日本で起業率が下がる理由  収入保障補助金500万円は意味があるか?  素人のど自慢大会からエイベックス化する日本経済、制度から見直すべき


政府が4月下旬に閣議決定した2014年版中小企業白書では、起業希望者が大幅に減少するなど中小企業が置かれている現状について説明している。主な項目にスポットを当てて白書の内容を紹介する。

 【起業・創業】12年の起業希望者は約84万人と、1997年の約167万人から半減した。全体に占める新規開業した企業の割合を示す「開業率」は、12年が4.6%。欧米と比べて低水準にとどまっている。

 開業率が低い理由を、起業に関心のある人に聞いた調査では「起業した場合に生活が不安定になることに不安を感じる」が最多の36.9%。続いて、「個人保証の問題など起業に失敗した際のセーフティーネットが整備されていない」が33.8%、「起業に要する金銭的コストが高い」が30.8%だった。

via: 起業希望者、15年間で84万人に半減 経営者高齢化も指摘|ビジネスパーソンに送るニュース情報サイト ビジネスジャーナル/Business Journal

 

日本で起業率が下がるので、起業家に収入保障の補助金を500万円出そうとか色々やってるけど、これもなかなか難しいというか、政策だけで解消できるか微妙な問題だなぁ。

起業率の低下というのが、大体はブラック企業叩きと反比例した傾向を示してる気がする。

 

ブラック企業がビジョナリーカンパニーと言われた時代、いわゆる起業家は沢山勃興してきて、マザーズやジャスダックは大変賑わっていた。

そしてブラック企業が袋叩きにされるに従って今度は起業率が下がっていく。

察するにブラック企業叩きというのが、労働者の質の低下をはっきり示しているわけで、無理して組織化しなくても、年に1億円くらいまでの金儲けなら個人でやりますというムードが出来てしまった気がする。

 

それと、他に見逃せない現象として、ライブドア事件以降の起業家側のやる気の喪失は半端ないと思う。

モバゲーの公取立ち入りも念押ししたと思うけど、血統主義なのか実力主義なのかわからない、曖昧な世界を公然と晒したつけとも言える。

あんな目に合わされるならそのゲームには参加しないよ、となってしまう。

 

往時は創業者利得が活況の最中、多い人で数十億円取れていたけど、今は「持ち株の時価総額で」それくらい行けばいいほうなんじゃないだろうか。

実際、知り合いの会社が何年か前に騰落率の暴騰の方で上位になってたけど、彼の持ち株の時価総額が大体50億ちょっととかそんなもんだった。

去年から若干相場が回復したと言っても、マザーズ指数はご覧のとおり(↓)最盛期の3分の1位くらいの推移だしね。

めんどくさい世界に入って、権利意識強い社員にピーだのパーだの言われながら、絵に描いた餅の自社株時価総額を狙ってそこまでしたくないよって意識はかなり強いと思う。

 

同時に、この相場の低迷と税制の変化が社員側の意識変化も結構後押ししてる側面もあって、IPOに関係する職種の人からは結構聞く話がある。

昔は上場して、幹部社員もストックオプションで一財産できてたものが、今は色々制限があって自由にできないらしい。

別の結構前上場した知り合いの企業でも、上場した時に幹部社員で2億円くらい儲かった社員なんてのも結構いたらしい。

(賢いことにその社員は儲けを安値の自社株に全額突っ込んで、更に5倍ほどにしたという。)

 

これだけ夢がある仕事だと、そりゃ社員の方もブラックがどうとか言わずに死に物狂いで働くと思うんだけど、それがまさに夢物語の時代になってしまった。

山師を公務員にしたら十中八九どうしょうもない役立たずになるのと同じことで、もともとそういう山師指向の人間の夢を奪って「額に汗する」のが偉いと国が打ち出したインパクトはデカかったと思う。

 

総評すると、ホリエモンが逮捕されるまでの時代というのは、いわゆる素人のど自慢大会的経済だった。

経歴もあやふや、どう考えても山師じゃないんだろうかというやつが沢山会社を経営していて、皆巨額の利益を狙っていた。(あるいは自分の事業が社会を変えると信じ込んでいた。)

今思えばMBAホルダーがでかい顔しだしたあたりが終わりの始まりだったのかもしれない。

 

現在においては経歴や血筋まであれこれ言われかねない時代になって、素人のど自慢大会は終わってエイベックス的な既成品経済になった気がする。

独自性の強いキャラが立った人が極端に少なくなった気がする。

そしてあの当時でかい顔をしてワケの分からない横文字をしゃべくっていたMBAホルダーが無職になったりしている。

 

元来、資本の理屈は、労働者が額に汗する場を提供する資本家に金銭でリスペクトしようというものであって、なんの資本的権限もない部外者がそれを儲け過ぎだなどと批判するようにできてない。

もし自分にももっと利益をよこせというなら、資本家になって自分で起業するもよし、あるいは株主になって議決権を行使するもよし、というのがまともなシステムだ。

経歴がどうとか、血筋がどうとかもあんまり関係ない。本来はそんなことよりお前はどういう働きをしたのかとか、いくら金を出したのか「だけが」問題なわけだ。

日本では民主主義と資本主義に相関性なんか全くないってことを勘違いした、奇形のシステムが発達してしまったといえる。

 

巨額の資金を得ることは”ズルイ”のか?

本来の答えはNOであって、それをYesにしたのは起業家ではなく、経団連の面々だったことを勘違いしている人が多すぎる気がする。

株を誰もが売買する自由があって、上昇志向を持った人間が金を分配する地位を目指し、金持ちになることを本当の資本主義は否定してないんだから。

(そういう循環をシステム化して、既得権益にしてしまったのは労働者側出身の資本家もどきであって、この構図は労組出身者が外国人労働者の研修組合を作って詐欺的な搾取をしたりしてるのとよく似ている。)

 

そして山師に捨扶持を500万円与えたら元気になるか?答えはNOだろう。

ある日突然数億円儲かるという麻薬的なビジネスの魅力にとりつかれたトリガーハッピーにそんなものが奏功するはずがないと思う。

 

今回の500万円の補助金は、個人商店の増設には多分役に立つと思う。しかしただそれだけの効果しかもたらさないのも確実だと思う。

500万円が「大切な金」だと思ってそれを拾いに行く奴は、起業家でも山師でもないんだから。

 

 

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一昔前、このシリーズが流行った時はうざい奴が増えて嫌だった。
ビジョンなんかクソ食らえなんだよね。
本に書いてあること以外が喋れるようになってからが一人前。
くちばし青いのがぴーぴーうるさい時代だった。

 

 

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開業率が低い理由を、起業に関心のある人に聞いた調査では「起業した場合に生活が不安定になることに不安を感じる」が最多の36.9%。続いて、「個人保証の問題など起業に失敗した際のセーフティーネットが整備されていない」が33.8%、「起業に要する金銭的コストが高い」が30.8%だった。

 【事業承継】12年の中小企業数は385万社と、09年比で35万社減った。経営者の高齢化も進んだ。事業承継について、準備をしていないとの回答が60代で約6割、70代で約5割を占めた。後継者の育成に掛かる期間では「3年以上掛かる」が中規模企業で9割超、小規模企業では8割超に達した。

 白書では「早い段階から事業承継の準備に着手してもらうよう、きめ細やかな情報提供や意識付けが必要」と指摘した。

via: 起業希望者、15年間で84万人に半減 経営者高齢化も指摘|ビジネスパーソンに送るニュース情報サイト ビジネスジャーナル/Business Journal

 

政府は6月にまとめる成長戦略で、ベンチャー企業への投資を促すための税制優遇の拡大を盛り込む検討に入った。経済成長に不可欠な企業の新陳代謝を促す狙い。併せて、補助金で起業家に一定の年収を保証する制度も創設し、優れたアイデアを持った人が創業しやすい環境を整える。会社勤めの人の独立や創業をしやすくする兼業や副業の指針も整備する。

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 政府は昨年まとめた成長戦略で日本の開業率を欧米並みの10%に引き上げる目標を定めた。しかし、現状では半分以下の4.5%と低く、一連の施策によってテコ入れを図ることにした。

 柱の一つはベンチャー企業への投資を促す「エンジェル税制」の拡充だ。現在は税優遇が認められる投資対象の企業は「設立から3年未満」だが、2015年度にも「5年未満」まで要件を緩和する。

 資金繰りが厳しい時期のベンチャーに投資家の資金が集まりやすくし、経営が安定軌道に乗るのを手助けする。

 所得から控除できる金額の上限も引き上げる。投資した金額とほぼ同額を控除する原則だが、上限の1000万円を超えてベンチャー企業に出資した分は控除されないため、より多く投資する意欲が薄れるとの批判がある。現状の上限額である1000万円を数千万円に引き上げる案がある。投資対象を経営状態の悪い企業に限る「営業キャッシュフローが赤字」という条件もなくし、黒字企業も対象に加える方針だ。

 エンジェル税制を利用する企業数は年間で48社(13年度)しかない。これを使った投資額もピークの08年度で11億円と、同様の税制が充実している英国の数十分の1~100分の1にとどまっている。政府は一連の施策を年末にまとめる15年度税制改正大綱に盛り込むことをめざし、与党と調整する。

 成長戦略や税制改正に関連して、経済産業省はさらに起業家の収入と活動費用を保証する取り組みも始める。所管の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が年10~15組の起業家を公募し、1人あたり500万円の年収と1組あたり年1500万円の活動費を支給する。

 5月から起業家を募り、7月から資金を支給する。最大で2年間、起業家の生活を保証する。開業率を飛躍的に向上させたフランスのサルコジ前政権を参考にした施策だが、企業家精神と安定した生活の保証の両立が課題になるとみられる。

via: 補助金で年収500万円保証 政府、起業促す :日本経済新聞

 

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コメント

    • ネット175
    • 2014年 5月 16日

    >>個人保証の問題など起業に失敗した際のセーフティーネットが整備されていない
    この回答が多いのは生活保護の締め上げも多分に影響してんだろうなあ、金持ちから貧乏人までまとめて締め上げたら締め上げた通りに上から下まで委縮しつつあるように感じる。

    • ネット175
    • 2014年 5月 16日

    失礼しました、見直すと委縮するの意味がよく分かんない文ですね。
    自分が思うには起業率の低下はもちろん安心感の無さから来る消費意欲の低下、貯蓄志向化とかで消費経済自体も冷え込ませてみんな損してる気がするんです。落ちぶれても叩かれるんだからデカい事やんない層だって貯金しないと怖いじゃないですか。

    • gundari
    • 2014年 5月 16日

    @ネット175 さん

    「安心して落ちぶれられる社会」って大事だと思うんですよ。
    第三者保証の禁止、生活保護の審査のざる化、これってネガティブなイメージが付きまとうけど結局皆得すると思うんですね。
    失敗して、借金何億で自己破産。

    いまだとまわりじゅうを巻き込んで地獄行きですけど、これが笑って済むようになったら皆どんどん金持ちになろうとチャレンジしますよね。

    社会的な潔癖症ってろくな結果を産んでないと思いますね。
    そして潔癖症だからこそ、土臭い素人のど自慢大会経済が我慢できないわけです。

    そして整形とメイクで塗り固めた「アユ」ばっかり売れるエイベックス経済になるわけです。
    昭和の活力の源って、ゆるさといい加減さだったんだと思います。

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