軽井沢バス事故を彷彿とさせる事故 東京ですら異変を見せる労働市場
東京・町田市で通学途中の小学1年生の男の子がひき逃げされて死亡した事件で、警視庁は17日午後、ダンプカーを運転していた68歳の水村満容疑者を道路交通法違反などの疑いで逮捕しました。
町田市で老人が小学生を轢き殺したと言うんだけど、実にタイムリーな話題で。
旅先の片田舎でちょっと前に信号待ちで停止して、ミラーを見てたら後続の「糸が切れた人形モード」のおばあちゃんが全くブレーキを踏む様子もなく突撃してきて。
事故寸前になったのを思い出す。
23時過ぎくらいの時間で他の車線が空いていたから、ミラー越しに目があった瞬間急ブレーキを踏んだおばあちゃんが隣の車線に滑り込んでギリギリセーフだったものの。
事故の処理や、話のわからん人だったらどうしようとか、警察呼んで保険屋に連絡してたら約束の時間に遅れるだろうとか、僅かな時間で脳がフル回転して憂鬱になってしまった。
ロールしながら隣車線に突っ込んで、斜めに停車したおばちゃんは信号が変わった途端また猛スピードで走りだしていた。
トラック運転手ではないにせよ、高齢化社会で当然の現象といえばそれまでだけど、そこらじゅうで老人が目立って事故や事件を起こし始めているのが現実だと実感してしまう。
高齢者も働ける社会に!をスローガンにしたせいなのか、それとも社会保障削減に伴う必然なのか、とにかく働く老人は増えた。
この町田市の事故も、言ってしまえば軽井沢のバス転落事故と同じようなカテゴリーでとらえたほうが良い。
老人が働ける社会が出来たとしても、老人は若者や壮年と同じ体力はない。
それが深夜や早い時間の朝、体フル回転で仕事をしたらどうなるか?
つまりはその答えが小刻みに現れているってことだ。
高齢者だらけのガテン系現場 「お疲れモード」のヒヤリハット激増中
近頃頻発する事件で初めてはっきり知覚した側面が大いにあるけど、その気になって観察したらガテン系現場の高齢化はすさまじい。
タクシー、土方、警備員、深夜労働とどこもかしこも年寄りだらけだ。
タクシーの運転手と土方に聞いてみた結果、どうも普通の若い人が働いて家庭や家を維持できる給料をもらえるような職種でもなく、形ばかりでも年金がある人が働くように必然的になってしまうものらしい。
この年度末に恒例でどこでもやってる道路工事。
どんなものか見てみようと思って現場近くのコンビニで観察してみた結果、過半数が頭に白髪が目立ち、顔はしわくちゃの年寄りという実態だった。
目視範囲での実感でしか無いけど、これが東京や大阪になったら随分違う比率になっているあたり、単純に田舎から若い人がすごい勢いで減少しているという実態の表象でもあるんだろう。
なにしろ、安全靴はいてヘルメット被った老人が、目の下にクマを作って土方に出るという光景に16年も前に過ぎ去ったはずの「世紀末」の再来を感じてしまう。
そりゃ、あんな年齢の人が体を酷使したら意識がもうろうとして重大事故くらい起こすんじゃないか。
今更どうなる話でなし、この手の事故は織り込んで暮らすしか無いのかもしれない。
食えないからそういう仕事をやっている年寄りに他に行くあてがあるわけでもなく、何も考えずに成長路線を突っ走って家という古来の制度を壊しまくってきたつけの恐ろしさを実感せざるを得ない。
そして田舎に居残ってる組の若い人たちの「その後」なんだろうか、近頃ホームレスが本当に目立つ。
冒頭の出先の街、人口50万人くらいの新幹線が停車する駅だったけど、以前は見かけることもなかったホームレス、40歳前後くらいの人が疲れきった顔で待ち合わせ場所のマックでスマホをいじりながらへたり込んでいた。
俺の現在の居住地でもまさにそんな感じ。
マック、ネットカフェあたりで住んでいる人が増えてるんだろう。
空港に降り立った途端、ここ7,8年の日本は大不況だった頃のロンドンや、最近のゴーストタウンサイパンのように、あんこの抜けた座布団のような雰囲気を醸し出している。
(それまでもあんまり感じ良くなかったけど、それ以降で顕著にひどくなってると思う。新興国からの帰りは特にそう思う。)
まぁ、この有様ではどこをつついても活力は出てこないだろう。金だけあっても解決できない問題の山なわけだし。
十大都市がどうだったこうだったと言っても、日本人の大半は「そういう田舎」で暮らしていて、そこの消費を頼りに国を回している。
道路をつんざく異音 整備不良車が示す顕著な貧困化
無関心に通りすぎていると気づかないもんで、身の回りで活動するそういう高齢者も観察しようと思ってあらためて見たら、一時代で一気に増えたと実感する目視結果だった。
ついでに、近頃異常に増えてることに気づいたのは、整備不良車だ。
「キュルキュルキュル」という変な音を出して走っている車、へこんだまま板金をしてない車。
余裕がなくなった証拠なんだろう。
一昔前は相当に家計が追いつめられた人以外で凹みを放置した車なんて見たことなかったのに、何処かにガタが来た車はそこらじゅうを走っている。
道路工事現場近くのコンビニで観察していた時も、↑の写真みたいな道路公団かなんかの出入り車両なんだろう、それらしい軽バン車両からもしていた。
先日出張するときに乗ったタクシーも、出張してから乗ったタクシーも、一部はドアをぶつけたままペンキをなすりつけてごまかしていたのか、曲がって三角に飛び出した所にサビが浮いていた。
それを老人が運転する今の時代、法人資産も人間の年齢も高齢化したってことなんだろう。
近頃地銀が持って歩いているM&Aの案件、これも大半が重厚長大産業、大半が社員の平均年齢が50歳超え。
新規採用をどう急いでも、10年そこらで組織が崩壊することが目に見えている。
売却の動機は先行きの見通し難、そして退職金の積立不足だ。
(払ったら経営者が一文無しになって破産するしかないような雰囲気だ。)
地方創生とか、そういう事を叫んでいるけど。
町田市の事故を見る限りじゃ、そのうち東京でも23区外は創生しなきゃいけない地方にカウントされるんじゃないか?
一回、日本人がリセットを前提に考えなきゃいけないのは、若者を東京に吸収して、稼働年齢の間首都圏に縛り付け、地方のことをとりあえず忘れておくという経済モデルそのものなんだろう。
現在のところIT業界で何も出来ない国に成り下がっている日本の姿は、首都圏重依存型経済でいつまでもやり続けたところで、今後打開の道筋は見えないって事を残酷に描写している。
東京以外で何かの種を探すしか無いんだろうし、その為には地方の教育から年寄りの福祉まで、なにより「家」という日本古来の制度をもう一回やり直すことを考えるしか無いのかもしれない。
一回離散した血縁を、今後どうやってまとめ直すのか?
全く解決策が思いつかないこの状況は相当絶望的だし、絶望的だからこそ老人が文字通り死のリスク、殺すリスクを背負ってまでガテン系で働いている。
高齢者も働ける社会は幸せか?
それは不幸のポジティブシンキングにほかならない、つまりポジティブな敗北主義に見えるのだが。
沸いてくるクソコメ、踊るクソリプ。年単位でつきまとうネットストーカー。
日本有数のネトウヨ・キチガイ・ネットトロルウォッチャーです。
主に経済・哲学・ライフハックを扱います。
コメント欄は日本有数の保守(ホモ)、ネトウヨ、ネットトロル博物館となっております。
義務教育で学び損なったらどこまで悲惨な人間に育つか?
子育て世代の貴重な見本がコメント欄に大量に所蔵されています。
23区でも足立区や北区は、多少マシなぐらいで厳しいですよ。
ただ寝てる時に居るだけでは、地域経済の維持なんて不可能なんでしょうね。
うなる記事でした。
>なにより「家」という日本古来の制度をもう一回やり直すことを考えるしか無いのかもしれない。
ここが気になったのですが、血縁を重視する家制度に戻すことも考えるということでしょうか?
典型的なのは3世代世帯で、夫が稼ぎ、妻はパート。子供の面倒は祖父母がいる、みたいな。
解釈がちがっていたらすいません。
@ロイ さん
ここで言う家って、基本的には自分の帰る場所、居場所の方が感覚にあってるかもしれません。
米びつを共有してる人がそこにいる居場所。
貧困化も勿論そうなんですけど、居場所や帰る場所を失って魂の芯を失いかけてる人々に見えるんですよねぇ・・・