中国人民銀が予想外の利下げ
[北京 21日 ロイター] – 中国人民銀行(中央銀行)は21日、予想外の利下げを発表した。景気減速兆候が強まる中、てこ入れで経済を支援する。
主要政策金利の引き下げは約2年ぶり。借り入れコストを押し下げ、減速する経済を支援する。
1年物貸出金利は40ベーシスポイント(bp)引き下げ、5.6%、1年物預金金利は25bp引き下げ、2.75%とし、22日から実施する。
人民銀は、「資金調達の難しさ、高水準な資金調達コストは引き続き実体経済における問題として際立っている」と指摘。
また、金利の自由化を進めるとして、預金金利の上限を基準金利の1.1倍から1.2倍に引き上げる方針を示し、預金者に配慮した。
リーマン・ショック後の2008─2010年にかけ、中国政府が景気刺激策を打ち出すなか、各企業とも多額の借り入れを行ったが、昨今の景気減速のあおりで、多くの企業が債務の返済に腐心しており、今回の利下げはそうした企業の救いの手になるとみられている。
中国の利下げの背景が、産油国の不景気の到来の前兆で、燃料価格の下落や金の下落と連動したものの可能性が高い。
単純に言えば、バブルが崩壊してもう一回国際的な投機資金の再編が起きる中で、中国の国土投資資金にそれを呼び込んでやろうという背景があるんじゃないだろうか。
つまり利下げなどの緩和措置は今後も継続するだろうし、それでバブルを生成するつもりなのは預金金利の上昇促進措置に現れている。
背景にはウクライナ問題から始まったロシアへの制裁措置もあるんだろう。
総額でおよそ10兆円くらいの投機資金が制裁を契機にロシアに回帰していった現在、ブースターでその10兆円を呼び込んで、今後ドバイやBRICSのRC以外の国からリプレイスされる金を落としてもらう呼び込みの一つの方策だろう。
10兆円で市場を一気に潤して、利益の部分はそれ以外の国からの資金で食い込んでいくのであれば、誠に合理的な話になる。
確実な線として、今から原油価格の下落にともなってドバイなどのバブルはまた崩壊する。
その余波でEUの市場も確実に冷え込んでいくわけで、利益が見込める市場を作る(つまり金利が安かったり将来見通しが明るかったり)事に成功すればその金をそっくりそのまま取り込めるってことだ。
資金繰り不況が起き始めた場合、問題の焦点は大筋で貸出基準そのものに絞り込まれるわけで、金の総量が増加して、それに対して貸出金利が発生している状況であれば、嫌でも貸出基準は緩和される。
日本の場合その状況の再現に苦心しているのは、基本的には金を借りても金利が限りなく0に近いという状況が邪魔をしているわけで、ある程度金利が発生している新興国や景気のいい国の場合はどうしても市中に出回る方向性になる。
今のところ、世界的に経済がいまいち振るわない(つまり商品価格の値上げにみんなが失敗している)大きな原因の一つに、中国の鉄鋼ダンピング輸出がある。
製鉄がいろんな国で産業の根幹に鎮座しているわけだけど、およそ8億トンに近い圧倒的な中国の鉄鋼生産量と競争することで厳しい経営を強いられている。
あの住友金属が新日鉄と合併したことで示されるように、ボリュームの確保が命の業界にあって決定的な差をつけられている。
その根幹の部分が打開策の見えない価格競争で勝負している最中、その下流の商売もどうしても影響を受けてしまうわけだ。
つまり投機資金を中国に呼び込みたければ、金利を下げて鉄鋼を格安で売りまくれば、勝手に他国は不景気になって貸出金利と将来性の値鞘が見込める中国市場に自分から移動してくる。
どうも無謀としか思えない中国の鉄鋼生産量や、困ったときに他人の金で問題を解決している都合の良い手品のタネは、両者の組み合わせにあるのではないかという気がしてならない。
鉄鋼商品の価格は、この見通しに基づいて予想すれば来年も引き続いて下がるんだろう。
モノヅクリのリスクの高さが嫌でも想像されるニュースだ。
昔鉄鋼の王者だった日本の生産量の7倍も作ってるわけで。
無茶苦茶としか言いようがない生産量なんだけど、
減産を強制せずにそれを保護してるという事に目的が透けて見える気がするんだよ。
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中国の13年鋼材輸出、過去2番目の6234万トン
中国税関総署が発表した貿易統計によると、2013年暦年の鋼材輸出は前年比11・9%増の6234万トンだった。
鋼材輸出の6千万トン超えは過去 最高だった07年の6255万トン以来、6年ぶり。
13年はこれに次ぐ過去2番目を記録した形だが、13年は07年と比べ輸出増の要因や品種構成、海外市 場の環境が異なっており「当時以上にインパクトは大きい」(高炉メーカー輸出担当)と指摘される。
中国では07年6月に熱延コイルや厚板などの輸出に対する増値税還付を撤廃・縮小したほか、08年1月からは狭幅ホットなどの輸出税を引き上げた。
07年は税制面で有利なうちに中国ミルが輸出する「駆け込み」で急増した特殊要因があった。13年の輸出増は過剰生産で増えた側面が大きい。
[東京/シンガポール 29日 ロイター] – 中国は、このところ税優遇措置を受けられるボロン添加鋼の輸出を急激に増やしている。中国から安価な鋼材が大量に流入しているアジア諸国は強く反発しており、貿易摩擦につながりかねない様相を呈している。
輸出が急増しているのは、農機具や鉱業向けに鋼材の硬度を高めるボロンを添加した製品。中国政府は付加価値の高い鋼材の輸出を促進しようとしており、ボロン添加鋼は輸出時の関税が低く設定されている。
しかし、インドなどの製鋼所は、税優遇を受ける目的のために最低限のボロンが添加されている、と批判。自国政府に対策を求めている。
コンサルタント会社MEPSのアナリスト、ジェレミー・プラット氏は「抜け穴だ。アジア諸国が不満を持つのも当然」と述べた。
中国の製鋼所は、鉄鋼1トンにつき0.0008%のボロンを添加すれば、添加にかかる費用の5倍の輸出税還付を受けることができる。
微量のボロンを添加しても質に大きな変化はないが、ボロン添加鋼は特殊鋼、または合金鋼と分類されることになる。リベートの分だけ価格を下げられるため、安価に輸出することが可能になるというわけだ。
中国の鉄鋼輸出は先月、過去最高を記録。今年上期のボロン合金鋼の輸出は1158万トンで、鉄鋼輸出全体の30%近くに達している。
大分前から中国鉄鋼の動向がかなり重要なファクターになっていた国際経済、鉄こそ国家なりは今でも通用するロジック
サマリー
◆2012年の中国経済は、リーマン・ショック後の4兆元の景気対策の後始末を続けながら、景気を底打ち・反転させるという難題に取り組んだ1年であった。このため、今回は投資全体を刺激するのではなく、農業、インフラ、保障性住宅、戦略的新興産業など、「民生改善」か「産業構造の高度化」を推進できる投資に限定した上積みが行われた。
◆中国の景気は2012年7月~9月の7.4%成長を底に緩やかに回復していこう。2013年は8.3%程度の実質成長を想定している。今後の景気回復が緩やかなものになるのは、中国政府が投資を急増させるリスクを強く認識しているためである。このため、2013年も2012年と同様に、インフラや保障性住宅などへの投資増加を確保しつつも全体を大きく伸ばすことは回避されるとみている。
◆大和総研では、2013年秋口までの実質消費の堅調を想定している。その後は、物価上昇圧力の高まりと、省エネ製品に対する補助金政策の一巡が、実質消費の伸びを若干抑制しよう。
◆輸出先の主要先進国・地域の景況はなかなか改善してこない。2013年の輸出の伸びは最大でも10%程度と想定している。中国の景気が内需主導の緩やかな回復を遂げること、資源・エネルギー価格が上昇する可能性があることを勘案すると、輸入の伸びは輸出を上回ろう。
【北京】中国の記録的な生産と需要の減少を背景に、同国の鉄鋼輸出は急増しており、米国との貿易摩擦再開の下地となり得る基調が再燃している。
伝統的に米中二カ国が神経質になりやすい分野である鉄鋼貿易関係は、米国が中国製油井管の増加を食い止めるために懲罰的な関税を適用した2009年11月に大きく悪化した。
中国の鉄鋼輸出はここ数カ月間で再び増加し始めており、米国との緊張関係が強まっている。中国海関総署(通関当局)の資料によると、先月は輸出が523万トンに達し、10年6月以来の水準に増加した。
「鉄鋼メーカーは本国の値下がり圧力を低減させるため、輸出市場を『供給の安全バルブ』として活用しようとして輸出価格を引き下げ続けるなか、欧米は徐々に、中国の過剰生産のリスクにさらされている」とシカゴを拠点とするスチール・マーケット・インテリジェンスは12日に述べた。
世界の需要は夏に減速するため、中国の方法は世界の価格にさらに圧力を与えるとの見通しを示した。
中国海関総署の資料によると、先月の鉄鋼製品の純輸出も2年ぶりの高水準に達した。
輸出が10年の4900万ドルから11年には8170万ドルに急増したことを受け、米国際貿易委員会(ITC)は5月30日、中国から輸入された高圧鋼製シリンダーに対する報復的関税を支持することを決定した。米商務省は、これらのシリンダーに対して最大31.21%の反ダンピング関税を適用する計画を発表した。さらに5月には、中国は世界貿易機関(WTO)において、鉄鋼製品などの22品目に対する米国の相殺関税措置に異議を申し立てた。
中国のアナリストは、鉄鋼輸出が二国間の貿易関係悪化につながる可能性を重要視せず、一時的な増加の背景にはドル高があるとの見方を示した。
蘭格鋼鉄のアナリスト、ル・フアイン氏は、「軟調な国内市場が輸出急増の主な要因だ。米ドル高を背景に、輸出は短期的に増えたかもしれないが、これは長続きしない見通しだ」と述べた。
ドルは5月にユーロに対し6%以上上昇したが、それ以降は小幅下落してきた。
蘭格鋼鉄の資料によると、世界の鉄鋼価格は5月に約1.9%下落する一方、中国の鉄鋼価格は同月にさらに大きく下落し4%の下落となった。
粗鋼生産は4月に記録的水準に達した後、5月はほんのわずかに減少するなか、今年は内需と価格が下落したにもかかわらず、鉄鋼メーカーは増産してきた。
主要企業の中国鉄鋼大手の宝山鋼鉄(600019.SH)は11日、他の主要鉄鋼メーカーが6月に1トン当たり80〜200元程度の値下げに踏み切ったことを受け、7月に今年初の値下げを実施すると明らかにした。
via: 中国鉄鋼輸出が急増、米国との貿易摩擦が再び高まる/ WSJ日本版 – jp.WSJ.com – Wsj.com
沸いてくるクソコメ、踊るクソリプ。年単位でつきまとうネットストーカー。
日本有数のネトウヨ・キチガイ・ネットトロルウォッチャーです。
主に経済・哲学・ライフハックを扱います。
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義務教育で学び損なったらどこまで悲惨な人間に育つか?
子育て世代の貴重な見本がコメント欄に大量に所蔵されています。
供給過剰で安売りの鉄鋼に投資より、
不動産に回帰してハードランディングの危険性が増大するのがオチだと思うけどね。
アベノミクスの理想と現実を、わかりやすい図にまとめた画像
http://matome.naver.jp/odai/2141641832255162901
なるほど・・・。一番上のグラスを下のグラスが支えきれなくなると崩壊するわけですね・・・。