すでに新聞やテレビなどのマスコミで広く報道されていますが、ノバルティスファーマ(株)が製造販売している降圧薬であるバルサルタン(ディオバン錠)に関する国内で行なわれた臨床試験の信頼性が問題となっています。
この臨床試験はバルサルタンの市販後に医師主導臨床研究として行なわれたもので、現在、特に問題とされているのは京都府立医大が中心となって行なわれたKyoto Heart Studyです。この研究は、通常の降圧薬治療群と通常治療にバルサルタンを追加した群との間で脳卒中や狭心症などの血管障害の発生率に差があるかどうかを調べたものです。その結果、バルサルタンを加えることにより血管障害の発生率が明らかに低下するという良い結果が報告されました。しかし、今年になってこの研究に当時ノバルティスの社員であった者が身分を明かさずに参加し、しかも統計解析など試験結果を導くうえで重要な業務に関わっていたことが明らかになりました。これを受けて、この研究結果を発表した5つの論文が海外誌を含めた医学雑誌から掲載を削除されました。
京都府立医大はこの研究の信頼性について独自の調査を行ってきましたが、7月11日に調査の結果を発表し、この研究ではデータの改ざんが行なわれた可能性があること、ならびにバルサルタンが血管障害の予防に有効であるとした結論に誤りがある可能性が高いことを発表しました。
バルサルタンは降圧薬として降圧効果があることは間違いありません。しかし、バルサルタンの特徴とされてきた血管障害の発生を予防する効果について疑問が提出されたこと、また、Kyoto Heart Study以外にも同様の結果を発表した国内の臨床試験にやはり上記の人物が関わっていたことも明らかになっていることから、同種薬剤が多数存在する中であえてバルサルタンを処方する理由は少ないと言えます。また、特徴とされてきた効果に疑問が提出されている薬剤を漫然と使用することは倫理的にも問題がありますので、当院では8月5日(月)からバルサルタンを含むディオバン錠、コディオ配合錠、エックスフォージ配合錠の採用を中止することに決定しました。したがって、上記の薬剤を服薬中の患者さんは次回処方時より代替薬へ処方変更をさせていただきますので、ご了解のほどよろしくお願いいたします。
サラリーマンは優秀だ論を熱心に喋ってるやつで、前々から不思議だったんだけど例えば5000人とか社員がいる会社で、4999人の優秀なサラリーマンの上がりを一人の社長がぶち壊しにできるのかと。
経営者が無能なのが全ての原因論も同じように、たった一人の努力が4999人の無為無策を上回ることができるのかどうかと。
もう答えはこういう事件が幾度と無く語ってくれているのに、現実を直視できない奴は未だに多い。
日本人は無能、と言うんじゃなくて、相対的に日本人が「過去」持っていた特質がそぐわない時代になったんだよ。
GoogleやApple、Amazonみたいな企業は一つもない。
これが意味してることは、GooglePlayで販売するアプリを作って陳列してもらうことは出来ても、Googleより巨大な企業が生まれることがありえないってことだ。
何をどう頑張っても上がりを刎ねられていくわけで、日本人が優秀かどうか以前に、収益の挙げ方を自分で決められる環境を根こそぎ喪失していったってことだ。
元々、家電ビジネスについても販売網を自前で持った電機メーカーたちが品質を競っていたものが、販売網が根こそぎ破壊されてしまった。
つまりマーケットメイクする能力を喪失した。戦争で言えば制海権や制空権を奪われたのと同じ状況ってことだ。
これは薬物や科学全体でも同じような凋落を示していて、元々基盤技術の開発力が大してなかったものが、どんどんアメリカに水をあけられている。
当たり前の話で、ナショナル開発に異常にこだわる日本がある一方、アメリカは技術者を海外から札びらをきって連れてきて、こだわりもなしにライセンスをアメリカ製にし続けている。
かたや日本では関係者に賄賂をばらまいて駄菓子みたいなものに薬効を書いてもらい、余計に転落していっている。
あらゆる状況が指し示しているのは、日本がかかっている虚脱的な病気の原因に、経営者も含めたサラリーマンの深刻なモラルハザードと、徹底的に間違った金の使い方があるってことだ。
そして国全体で現実を認識する能力を今現在進行形で喪い続けている。
現実逃避、モラルハザード、せこくいびつな金銭感覚がこの病気の病原菌になっている。
本屋にいけば、近頃日本礼賛系の書籍ばかりになって、「日本人は尊敬される」という夜郎自大な誇大妄想にとりつかれたアホは日々増え続けている。
仮に、人種的な問題で日本人が尊敬されるとして、嘘ばっかりの捏造データで何の役にも立たないクスリを死に瀕した患者に売りさばいて金儲けしていて、いつまでも尊敬されると思うんだろうか?
屁理屈を言わずに今起きている問題を直視して、その中に内包されている問題を喝破できる人間が多数を占めるようになるまで、日本が経済的・政治的に復権する日は訪れないだろう。
こういった問題を引き起こす根本の原因に、
属人的な要素に頼りすぎる組織運営があるんだよ。
有能な人間の行動をラディカルに分析して、それ以下の人間でも真似ができる
システム化に着手しようとしたら、官僚化したサラリーマンは猛烈に抵抗する。
職人芸が既得権益の方便にもなっているってことを忘れてはいけない。
既得権益は自ら企業を起こして主張すれば良い話で、人に雇われながら主張する権利はない。
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<バルサルタン>白橋容疑者 臨床試験の計画段階から関与
毎日新聞 6月15日(日)7時30分配信
降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を巡る虚偽広告事件で、製薬会社ノバルティスファーマ元社員、白橋伸雄容疑者(63)が、京都府立医大の臨床試験に計画段階から関与していたことが分かった。白橋容疑者は、データ収集後の第三者委員会の作業や統計解析に関わっていたことが既に判明している。東京地検特捜部は、白橋容疑者が試験全体に影響力を行使する中でデータを改ざんしたとみて、実態解明を進めている。
京都府立医大の臨床試験は2004年に始まった。関係者によると、試験開始前の03年、実施計画を定める検討会議が複数回実施され、研究チームに参加する医師らが目標とする症例数や分析対象の疾患、判定基準などを話し合った。
白橋容疑者は、臨床試験の患者データが集まった後も、医師の診断が適切かどうかを学外の医師が判断する第三者委員会「エンドポイント委員会」の会議に参加し、症例資料の作成や説明を担当していたという。
作業終了後には、臨床データを自身の元に取り寄せ、第三者委の評価の対象とならない症例を中心に、バルサルタンが他の降圧剤より有利になるようデータを改ざん。虚偽の統計解析に基づく図表を作成し、論文を執筆する医師らに提供した疑いがある。
一方、白橋容疑者は周囲に「医師の指示に従い研究を手伝っていただけだ」と話していたといい、逮捕後の調べにも自身による故意の改ざんを否定しているとみられる。【近松仁太郎、山下俊輔】
「私はノバルティスのMRから、こう説明を受けたことがあります。『先生、ディオバンには血管の傷を治す効果があるんですよ』と。動脈硬化とか心筋梗塞は血管の傷が元で起こる病気ですから、そう言われて心を惹かれない医者はいませんよ。でも今は、それが〝インチキ〟だったかも知れないと思っています。私個人の意見としては、降圧剤は似たり寄ったりの薬が多い。ディオバンは市場から撤退すべきだと思います」
(上)厚労省から行政指導を受けたノバルティスファーマ本社。第三者による調査委員会を設けているという〔PHOTO〕村上庄吾
(下)バルサルタン(商品名ディオバン)の錠剤。世界中で売られているが、総売り上げの約3割が日本だった〔PHOTO〕神取亜理沙こう語るのは、東京ハートセンターの南淵明宏センター長である。ディオバンとは医薬業界に大スキャンダルを巻き起こしている、製薬会社『ノバルティスファーマ』(東京・港区)の降圧剤『バルサルタン』の商品名だ。
’00年に発売されたバルサルタンが年間1000億円を売り上げるドル箱商品になったのは、学者とノバ社、医療専門誌が三位一体となってその薬効を宣伝したことが大きい。しかし、薬効を謳う根拠となった「バルサルタン論文」のデータに相次いで不正が指摘され、医学界はショック状態に陥っている。
5月28日までに厚生労働省はノバ社に対し、問題の全体像の検証と、再発防止を求める行政指導を行った。バルサルタン論文では、京都府立医大の松原弘明氏が発表した論文が相次いで「撤回」されており、同大ほか、滋賀医大、慈恵医大、千葉大、名古屋大で行われた治験でも不正がなかったか調査が行われている。
via: 追及第4弾クスリの闇 ついに製薬会社に行政指導!「疑惑の降圧剤(バルサルタン)」&「保険診療費」に群がった学者を直撃 | 経済の死角 | 現代ビジネス [講談社]
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