闇サイト殺人の首謀者　堀慶末に死刑判決　馬氷一男さん夫婦殺害事件で　サブカル・闇金文化の象徴的事件に終止符

 

　闇サイト事件は２００７年に発生。堀被告は磯谷さんの娘利恵さん＝同（３１）＝を拉致、殺害した１人で、一審で死刑となったが、二審判決の無期懲役が確定した。磯谷さんは「裁判員には被告の人間性を考慮してほしい。（無期懲役は）被害者が１人という先例に従った量刑だった」と話し、「死刑を」と訴えた。
　堀被告はこの日の罪状認否で、馬氷さんへの殺意を否定し、妻の殺害については「一切関与していない」と主張した。
　馬氷さんの次男貴成さんも初公判を傍聴。代理人弁護士を通じ、「被告の１人を見て、事件の詳しい内容を知り、自分で考えていたより精神的に動揺した。真実が明らかになることを望んでいます」とコメントした。

via: 時事ドットコム：「堀被告、何も変わってない」＝闇サイト事件被害者の母－夫婦殺害初公判

 

闇サイト殺人の首謀者に死刑判決と言うんだけど、判決を受けた事件はそれよりうんと前に実行してたパチンコ店長夫婦の強盗殺害だった。

パチンコ店長の車を会社が支給した上で県外の遠方のナンバーを付けさせることが多いのは、この手の連中からのお守りをヤクザに依頼していて、わかりやすいように目立つナンバーをつけるためだった。

 

知り合いのパチンコの大規模チェーンでもそんな感じで社用車を運用していて、暴対法が厳格化されるまではとある広域暴力団が面倒を見ていた。

近くに住んでる構成員が気を配って家の近くを散歩していたり、当たり屋に凄まれてるところにフロント企業のトラックドライバーが駆けつけて当たり屋を半殺しにしたりとそんな感じでね。

（今は入れ違いに警察の外郭団体とOBが入っている。）

 

この事件の堀受刑者は、そういう意味では暴対法強化の副作用で発生した病原菌みたいな男で、ちょうど1997年に圧倒的に厳格化した暴対法の煽りで青少年がギャング化した時期の象徴みたいな事件の犯罪者といえる。

 

この頃を境にして闇金が台頭して、2000年初頭に歌舞伎町のキャバクラで一本300万もするドンペリをガキがジャカスカ飲んで、風俗経営の為にヤクザに身柄を提供して店を何軒かやらせてもらってるような半グレが目につくようになった。

一般でもヤクザに反撃するワルガキが増え始めた時代だった。

つまりこいつは時代そのもので、当時のサブカル漫画の大作、殺し屋イチの方面に先鋭化した一匹狼の犯罪者だ。

 

こいつが闇サイト殺人を起こして逮捕される2007年に改正貸金業法が施行されて、闇金でバブったガキどもが消えていくと同時にこいつは13階段を上がることが決定的になっていた。

（改正のきっかけは、医療費に追い詰められたお年寄り一家を闇金のガキが死ぬまで追い込んで、一家で電車に飛び込んだ事件だった。）

 

パチンコ屋店長夫婦殺害は、暴力団が弱体化して主要なお守り先を守れなくなった時代を象徴していたし、ネットの一般化とともに外国人や地縁のない食い詰め者がこうして集まって事件を起こすようになり、時代遅れの暴力団は外国人とネットの台頭で滅多打ちにされていたことも意味している。

（今ではみかじめを払ってる店舗で、酒癖の悪いのが大暴れしているから来てくれと電話しても、当番が警察に電話してくれの一点張りの時代になった。）

1998年にはいくらか改善されていたものの、1995年からそこまでの3年間は覚せい剤や拳銃まで何でもネットで手に入った時代だったし、アングラ世界で犯罪を生業にしている中国人にコンタクトすることも難しくない時代だった。

 

当時のこういう↓感じのレトロなのが多かったヤクザ界が対応しきれてなかったのも仕方ない。

 

今だとこんなの漫画の中だけだろと思うかもしれないけど手裏剣とマスクをこの挿絵から排除したらほんとにこんな奴らが居た時代があって、堀らが台頭してきたのはそれが消えていく時代だった。

（今でもこの手のヤクザは和歌山とかなら居るんじゃないだろうか。あとはど田舎の地廻りでも珍しく無い。流石にダンビラ持って移動してる奴は見かけないけど。）

 

こういう連中に「ネットで仲間を募って襲撃してきた強盗がいる」といってもまずインターネットってなんですねんとなるし、外国人犯罪者と意思の疎通をするのが無理だろう。

Kill Youとか言われても、革ジャケットのじゃがいも頭が『親分、なんかケロヨンいうてまっせこいつ』とか言うのが関の山だったわけ。

 

関東連合ですら崩壊した時代に、組織だって生き残っているギャングはもうあまりないんだろうけど、堀のような奴はますます巧妙に潜伏して、もっと巧妙に犯罪で稼ぐ時代になったことを意味しているのかもしれない。

ただパソコンやスマホをいじっていても気づかないけど、インターネットからアクセスすることが出来ないネットワークの中はまるで90年代を髣髴とさせるようなアングラ臭を放っている。

 

 

 

その少し前までこういう連中は、ヤクザ経営のアダルトショップで裏ビデオ売ってたのよ。
それがノーリスクで独立できる時代になったらどうなるかを表していた。
ヤクザ組織が馬鹿を取り込むのは、ある意味危険人物にナンバータグを打ち込むのと同じ効果があったってことだったのね。

 

 

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1998年に愛知県碧南市のパチンコ店店長、馬氷一男さん＝当時（45）＝夫婦が自宅で殺害された事件などで、強盗殺人罪などに問われた無職堀慶末被告（40）の裁判員裁判の判決が15日、名古屋地裁であった。
　景山太郎裁判長は「強盗のため冷徹に殺害を繰り返し、生命軽視の態度は甚だしい」と述べ、求刑通り死刑を言い渡した。弁護側は控訴する方針。
　堀被告は2007年に女性会社員を拉致、殺害した「闇サイト殺人事件」で、既に無期懲役が確定している。夫婦殺害などの事件が先に起きたこともあり、検察側は今回の裁判で闇サイト事件に言及しておらず、量刑判断が注目されていた。
　景山裁判長は判決で、夫婦殺害事件について「堀被告が男2人を誘い入れ、強盗計画を主導した」と指摘。弁護側が共謀を否定した妻里美さん＝同（36）＝殺害については、「現場にいなかったが、殺害後に実行役をとがめるなどしておらず、事前に了解していた」と判断した。
　馬氷さんの殺害も「堀被告がビニールひもで首を絞めた」と認定。「暴れるのを押さえようとした。殺意はなかった」との弁護側主張を退けた。
　その上で、「子供らを案じながら突然人生を断たれた恐怖や絶望は察するに余りある。不合理な弁解をして、反省は深まっていない」と非難した。量刑の理由で、闇サイト事件には言及しなかった。
　判決によると、堀被告は98年6月、パチンコ店から現金を強奪しようと考えて、男2人と馬氷さん宅に侵入。夫婦を絞殺して約6万円や鍵束を奪った。06年7月には名古屋市守山区の住宅で女性（78）の首を絞め、約2万5000円などを強奪したとされる。
　小暮輝信・名古屋地検次席検事の話　事実認定、量刑のいずれも、事案の本質に鑑みて適切な判断をいただいた。

via: 夫婦殺害、堀被告に死刑＝闇サイト殺人の無期囚―「生命を軽視」・名古屋地裁 （時事通信） – Yahoo!ニュース