拝金主義者の脳内を支配する「生き金」なる珍妙な金
お金を稼ぐ人はモノよりも人に投資ができる人!
「生き金」を使うという点では、投資に対する意識が強いのもお金を稼ぐことができる人の特徴です。投資というと株式や投資信託、債券やFXなどの商品を思い浮かべる人が多いと思います。しかしお金を稼ぐ人の特徴は人に対して投資ができる人だと思います。
私自身、30代後半で独立した際、まだ実績も何もない私に対して、余裕で人を1人雇えるくらいの顧問料をポンと払ってくれた人物がいます。その方とはいまだに長くお付き合いをさせてもらっていますが、若い頃に受けた恩というのはいつまでも私自身の中で消えませんし、何かあれば万難を排しても力になりたいと思っています。
via: 金持ちになれる人の生き金の使い方!ムダ金との違い [気になるあの人にお金突撃インタビュー] All About
未だにネットを汚し続けるライフハック情報。
その中でももっとも強く日本人、いや世界中の人々の脳みそを汚染しているのは「生き金」という妄想じゃないだろうか。
なんでも金には生き金と死に金というのがあって、もっぱら人への投資などを生き金というらしい。
それこそが最良選択肢で後々自分を助ける、んだとか。
ところで、オセロが好きな人は居るだろうか。
オセロで、はじめから端っこを狙って「もっとも沢山取れる手」を指し続けてCPUのレベルいくつまで戦えるか是非試してみて欲しい。
初心者向けの段階を超えたら一つも勝てなくなる、保証する。
金の使いみちに生き金も死に金もない。
それは過去を振り返った時にしか可否は判断できない。
世の中には不良債権が満ち溢れている。
最初の一回目の貸出は全て希望に向けて発射された成功への第一弾だった。
金貸しのプロがそれがどこに飛んで行くのか見通すことが出来なかった。
なぜそれがライフハックに熱心な単なるサラリーマンや自営業者に見通せるというのか?
計算の根本が壊れているとしか思えない。
浪花の街に大阪城が出来た頃、唐入りを夢見た若い侍たちは手柄と新たな新天地の夢に身を焦がしただろう。
それから少し後に、自分達が夢見た士道の墓標が大阪城になるのだとは夢にも思わなかった。
夢の最後に破滅を見出した侍達の士道のゴールを見るたびに寂寞感に襲われる。
成功へのチャレンジとドナー隊の末路、効率より覚悟
そもそも生き金とかライフハックと言ってる人は、なぜ進む先に希望だけが待ち受けているという狂った発想を持つことが出来るのだろうか?
冒頭の引用の著者をけなそうとは思わないけど、いい年をこいて未だに金を増やす為の話しか口から出せてない自分を見て、本当に成功者だと思うのか真面目に聞いてみたくなってくる。
新天地妄想というのは、成功した西部劇の結末を見ている現在、ポジティビティーの代表として受け入れられている。
しかしその新天地を開拓するために巨大な屍の山ができたことを、本当に成功に挑戦する奴は忘れないで欲しいと思う。
(「何が成功か」ですら定義はわからないってことを思い出してほしくも思うしね。成功とは観念的であり哲学の一種とも言えるし、それ故に語られるべき事柄は本当は金に依存しない。)
ドナー隊は西部へ希望を見出したキャラバンが、最短距離を選び続けた結果干し殺しにあい、ほぼ半数が死滅した悲惨な事件だ。
彼らは常に最良手を選び続けた結果、山脈や砂漠、雪に凍る湖に足を絡めとられて人肉まで食う羽目になった。
自分達にとって本当の希望であるはずの子どもたちでさえ屠殺して料理しなければいけないそれは過酷な旅だったらしい。
彼らは生き金として楽に移動するための牛車や馬車に多額の投資をしていたらしいけど、本当に投資するべきは道を阻まれた時のための保存食だったようだ。
彼らが目指した西部よろしく、多くは若者や、一念発起した中年たちをまるで太陽のように新天地の魅力が照りつける。
成功という観念的な存在の恐ろしさはその魔力にある。
本当は地平線の向う側にあるその太陽までの無限の旅に毎日のように少なくない人を駆り立てる。
そしてほぼ全てのそこを目指した旅人は目撃したはずだ。
今更引き返せない場所に来て必ず行き当たる、巨大な冥い地割れを。
ドナー隊(ドナーたい、Donner Party)、あるいはドナー=リード隊 (Donner-Reed Party) とは、1846年の春、アメリカの東部からカリフォルニアを目指して出発した開拓民のグループである。
彼らは旅程の遅れのために、1846年晩秋から47年早春までシエラネバダ山脈山中での越冬を余儀なくされ、過酷な環境の中で多数の餓死者や凍死者を出した。生存者たちは、必然的にカニバリズム(人肉食)に走らざるを得なかった。
アメリカ西部への幌馬車による旅は、大抵の場合は6ヶ月を必要とする。
しかしドナー隊はヘイスティングズ・カットオフと呼ばれる近道を選択したところ悪路に阻まれ、さらにワサッチ山脈やグレートソルト湖周辺の砂漠地帯を越え、ハンボルト川の谷に従って進みネバダ州に至る間に多くの幌馬車と家畜を失い、グループ内にも分裂が生じた。
1846年11月、一行はカリフォルニアに至る最後の障壁・シエラネバダ山脈に差し掛かる。
しかし早い冬の訪れに伴う大雪に阻まれ、海抜2,000mに位置するトラッキー湖(現在では、ドナー湖と呼ばれている)湖畔での越冬を余儀なくされる。
食料は早い段階で尽き、幾人かは雪の山脈を越えてカリフォルニアに助けを求めた。
しかし救援隊は1847年2月になるまで到着せず、結局一行87人のうち、生きてカリフォルニアの地を踏んだのは48人だった。
歴史家は、この事件を西部開拓史における壮大な悲劇と位置付けている。
本当に成功する選ばれた人間のモノマネは自殺行為
ここから試されるのがそこまでにそいつが何をやってきたのかという旅の準備部分だ。
ドナー隊よろしく、馬車にしか投資をしてなかったポジティビストは早い段階で飢えと乾きに苦しんで死んでいくし、準備が良かった者も崩壊する組織を眺め続けるという最悪に近い責め苦にいつ終わるともしれず苦しめられる。
旅の準備の第一弾はむしのいい妄想しかしない頭をフル回転させて苦しみにちゃんと備えておくという点だ。
(殆どの人はそれに耐えられない。安倍政権の経済政策にたいしてポジティブだった人が今どれだけ泣きを入れてるだろうか?そんなことは2,3年前から警告していたのに。)
ポケットに一番先に仕舞いこむのは、目的地のレストランのクーポン券ではなく覚悟だといえばわかりやすいか?
ドナー隊の死んでいった奴のポケットには新天地での遊興費と、上等な牛車の領収書が入っていた。
長く続く苦しみはドナー隊のモノとほぼ同じ状態を示す。
昨日まで心がつながった仲間だったはずの連中が取り返しの付かないところまで連れてこられた恨み言を喚いたり、昨日まで能吏として働いていた奴が恐怖で足がすくんだ臆病者に成り下がる。
そして今まで組織の太陽だったはずの奴がまるで金日成のようにボロカスこき下ろされることは避けられない。
殆どのやつはこの苦しみに耐えられず自ら死を選ぶ。
こうした嘘に騙されて破滅する奴は何が間抜けだったのか?
それはどの時点からいつまでかの期間は不明なものの、世間で膾炙する成功というくじを引き当てる奴は、それをライフハックで主体的に選ぶのではなく時代が個人の思いを飛び越えて神の作為で選ぶという点に無知で恐れを知らなかった事だ。
自発的に選べるほど安いものを成功とは言わないってことや、そうした人智を超えた力学に思いが至らないことがまず動物としてダメだったってことだ。
多くのやつはアメリカの大成功した投資家やら、どっかの大企業のファウンダーの回顧録や成功の秘訣でも読んでいたのだろう。
時代に選ばれて生きながらに神に近い存在になったやつを、誰でもできる程度の努力で再現できるかもしれないという思い上がりが身を滅ぼした。
自分より幸運な奴と自分を比べないことだ。
目の前に拡がった地割れを、気持ちを浮き沈みさせずにじっとなぞることだ。
運がよけりゃ生きてるうちに、飛び越えられる割れ目にたどり着ける。
着かなきゃそれまでだと思って潔く諦めるんだな。
成功とカリスマを誰に与えるか、時代は常に選んでいる。
それは姑息な計算に基づいたライフハックをやっている奴に与えられるものではないことだけは確かな話だ。
選ばれた奴は、まるで開眼した釈迦のように突然変化する。
陽炎のようにオーラを出して「あれ?こいつこんな奴だったかな」と思うだけの変化が露骨に現れる。
(わかりやすい、有名な人のビフォーアフターを↓に貼ってみた。写真でこれだけ違うものが、現実ならどれほど違うか想像できるだろうか。)
そしてそいつの役目が終わった時に、運良く生きてれば時代はちょっとだけ退職金にあたるおみやげを残してくれる。
その一個でお腹いっぱいという割り切りを荷物の最後に潜ませろ。
今回ピックアップした津本陽の雑賀六字の城(↓)で、時代に選ばれかけた太郎丸は信長の苛烈な責めにもの言わぬ死体になってしまった。
死体には死体の美学という覚悟は欠かせない。
沸いてくるクソコメ、踊るクソリプ。年単位でつきまとうネットストーカー。
日本有数のネトウヨ・キチガイ・ネットトロルウォッチャーです。
主に経済・哲学・ライフハックを扱います。
コメント欄は日本有数の保守(ホモ)、ネトウヨ、ネットトロル博物館となっております。
義務教育で学び損なったらどこまで悲惨な人間に育つか?
子育て世代の貴重な見本がコメント欄に大量に所蔵されています。
最近、お忙しいようですね。
更新が待ち遠しかったです。(´・c_・`)
お金を払わずに見させて頂いている身分ですが、1日でも空くと本当にがっかりしちゃいます。(´;ω;`)
@名無し さん
9月くらいまでこのまままばらな更新になります、すいません^^;
できたら週2,3回、無理でも週1は更新します。
>できたら週2,3回、無理でも週1は更新します。
返信有難うございます。
週一ってのは子供の頃のマンガやアニメの次週を待ってる感覚を思い出しましたよ\(^o^)/
グンダリさんのベースで為になる記事を配信してください。
待ってます。(´・c_・`)
武士道と云うは死ぬ事と見付けたりってこれはちょっと違うか