トリクルダウンは起きてます、はい。
先日発表されたOECDの報告がトリクルダウンを否定し、所得格差が経済成長を損なっていると指摘しています。今後の各国の経済政策にも影響を与えることにもなりそうです。
かつて「一億総中流」と言われた日本は、いつの間にかアメリカ合衆国などの先進国と同様に格差社会であると言われるようになり、しかも単なる格差のみならず、格差を理由とした貧困が大きな問題になってきました。ネットカフェ難民やホームレス、非正規雇用の問題に始まり、教育や介護、将来設計に至るまで、格差と貧困が暗い影を落としています。最近では子どもの貧困が6人に1人という衝撃的な報告もあり、ホームレス化する子供の問題も取り上げられています。
via: OECD「トリクルダウンは起こらなかったし、所得格差は経済成長を損なう」という衝撃の報告について | BUZZAP!(バザップ!)
トリクルダウンは起きない・起きてないというのを最近盛んに言う奴が増えてるけど、基本的に経済的な何かしらの大規模な政策をやって結果が何も起こらないなんてことはありえない。
トリクルダウンは現実的に起きている。
殆どの人はそれに気づけてないってだけで。
基本的にトリクルダウンというのを何か勘違いしてるらしいけど、トリクルダウンという富の再分配を誰が受け取れるかというのを認識し直すしかない。
トリクルダウンで富を受け取れるのは、基本的には新興国の国民と先進国の一部の有能な人、既得権益や資本を持っている人、この三者。
いまどき先進国に住んでることはもう既得利権とはいえない。だから日本人という以外になんのとりえもない人はトリクルダウンの網から外れているってだけ。
韓国のロッテグループが急増する訪日外国人観光客マーケットの獲得に乗り出した。傘下のロッテ免税店(本社・ソウル)が関西空港に韓国企業初の大型免税店を今秋オープンさせたのに続き、2015年度下期には東京・銀座に都内最大の「空港型免税店」を開業する。外国人が日本で買い物に使うお金は年々増え、14年は前年比約1.5倍の7000億円規模になる見通し。
via: 免税市場に韓国ロッテの脅威 狙いは中国人観光客…戦略問われる日本勢 (1/7) – ITmedia エグゼクティブ
よく考えて欲しいんだけど、アベノミクスで空前の利益を計上している人材派遣会社とか、土建屋。
一方でこれといってなんの特徴もない豆腐屋とか町工場は、アベノミクスで儲かったりしてないでしょ?
つまり「普通の国民」、無能な人々はなんの利益も得ていない。一方で仕事と発展の光に当てられた後進国だった国々の人が日本にやってきて、温泉旅館で女体盛りに挑戦したり、日本女を抱こうとして風俗に行ったりして旅を満喫している。
これがトリクルダウン。
麻生副総理や安部総理だって言っていたし、竹中も言っていた。
「優秀な人をけなして足を引っ張ってはいけない。あなた達には貧しくなる自由がある」
「企業だって国が政治が言ってないで自分たちで努力もしてもらわなきゃいけない」
今般の政策の大部分は、なんの特徴もない人を見捨てるということを基調にしたもので、意図してかせずか資本家と外国人がボロ儲けしただけ。
その辺の言外の部分を見抜けずに、「アベノミクスに意味なかった」って喚いてる国民の頭の悪さのほうがやばいと思う。
何しろ初めから何がダメなのか指摘してたわけで、うちのサイトみたいなのが。
自分の頭をつかう癖くらい持ってればそんなことにならなかった。
トリクルダウンというか、ホントの好景気ってどういうことかというと、”これといって特徴のない普通の人・どうでもいい会社”があまり死ぬほどの苦労を要さずに普通に儲かる状況のことだよ。
有能な奴しか儲からないのは好景気じゃない。だってほんとに有能なら不景気でもそいつは利益を出すんだから。
「無能のくせに良い待遇は幻想でござる」アルファブロガー達に引導を渡される情弱達
宮台氏「能力のないやつに給料を与え続けるのは反公共的」
今回の選挙戦では「アベノミクス検証」が中心とされ、重要な政策課題である「雇用改革」に言及されることは少ない。しかし都市部で働く人々にとっては、最大の関心事といってもいいだろう。ラジオで紹介された街の声でも、正社員はボーナスや時間外手当が出るのに、アルバイトには一銭も入らないと不満を漏らす人がいた。
この問題に対して、民主党のテレビCMのように「夢は正社員」という理想に向かうべきという論調もある。しかし投資家のやまもといちろう氏は、ボーナスや終身雇用といった正社員の恵まれた待遇は「そもそも幻想だったんでござる」と断言した。
「いつまで高度経済成長の気持ちでいるんだ、って話。これからは同じ会社に何年もいられるとは限らない、という人生設計じゃないと難しいと思います。たとえば住宅ローンを組むとか、いい加減にしろって話ですよ」
via: 城繁幸、やまもといちろう、宮台真司が「非正規格差がカワイソウなら、正社員の待遇下げろ」で一致 | ニコニコニュース
座敷芸者もとい自称情報強者のひどいところって、俺なんか始めっから何がダメかはっきり指摘してるけど、取り返しがつかない地点に来てから「ダメに決まってんじゃんm9(^Д^)」とやるところなんだよね。
↑の引用の話なんか、前々回の衆院選の時に先にしといてやれよとさすがの俺も思った。
ただ、こういう連中の言動に象徴されるように、基本的に日本型の先進国の場合は、成長産業がもう見当たらなくなって、弱いやつから絞り上げることでしか豊かな奴の富を維持することはできなくなってる。
つまり、今後共何かしら成長産業を生み出さない限りは、大多数の普通の国民はどんどん生活レベルが落ちていく一方で、資本家は海外との中継の役割や人材の配置最適化などのリストラビジネスでますます肥え太る。
月給50万の社員を解雇して、35万円で派遣会社にアウトソースして派遣会社が15万円中抜する。
ババ抜きのババを弱いやつに引かせる一方、この流れの中で強いものの位置に居る奴はみんな儲かった。
これがトリクルダウン。株価も上がるはずでしょ?
金融とかクールジャパンとか、馬鹿みたいな話を放置しといてとにかく基幹産業の育成をしなきゃいけない。
何度も株を買うなら科学技術に投資するしかないと言ってるのはそういうことで、アメリカや中国みたいな国の場合(中国は金盾でITの保護貿易に成功した)、ITという成長エンジンを抱えて、言語圏の人口を抱え込んで巨大な既得権益を握りこむことに成功した。
そうした産業から派生する富や資本のお陰でフォードの車が売れたり、ちょっと高い食い物屋が流行ったり、家が売れたりして経済が回っている。
日本の場合どうだろうか?
陳腐化で根幹からがたがたになった会社が「リストラに成功した」「工場をベトナムに移転しコストダウンに成功した」「債務を棒引きしてもらった」「年初来高値を更新した」と言っているだけ。
借金を棒引きにして預金者に尻拭いさせたあと海外に出て行って外国人に儲けさせている。
つまり、普通の国民に自分の排泄物を食わせて代金を受け取り、いち早くババ抜きのババを放り捨てて逃げ出しているのが現状で、今現在クソの食い過ぎで日本人が腹を壊したという状況。
よく考えてほしい。
アベノミクスでゼネコンと金融が儲かったと言うよね。
じゃぁそいつらは後始末を自分の金だけでやれるのか?
バブルがはじけたあとどれくらい日本人が苦しんだか思い出してから調子に乗れよ、と思うんだが。
新産業がない限り富の移転には搾取以外の方法が成立しない
昨今儲かっている会社が、政策の投資を直接受けている土建・金融、人材派遣ばかりというのに象徴されるように、新産業が出てこない限り富の移転には貧乏人からの搾取しかなくなる。
そうしないと再分配の比率ばかりが高くなって金持ちが自分の暮らしを維持できなくなるからね。
竹中平蔵が我が世の春を謳歌してる論理的なロジックもそこに秘密があるわけだ。
そしてその原理をみんなうすうす知っているから資本家に近いやつほど彼を支持しているというわけだ。
打開するのに必要なことというのは、技術改良や製品改良というのを超越して、新産業になる。
フロンティアで新しいパイを作らない限りみんなが儲かるという状況はやってこない。
例えばアメリカでIT産業が出来たとして、勃興期のいい加減な経営を卒業する頃には、ウォールストリート出身のホワイトカラーや、重厚長大産業で実績を見せてきた中間管理職が必ず必要になって、人材は移動する。
そして空いたポジションに若手が就任して競合することなくパイを分配する。
したがって、金融市場への投資なんてものはとっととやめにして、大学の研究や、海外の一流研究者への破格の待遇での引き抜きなんかを考えざるを得ない状況だ。
(民間企業でもユーグレナなんかはかなり有望だと思う。)
考えてみてほしい。
アベノミクスが成功して、トリクルダウンが起きて、年金基金が莫大な含み益を抱えてデフレを脱したと言うんだろう?
ところがデフレを脱却したインフレの状況で、「デフレ下で物価連動して年金を引き下げる法案」が出てきたり、支給開始年齢を遅らせたり、莫大な含み益を抱えているというのに利益は誰にも分配されそうにない。
こんなものつまり絵に描いた餅なわけであって、これもやっぱり無能なやつから毟るという行為の一環なんだよ。
何十兆円も含み益が出たとか言うけど、じゃぁその利益を確定させるために売ってみたらどうなるのか?
誰もその疑問に返事はできない。
(自分で買い上げて塩漬け株の平均時価が値上がりしただけなんだけどな。)
そもそもデフレに陥っているということ事態が嘘だったわけで、デフレの正体は量産効果による製品物の価格最適化に過ぎなかった。
油も小麦粉も食料品もすべて基本的には値上がりしていて、タバコは1980年から今までに4倍近い値上がりを示した。
トリクルダウンは起きている。
この事実を前提にして、どういう政策を誰に求めていくかを考えるのが「これといった特徴のない人々」の生存策で、そこをまじめに考えない限り永久に救いの手をつかむことは出来ないんだろう。
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