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大塚家具の売上大幅ダウン 京都きものプラザ倒産の理由 マンション・外車販売動向に見る中流階級激減

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(株)京都きものプラザ(TDB企業コード:500244387、資本金1000万円、京都府京都市右京区西院東貝町31、代表市毛一好氏)は、4月9日に事業を停止し、事後処理を加藤英範弁護士(京都府京都市中京区夷川通富小路西入ル北側ムロビル2階、加藤・藤田法律事務所、電話075-231-0026)ほか1名に一任し、自己破産申請の準備に入った。

via: 「大B反市」で知られる京都きものプラザが自己破産申請へ (帝国データバンク) – Yahoo!ニュース

 

アベノミクス大成功で株価が上がったと喚く昨今。

長屋の花見みたいなこども銀行ごっこで必死で景気の良さを装っている一方で、中流層の雇用の母体は死滅し始めているのが日本経済の実態。

 

中でも大塚家具の売り上げダウン、京都きものプラザの倒産というのはそうした水面下の潮流が可視化され始めたまずい兆候で、地銀の合併などのニュースに続いてますますの先行き難を示している。

 

こうした減少は既に一昨年までに徴候が現れており、賢明な人々は既に身を縮めて荒れた景気に備えていた。

だから設備投資も振るわないのが現状だ。

 

長期に続きそうなネガティブなトレンド、先行して示唆する指標は何だったのか、今後の動向を監視する上で大切な情報もこの機会にシェアしておこうと思う。

 

 

大塚家具と京都きものプラザのかぶった顧客層

 

当社は、1977年(昭和52年)1月に呉服卸業者が小売部門への進出を目的に設立。京都や大阪など近畿地区を中心に、東京、名古屋など大都市圏において、催事販売により呉服、帯地、和装小物の販売を展開。催事は「大B反市」と称し、百貨店や地方有力小売店では取り扱いの少ない低価格帯の品揃えが充実していることを強みに、周辺部に居住する消費者を集めて販売し、生協とのタイアップや地方自治体の職員で組織され互助会や厚生会などにも販路を拡大し、2004年7月期には年売上高約25億6800万円を計上していた。

via: 「大B反市」で知られる京都きものプラザが自己破産申請へ (帝国データバンク) – Yahoo!ニュース

 

京都きものプラザと大塚家具ってのは、基本的には中間層の思い切ったお買い物の最たるものだったという点で顧客層が大きく被っている。

京都きものプラザの客単価が恐らく10万円前後、大塚家具は引っ越しやオフィス開業の1セットで客単価200万くらいなんじゃないだろうか。

 

大塚家具で買い物したことないから詳しく知らないけど、つまり本当に何かにこだわった人が買い物するような場所じゃないってことだ。

着物プラザも同じような感じで、中間層の所得の人が背伸びしつつ買い物を楽しむ感じの商売だったといえる。

(本当にこだわりがあったら、1からカスタムメイドで作るから既成品メーカーや2級品のバーゲンなんか買わない。)

 

大塚家具はお家騒動を理由に売上の減少が論じられている一方で、そもそものお家騒動の話のきっかけが売上の減少トレンドだったことを早くもみんな忘れている。

売上はお家騒動が始まる前から下がり続けていて、それは動かしようがない事実だ。

 

大塚家具の家具を置ける家に住む人と、着物を着て出かける場所がある人はどちらも中間層で、両社の苦境や倒産はそうした人々の激減をはっきりと証明している。

 

 

マンションデベロッパーは既に読み取っていた中流層激減社会

 

 

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こうした状況は既に2012年中には予見できていたわけで、マンションデベロッパーは新規着工と販売を大幅に絞り込んでいた。

 

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このチャートを見ての通り、アベノミクスが盛り上がるのと連動してマンションの着工と販売は激減していっている。

2010年-11年の民主党時代と比較して圧倒的にやばいのは、社会的・制度的にマンションの着工を阻害する減少は何も起きてないのに勝手に減っていってる(大地震が起きても増えていた)ことだ。

 

2005-2009年までのマンションデベロッパー業界は文字通り最悪の時代を迎え、姉歯偽装事件で建築基準法が大きく転換し、ライブドアショックで経済は冷水を浴びて、リーマン・ショックで資金的にとどめを刺されてどうにもならなくなっていた。

 

マンションの建築計画というのは表面化する何年も前から地上げ等の準備をするもので、倒産するまでどんな会社にしても仕入れた土地にマンションを仕上げて、根性で売り切って再起を図ろうとする。

実際2009年くらいまでは、マンションデベロッパーの死骸が捨て値でよく売りに出されていた。

売上数百億だった会社が、法人市県民税を支払えず県税に差し押さえされて売りに出た物件とか、工事業者が引き渡しを拒否して売却に出ている物件とか。

 

そうした減少が落ち着いた後の縮小傾向でも、大地震が起きても回復傾向だった市況が安倍政権以降凋落の一途を辿っている。

震災以降で大幅に回復した販売と着工は、今や2005年~の悪材料コンボの時期に肉薄するほど下がり始めている。

 

政府が資金を市場に集中投資する一方で銀行からの企業向け融資を刺激する策を何も打ってない事の現れでもあるし、中間層が激減するだろうというデベロッパーの経営判断を露骨に示唆している。

 

そしてマンションが建たないということは、大きな新規需要を生み出す引っ越しなどが激減することも意味していて、言ってしまえば大塚家具の売上は下がって当たり前なわけだ。

3~6000万くらいのマンションを買う都会の中流が、背伸びして大塚家具というストーリーは破綻している。

親子で経営権を争っていた大塚家具は3日までに、3月の店舗売上高が前年同月比37・8%減となったと発表した。騒動によるイメージダウンが影響して販売が低迷したとみられる。同社は2015年春闘で賃金のベースアップ(ベア)を実施して社内の結束を強め経営再生を図るが、イメージ回復への道は険しく業績が上向くかどうかは不透明だ。

via: 大塚家具、3月売上高37%減 親子騒動イメージダウン | どうしんウェブ/電子版(経済)

 

イメージの悪化?屁みたいなマンションを買って一生に一度の思い切りで「高級家具」買う人にとって大塚家具は一択だと思うけどね。

せっかく生き返り始めていたマンション販売動向から見る日本経済は、データから見る限りでは頓死している。

 

 

マンションと並行して売れなくなり始めた外車、中流層の激減を示唆

 

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マンションのみならず外車の販売動向もこうした中間層の激減を示唆している。

日本自動車輸入組合が6日発表した平成26(2014)年度の外国メーカー車の国内販売台数は前年度比6・7%減の28万1766台で、5年ぶりにマイナスになった。ブランド別ではフォルクスワーゲン(VW)がメルセデス・ベンツを607台差で抑えて、15年連続で首位を死守した。

via: 輸入車販売5年ぶりマイナス 首位はVWが接戦制して15年連続トップ (産経新聞) – Yahoo!ニュース

 

こうした外車やマンション、着物の販売の減少理由に消費税を上げて誤魔化す傾向が強いけど、デマに騙されてはいけない。

外車もマンションも着物も、大塚家具にしても消費税の3%増税を余裕で吸収できるほど利益率が高いビジネスで、値引きによって売上の減少は楽に吸収できるからだ。

 

そしてこの全ての業種がローンで販売しており、値引きと金利、返済期間の調整で需要あるいは顧客の減少以外のあらゆる状況に対応できる業種だ。

 

アメリカでも自動車版サブプライムローンが登場して以来、自動車メーカーを皮切りに空前の好景気が出来上がって、国全体の消費動向が一変するほどのアクションが実際起きている。

日本ではそうした現象は起きてない。

 

つまり顧客が激減したことが売上減少の主要要因で、増税がどうとかそういう次元の話ではないということだ。

蛇口を緩めたら需要が起こる可能性が高いのであれば、サブプライムローン的な対応をどの業者も自前でできる。

でもやってない。

 

増税で売上が下がった→顧客がいなくなったから売れない

 

デマはしっかり訂正するべきだろう。

軽四しか乗らない奴の世帯で着物は着ないだろうし、駐車場が軽四中心のマンションでは大塚家具よりはIKEAの家具になるはずだ。

今までBMWに乗っていた人が失業した場合、次に乗り換える車をBMWにするんだろうか?

 

BMWが派遣社員になり軽四に乗って、今まで軽四に乗っていた人は軽四も買わなくなった。

いずれは自転車メーカーとバイクメーカーが表舞台に踊り出るんだろう。

 

だいぶ前から結末が火を見るより明らかなトレンドはあった。

有効な手を打つことができてないから未だにトレンドは変わってない。

つまり消費税以前の問題だろう。

 

消費税が5%だったらあんたマンション買うか?車、アウディに乗り換えるのかい?

 

 

株価上昇以外の全ての政策に対して一回総括するべきタイミングは既に来ている

 

結局のところ、安倍内閣登場以来で政策として成功したのは株価上昇だけではないんだろうか。

今まで1万円だったものが1万9千円になったのは事実だから。

 

しかしそうするために彼らがやったことのダメージで総合的にはひどいマイナスになってる事実を理解しないと本気でヤバいと思う。

 

しょっちゅう、アベノミクスを揶揄するときに

・死体に電気を通して、生き返った、動いたと騒いでいるだけ

・腹痛の人にモルヒネを飲ませて痛みが止まったと喚きだした

・がん患者に足裏マッサージをしているだけ

 

と言ってるけど、基本的に日本の経済に、急激な変動を受け入れる弾力性は既になかった。

(株)コバヤシ・ファシリティーズは、2000年(平成12年)10月に設立された一般建築工事業者。当初横須賀地区に営業基盤を築き、中層クリニックビルなどに多くの実績を残していたが、近年はグル-プ会社と連携した住宅型有料老人ホーム、高齢者専用賃貸住宅の設計・施工、施設の運営管理が軌道に乗り業容を拡大。2013年11月期には年売上高約34億600万円を計上していた。

 しかし、その後は建築コスト高騰により建築段階での赤字が増大。支払先行でつなぎ資金が不足するなか、2014年に入ってから取引先に対して支払いの延期を散発。度重なる支払延期で一時的に工事がストップするなど、多くの業務・現場に支障が出るようになった。資金調達難に陥るなかで、今年に入り投資ファンドの支援や類似業態企業との提携スキームもまとまらず、今後の見通しが立たなくなり3月16日に同地裁に自己破産を申請していた。

via: 老人ホーム建築工事のコバヤシ・ファシリティーズなど4社が破産 (帝国データバンク) – Yahoo!ニュース

 

当たり前の話で1995年から今までで、本当に全国的に景気が良かったのは2005-7年の短い間だけ。

殆どの企業はそれ以外の期間は倒産を意識しながら身を縮めてやり過ごしてきたのが現実だった。

 

円安で仕事が増えるとか喚きだしたって、結局輸出数量は全然増えず、原価が高騰してあちこちで企業は倒産している。

上場企業に勤めることが出来なかった人々にとって、売上数十億クラスの企業というのは中流層の母体と言ってもいいだろう。

 

そうした企業ほどの規模ではないにせよ、利益率が高かった京都きものプラザだって立派な中流層の母体だった。

 

マンションデベロッパーにとっての最悪期と同じような着工数を見せているマンションの着工や販売動向は、いずれデベロッパーの大量死を引き起こす。

常に新規着工して新規販売を続けていないと速攻で窒息するサメみたいな企業群が、着工や販売を絞り込むというのはよくよくの異常事態だ。

 

とりあえず総論としては、アメリカとか東アジアでバンバン戦っている企業はともかくとして、中流層の母体なる企業群は、短かった好景気と長かった不景気で、既に急なアクションに耐えることの出来ない老人のような会社になっている。

安倍ぴょんのやっていることは、「おじいちゃん、テンション低いですよ!ライザップでムキムキになろうよ!」と言うのと同じことで、ライザップ運動で老人がどんどん死んでいるのと同じようなものだ。

 

みんな輻輳する短期貸付の資金繰りや、重たくのしかかってくる複数の長期債務をやりくりして打開策に頭を悩ませている。

実際、民主党政権期間でマンションの着工と販売が伸びているのは、モラトリアム法と手厚くしていた中小企業政策に大きく起因している証明だ。

 

年寄りに重要なのはライザップよりはずっとゆるやかな生活習慣の改善になろうし、年寄りはムキムキになることより健康に長生きすることのほうが重要だろう。

 

株価の上昇政策の含むところは、結論的に言えば、市場に近いところに金をおいている中流層からの、トレーダーや少数株主への富の移転だ。

このまま株価上昇を目的化して景気を捏造し続けたら、取り返しの付かない結果になるだろう。

(既になってるような気もするけど。)

 

 

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