごく性格のいい奴隷が年寄り以上の人口が居て初めて成立するもので、需給関係を埋め合わせる商業的原理の時点で存続は赤信号だ。

そして年寄りが人口マジョリティーになっていく今後、現在のシステムで年寄りの面倒を見て社会システムを維持するとか全く非現実的なわけで、高齢者の棄民がいつ始まるのかを真面目に予測しなければいけないのが事実だからだ。

 

ところで、つい最近までは強固な絆で結束していた家族。

軍荼利のRSS欄でも結構目にするけど、2chの「家庭板」をまとめたサイトなんかを見ての通り、本当にその絆の強さに期待していいのかという世相を浮き彫りにしている。

 

家族の絆がなくなったとは言わない。

でも多くの人が想像するほどの強さではもはやないのが絆の実態だろう。

 

三世代同居政策が破綻するのは、政策的な無理の問題の前に、もはや存在してない絆を前提にした政策だったというのが主要な要因になるはずだ。

家という名称で結束してきた日本人。

 

なぜその結束の絆が壊れたのだろうか、時には命をかけて守ることだってあったのに。

 

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実は資産価値がつないでいた家族の絆 長男が継げる「物」を失った日本社会

 

この家族の絆というのは、もっぱら日本的なイメージでは長男が家を継ぐ、長女に婿入りしてくれたものが家を継ぐというイメージで日本人に認識されている。

彼らが何を継いでいたかといえば、家作、つまりは田畑や事業、家土地を継いで次世代に引き渡すことを前提に支配権を得てきたわけだ。

 

一言で言うと、経済的なソロバン勘定が「継ぐ」行為によって+になるから支配者の言葉が意味を持ったし、現在の継承者「お父さん」を中心にして強い結束を見せていたわけだ。

 

現在のところ、農業は家族規模でやって金が儲かるものではなくなったし、再開発に引っかかって大きな利益をもたらす可能性は年を追うごとに低くなり続けている。

下手に低収益を押し付けられた農家は、農業振興のライセンスを土地につけてしまったおかげで、要らなくなったからといって宅地に転用することもできない。

 

つまり今時田畑なんか継いだって、なれないめんどくさい農業を引き受けるか、荒れ地にして近所の現役農家に嫌味を言われるのがオチのお荷物になってしまった。

家や土地にしたって、ライフスタイルが激変し土地が暴落した現在、彼らを結束のもとに縛り付ける効果は期待できなくなってしまった。

 

多くの人は絆だの家族だのとキレイ事を口にするけど、本当に純粋な愛で繋がることのできる人間関係なんてそんな普遍的なものではないってことを、葬式の2,3回経験した殆どの人は骨身に沁みて知っているだろう。

 

会社倒産が≒で経営者一族の一家離散を意味しているのはその辺に原因がある。

 

時々プチバブルを10大都市のどれかで起こしながら下落の一途をたどる不動産を中心にしていた日本の家族の絆というものはもはや期待できない。

事業も家も土地も田畑も厄介事とお荷物の受け渡しに過ぎなくなってしまったからだ。

 

わけの分からない絆という言葉に人間は案外簡単に騙される。

東日本大震災で絆といったのも、はっきり言えば国が出さなきゃいけない金を、大惨事をどんどんテレビで流し続けて、気が滅入った国民に寄付を募ろうとして考えだしたキャッチフレーズにすぎないし、家族の絆というものにしたって経済的な損得の要因を必ず内包している。

 

よくよく考えて欲しい。

「人生を棒に振ってでもご両親を助けて下さい」

となった時に、あなたはためらわずに人生を棒に振れるだろうか?

 

この段階で半数以上の人は無口になるはずだ。

では「人生を棒に振ってくれたら1億円継げるよ」だったらどうだろうか?

突然顔がポジティブな表情に切り替わるはずだ。

 

ご両親は、健康で若かった頃、あなたの将来の心配をして「勉強して都会に出ろ」と言っていたはずだ。

『帰ってきて私の面倒を見て欲しい』という心境の変化が何によって引き起こされたか。

寂しさという人として当たり前の心理はあると思う。

 

でもその結果自分の子供の人生計画がパーになるだろうという事は考えられなくなった、記憶の中のご両親とは違う人がそこに居る。

 

これを乗り越えても面倒を見る絆は素晴らしいと思う。

でもそのご子息が結婚していたのなら、嫁の両親と自分の両親のどちらの面倒を見ればいいんだろうか。

その奇特な「イイヤツ」が独身だったとしたのなら、その人の老後は誰に面倒見てもらえばいいんだろうか。

 

かつて産炭地域として栄えた北海道芦別市。ピーク時に7万5千人を超えた人口はいま2万人を切っている。JR芦別駅の正面、「ギンザ」の看板がかかったパチンコ店はこの十数年、閉店したままだ。

 店を所有する南川富美雄さん(53)は、60キロほど離れた岩見沢市で別のパチンコ店を経営しながら、芦別の物件の買い手を10年以上探しているが、見つからない。建物を壊して更地にすれば、約500平方メートルの土地を100万円で買う、という人はいた。しかし解体には1千万円かかるため、あきらめた。

 

via: 閉店から10年、今も固定資産税 減額求める訴訟も:朝日新聞デジタル

 

 

破綻確実な三世代同居政策、早晩都市計画から日本を作りなおす必要性示唆

 

結局のところ、家族関係の希薄化が大きく推し進められたのは実はバブル崩壊以降だったことを受け入れざるをえないんじゃないだろうか?

 

絆に期待すると言ってもその絆が怪しい時代に、なぜそれが希薄化したのか真面目に分析しないかぎり絵に描いた餅しか描けない。

ワンピースに学ぼうと喚いている奴に限って損得勘定に先鋭化した小汚い発想をしている。

本当のワンピースでは船長が命がけでクルーや寄港先の住人を助け続けているというのに。

 

核家族化が一気に深刻になったのは、田舎に仕事もないし、何より儲け話が消えてなくなったからだった。

バブル以前は土地の再開発や何かしらの事業でぼろ儲けする奴はいくらかいて、地方に残る意味だってたしかにあった。

 

その頃から1990年代の末くらいまでは、家作を売りに出したら当面不自由しない程度の現金を得ることだって出来ていたし、だからこそ家族の結束が弱いながらもいくらか残っていたからだった。

 

この間まで尊敬する人物の筆頭に父親の名を挙げていた奴が、父の事業が失敗した途端、まるで刑務官が囚人を罵倒するかのように無茶苦茶言ったりするのは珍しく無い。

 

結局のところ多くの人間は金と財産による束縛から精神を自由にすることはできないのだ。

 

さらにはこの問題は、無価値化していく郊外の新興住宅地がさらなる崩壊をすることを示唆している。

子が帰らなくなった宅地で、老人ばかりになって、年金の支払い・上下水道のインフラ維持と出費超過になり、固定資産税の滞納・貧困化が推し進められてライフラインレベルで維持不可能になっていくだろう。

 

地方か都市かの別なくして、早晩そういった要因を洗い出して国土計画を一から切り替える必要が可視化されるはずだ。

そういった大規模政策は現状より20年遅れて始まるのが通例だ。

おそらくその20年のタイムラグで我々日本人は、考えもしなかった悲惨で胸寂しい光景を見ることになるはずだ。

 

借金の整理で個人的に相談に乗っていた人の義母が、預金(孫の進学資金で、年金から爪に火を灯すようにためていた)を差し押さえられていた。

なくなった夫と経営していた事業、不動産の整理ができずに所有者名義が変えられない。

 

結果的に固定資産税の差し押さえを受けて、進学資金を取られてしまったわけだ。

そこまで枝葉の事情は知らなかったけど、年老いて老後の10年、必死で貯めた金を差し押さえられた、何もかもを失った老婆の絶望を察すると、あまりに悲惨すぎてかける言葉が思いつかなかった。

 

家族はやっぱり離散して、娘さん夫婦だけがたったひとつのつながりとして残ったのだそうだ。

似たような話はそこら中にあって、世間で喧伝している好景気とは裏腹に、声も上げられない苦悩で懊悩している多くの人が居る。

 

財産が減価する時、殆どの人間はそれ以外の大切な物も同じように摩滅させて狂っていく。

それを看破できてない当の日本人も摩滅して狂った結果、パット見で理解できる因果関係に気づけないほど鈍感になってしまったのではないだろうか?

 

この状況で三世代同居が仮に具体化しても、それはそれぞれの家の中で「蜘蛛の糸」のような地獄絵図が再現されるだけになるだろう。

財産は売ったら金になる、どこに住んだとしても一攫千金のチャンスが有るというのは、健全な社会システム維持の大前提だ。

 

その収益で維持するべき福祉が、順位として最優先になっている状況は狂気以外の何者でもない。

 

高度成長期に開発された郊外住宅地は、都心に勤めるホワイトカラーと専業主婦の核家族世帯が移り住み、数々の“郊外神話”を生み出してきました。こうした住宅地では、居住者の高齢化が進み、世代交代の時期を迎えています。しかし、子どもたちのライフスタイルは、親の世代とは大きく異なります。多くの家庭が共働きを選び、交通の便のよい都市部のマンションなどを嗜好するようになっています。『専業主婦と核家族』を念頭に置いた郊外住宅地の設計思想が、ニーズに合わなくなっているのです。

via: 郊外住宅地の見えない空き家 NHKニュース

 

 

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gundariホモウヨ386号偏り見る者 Recent comment authors
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迦陵頻伽
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迦陵頻伽

ロボット介護ができたら本当に良いのに

偏り見る者
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偏り見る者

本当に辛いトピックですね。
絆も民度も愛国心だって、タダで手に入るはずは無いのに。

サービス残業辺りが、日本人全体の心を変えてしまったのでは無いのでしょうかね。
ルールを逸脱した代償を伴わない労働力、「タダのモノはここにある」と勘違いさせるのに充分なインパクトがあると思います。

ホモウヨ386号
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ホモウヨ386号

家庭板、俺も見てるけどいまさら三世代同居はないよね(笑)

古い三世代って、収入・資産を持つ男親+姑に無収入の嫁が隷属する、みたいな形でかろうじて成立していたんだ、というのは家庭板脳というべきなのか。

外交面はまあ許容範囲としても、内政にそのマッチョイズムはいまさらどうよ、とは思う。

ホモウヨ386号
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ホモウヨ386号

@迦陵頻伽

徴兵は非現実的だとして、徴介護ってありうるかもしれんね。
成人男子は2年間介護職に勤めるとか、生活保護受給者には介護職すれば保護費上乗せするとか。

もっとも徴発する若い人がいないんだけどな。