静岡県西伊豆町で男性2人が死亡、子供2人を含む5人が重軽傷を負った感電事故で、原因となった電気柵を設置した男性(79)が死亡したことが7日、県警への取材で分かった。自殺とみられる。
県警によれば、同日午前8時過ぎ、自宅の庭で首をつっているのを妻が発見し、警察と消防に通報。男性は搬送先の病院で死亡が確認された。遺書は確認されていない。
男性は7月に取材に応じた際、「苦しい。ごめんなさい」と述べていた。
via: 西伊豆感電死 電気柵設置の男性が自殺 7月には「苦しい。ごめんなさい」 (産経新聞) – Yahoo!ニュース
西伊豆の電気柵事故で設置者の男性が自殺と言うんだけど、まぁ電気罠を兼ねて柵を設置して、時々肉食ってたんだろうなとは思うけど、これは今の日本の地方を象徴する事件と言っていいと思う。
たまたまここ3日離島に旅行行ってたんだけど、25年前から今までで人口が半分になっているという現実に気づいて山を見たら、昔は果樹園だった山が雑木林に戻っている。
地方では野生動物の侵食が深刻で、最近は墓地を荒らすイノシシなんかにも困り果てているらしい。
(それも、それなりの規模の地方都市といえる街で。)
人間があまり来なくなった墓地にわずか残ったお供え物と、樒や献花を捨てるゴミ捨て場に生息するミミズ目当てに山からやってきて、そこらじゅうを掘り起こして墓守の悩みの種らしい。
人口が半減する最中に、里と山野を隔てていた狩人も消えていった。
林業は近頃の住宅の性質上全然業績が振るわず、倒産と廃業によって人の手が入らなくなった山であふれた動物が里へ降りてくるというわけだ。
治水政策の失敗や地下水の保全政策の失敗も、野生動物と里の接触機会を増やす結果になっている。
鮒やなまず、うなぎが生息できない川にそうそう動物の餌がいるはずもなく、水が流れるのは雨の日だけの川は近場の動物の水場としての機能も失った。
カワセミが意外なところで見られるようになったのはそのせいだ。
人口減少は将来、例えば20年後とかに今人が住んでいる有人離島や、新興の小規模住宅地が維持不可能になったり消滅することを意味している。
日本の有人離島というのは多くが南北朝以前から人が住んでいた歴史ある土地だ。
およそ700-1000年の昔から人が住んできた文化がついに途絶えようとしてる、有史以来未曾有の異常事態になり始めた一つの象徴がこうした現象の意味するところといえるだろう。
伊豆の獣の食害というのは、それをわかりやすい形で可視化した。
不幸な死亡事故をきっかけにして誰もが目を背けていた冥い現実にスポットライトを当てる結果になった。
年間、25万人の人口減少。
4年おきに広島規模の都市が一個消えていくというすさまじい現実。どこかで一定の閾値を超えたらそれは30万35万と加速するはずだ。
今は電気柵で防いでいる動物の害は、近いうちに猿の大増加などを通じて家宅への侵入や人間の死傷事故を頻発させることになるのだろう。
こうした現象を巻き返す妙策があるはずもなく、ただひたすら皆の故郷が雑木林に飲み込まれていくのを観察して、数百年の文化と思い出が遺跡になる哀愁に涙するしかないのだろう、1000年の郷愁を込めて。
墓をイノシシが荒らすのはついぞ知らなかったけど、寺社の持つ土地は実り豊かな森林も含むからなぁ。
山林業者が廃業して栄養不足になった山より居心地がいいのだろう。
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静岡県西伊豆町で動物よけの電気柵付近で7人が感電し、うち男性2人が死亡した事故で、電気柵を設置した70代男性が、電圧を上げるための昇圧機を取り付けるなどして、電気柵を自作していたことが22日、捜査関係者への取材で分かった。関係者によれば、男性は以前、家電販売店で勤務した経験があり、電気設備の知識があった。男性は「自分の施工ミスだった」と周囲に話しており、県警は男性から事情を聴くとともに、電気柵や昇圧器などを回収して詳しく調べている。
経済産業省電力安全課によると、昇圧器を設置したことで、電気柵が電源を取っていた家庭用コンセント(100ボルト)の電圧が440ボルトに引き上げられていたという。
県警によれば、男性はコンセントの抜き差しで電気柵の電源を切り替えていたといい、普段は夜間だけ通電させていたが、事故当日は、電源を切り忘れた可能性が高いという。
また、司法解剖の結果、川崎市宮前区の会社員、尾崎匡友さん(42)と、神奈川県逗子市の会社員、岩村知広さん(47)の死因は、電気が体内を流れたことによる感電死と判明。2人の左の手のひらには、いずれも重いやけどが確認されており、電線をつかんだ際に感電したとみられる。
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義務教育で学び損なったらどこまで悲惨な人間に育つか?
子育て世代の貴重な見本がコメント欄に大量に所蔵されています。
雑木林というのは、燃料や堆肥を得るために人間が維持管理している緑地なんだが・・・・
放置された土地が勝手に森林化していくのはむしろ原生林に近いものだと思う。
目先の金に目がくらみ雑木林を杉林に変えて山を壊したのも明治以降の日本人。
昔から(江戸時代)農村の人口は都市に流れていた。
人口学の本を読むと分かるよ。
@迦陵頻伽 さん
雑木林と原生林の間の子って言ったほうがいいんじゃないかなぁ。
原生林ほど原生的な植物相は留めてないような気がするんだよね。
原生林のような多様性があるわけでもなく、里山のような秩序もない人の立ち入れない森が増えていくのか
人にとっても動物にとっても得がないな
多様性がないですか。人間さえいなくなれば他の動物にとって理想的な環境が出来上がるのかと思ってました。
どこの田舎にも、街にも一々問題が発生しないと反省できない人間だらけ、
想像の範疇の事故だと思う、
そしてまだまだ続く。