最初からマザーズ上場を指示しなかった東証の落ち度目立つ
2014年12月18日に東証1部へ上場したゲーム開発会社gumiの株価が、値崩れを起こしている。上場してわずか2カ月半後に、15年4月期業績見通しの営業損益を13億円の黒字から4億円の赤字へ大幅下方修正したため、売り注文が殺到。3月6日、9日に2日連続してストップ安(500円安、2日で合計1000円安)。この暴落を交えて、その後も株価は下落し続けた。
gumiは同期決算が上場初年度の決算になる。当初予想は連結売上高309億7200万円、経常利益12億7700万円だったが、それが今年3月5日になって突如、大幅下方修正し、売上高は265億円、経常損益は6億円の赤字(前期は1億6800万円の赤字)とした。ゲームの課金収入が海外で伸びていないというのが理由だ。
上場ゴール、IPO詐欺、お粗末上場と袋叩きのゲームメーカー、gumi。
こうした問題が指摘される中で、まずはじめに注目しなければいけないのは報道の姿勢と東証のコメントだろう。
それは切り抜き報道とか切り抜きコメントとでも言うべきもので、gumiがどうしたという以前に監督すべき人々が適切な監督をしてなかったってことだ。
gumi単体に限っても、もともと上場時の目論見書を読んだらヒットタイトル一本に依存している経営環境は明らかだったわけで、業績が流行り廃りで乱高下することは一見して分かる内容だったはずだ。
そのgumiの上場を期待でもてはやしたのは誰だったのか?
多くの株式投資をする人々にとって、老若男女の別もなくこうしたゲームは無縁のものであり、そうした殆どの人々は報道を手がかりに内容を推察して期待買いしたはず。
定見を持って報道していたらここまでアホらしい手のひら返しなんて起きなかっただろう。
そして、その不安定な経営基盤の企業の、東証一部直接上場を承認したのは他でもない東証じゃないのか?
東証の審査基準や考え方に大きな問題があると言わざるをえない。
誰が見たってgumiが名誉欲にかられて東証一部を狙っても、「まずはマザーズからお願いします」と断るべきだったし、gumiがマザーズを狙わない今現在の自分たちのあり方だって問題だったはずだ。
新興企業のためにマザーズ市場があるのに、なぜ将来性がありそうな新興企業がマザーズを狙わなくなったのか。
それは金や投資家の呼び込みに東証が失敗した事実を明白に示しているし、そうした企業が上場しなくなることで、「新興企業のための」市場は中期的にはレームダックになっていくだろう。
そしてそれは東証が謳う企業経営の活性化というお題目を死に体にするものであって、gumiにマザーズを斡旋しなかったことは二重三重の落ち度と言われても仕方がない。
そして、gumiという、いわば脳みそが若すぎる人々の周囲は、東証やマスコミにかぎらず程度が低かったからこうなったのではないのか。
資本的利害関係者間の売上は除外すればいいのでは?
東証の審査基準で一番まずいと思うのは、会計の仕組み上しょうがないことなのだけど、資本的な利害関係者の売上の比率がどれだけ高くても除外勧告出来ない部分にある。
上場ゴールの生みの親はまさにこれで、自分が大量に株を保有している会社に、上場させて儲けようと思ったら売上をどんどん発生させれば良い仕組みになっていく。
gumiだって大株主のgreeとの取引高は多分相当あっただろう。
そして上場して株を売り抜けるか、一回利益を計上したら用なしになったんじゃないか。
こんなこと珍しいことでもなんでもなく、太古の昔から日本の株式市場では日常茶飯事だった。
インチキそのものの無意味な親子上場だってそこら中にある。
この部分は有価証券報告書の枠組みで、「資本的利害関係者取引高」とか項目を一行増やして、株を持ってない取引先の売上高がどれくらいあるのか可視化すればリスク要因として株主は自力で判断できるようになる。
東証は発行体にグチャグチャ文句言う位なら、監査法人や金融監督庁とミーティングを開いてその辺の枠組みを整備すればいいだけの話だ。
投資家の保護という東証の重要業務とはそうした行為を通じてしか達成できないのであって、守る気があれば愚痴みたいな記者会見なんか今すぐやめにすることだ。
いったい今まで何回同じ手口で騙されてきたんだろうか。
アルファベット三文字の世界的大手IT企業が株主の会社では日常茶飯事だったし、こうしたグループ的売上計上で高騰した株価が一夜にして奈落の底とかあるある大辞典だった。
商社系だって相当派手に粉飾に加担してボロ儲けしてきたじゃないか。
それをいくどもいくども反復して経験して、根絶できてないのはgumiの問題じゃなくて東証の問題だ。
発行体にとって上場は一度しか経験しない通過地点だけど、東証は年に何十回も経験する日常業務なのであって、枠組みを整備するのは東証の責務なんだから。
gumiのような会社の、会計的にすれてない人に出資を持ちかけて、仕事を出す。
太るだけ太ったら、高値で株を売り払ってはいさようなら。
上場ゴールだったのは、gumiの社長にとってではなく未公開時代にエクイティーを引き受けた、一部の悪知恵の長けた大人にとってだった。
その頃経営にハンズ・オンしていたはずのジャフコに代表されるVCは何をやってたんだろうか?
あんたらだってそういう連中の存在は嫌になるほど知ってるだろ。
え?上場するのに彼らの売上が必要不可欠だった?
・・・・そりゃ失礼しました。。
そもそもgumiはこの下方修正で「打ち止め」なのか?
そもそも上場してすぐに事業環境が変化して苦境に陥る、あるいは掲げていた夢が叶わなくなって苦境に陥るという企業なんてそんなに珍しいのか。
まるでgumiという極悪人や詐欺師が上場してきて、皆がgumiの狡猾さに騙されて、天地にはヒビが入りこの世の終わりになったみたいに騒いでるけど、gumiは終わったのかと。
ガンホー、DeNA、ライブドア、mixi、今までどれだけの企業がこの世の終わりみたいに騒がれた後巨大化していったんだろうか。
どの企業も苦境に陥ったり、業績予想が変化する度に倒産リスクだのを槍玉に挙げられてコケにされ続けてきた。
でも今や経済界でも出色の出来人と言われるようになった南波女史は空前絶後の利益を上げてモバゲーを巨大化させた。
ライブドアだって検察によって叩き潰されるまでに、間口三間のホームページ制作業者はコングロマリット形成まで一歩手前、虚像が実像になる直前まで巨大化した。
彼らの何が問題だったんだろうか。
それぞれの一時的な場面で廊下すずめが騒ぐ一方で、経営陣にしか見えていなかった未来は一歩ずつ確実なものに近づいていた。
首尾一貫して問題だったのは、会社を食ってしまう勢いで小ずるく立ちまわった大株主たちだったし、それでもめげずに未来を追いかける経営者をフィーチャー出来なかった廊下すずめだった。
ピーチクパーチク騒ぎまくって、騒動に乗って株を手放した人は大損した。
実は詐欺師呼ばわりされた経営者より、東証と報道陣のほうが間抜けで悪質だったんじゃないだろうか。
つまり、彼らが掲げる夢の現実性を吟味できずに詐欺師呼ばわりしたマスコミか、あるいは現実離れしてるようにみえる夢が問題だったのだろうし、小ずるく立ちまわる大人の排除に今まで失敗し続けている東証が問題だったんだろう。
そして駄菓子屋みたいな連中の猿知恵に踊らされて、損した損したわめき続けている投資家が馬鹿なのだ。
あんたらが儲かった時に誰かに得させてるのか?
どうせ黙って外車でも買うのが関の山なんだろう?
知るかよ、お前の損なんか。
上場ゴールは悪ではない
周辺環境を上述までで俯瞰した限り、上場ゴールの生みの親は、取引先兼株主の「ズルい大人」だったことが理解できたのではないかと思う。
そして問題と言ったって、企業をどの時点で見るのかというセンシティビティーにすぎないってことも理解できたはずだ。
未来なんてものは、当事者も含めて誰にも見通せないものなのであって、犯罪でもない限り騒ぎ立てる意味なんかないってことも薄々理解できただろう。
第一、常識で考えて欲しい。
上場ゴールが悪と言ったって、gumiの社長みたいな若い衆に、数億円以上の金の話の耐性があるはずもなく、殆ど100%の人間はその金のために必死になるに決まってるだろ。
一回上場してその金を得て、その次のステップを目論むようになるまで待たなきゃいけないのは宿命と言ってもいいだろう。
一回もそういう金を掴んだことないのに、いきなり数兆円とか喚かれても何の説得力もないし、方法論だって具体的とはいえないはずだ。
上場ゴールはそういう意味では通過儀礼とも言えるべきもので、狂騒といえる企業経営の一つの折り返し地点にすぎない。
ある一つの点で経営者も株主も同じ夢を見ている。
「金がほしい」という誰しもが見る夢だ。
それを見るなというのは、経営者に上場するなと言ってるのと同じことで、上場ゴールをまるで悪みたいに喚いている風潮はおかしいと思う。
あくまで上場は中間ゴールであって、「上場ゴールだろう」と問われた時に、本音を言えば99%の人は「そんなの当たり前でしょ」としか返答のしようがないだろう。
中間ゴールまでこぎつけて始めて、そこから先のゴールと道筋が具体的になってくるし、中間ゴール抜きで最後まで走り抜けというなら、99%の人は「だったらお前がやれよ」というのだろう。
投資家だって慈善で投資をしているのではないし、上場企業の経営者も慈善目的で上場をしているわけじゃない。
金がほしいから投資をしているし、同じように金が欲しいから上場する。
まるで数億円狙いのけちな詐欺師と言わんばかりの世間の風潮は、金をあまりにも舐めていると思う。
お前は数億円が小銭といえるほどの金をホントに持っているのか?
誰だって数億円稼ぐために必死になるし、その部分で地に足がついてない奴は経営なんかとても無理だ。
そういうルーキーのために荒々しさを伴った相場が予想されるマザーズ市場は創設されたのだし、そういうところに金を呼び込んで世界的企業を輩出する役目を東証は負っている。
なのに中間ゴールを通り過ぎた後の人の次のステップである東証一部に、中間省略で東証は上場を承認した。
上場ゴールという人間として自然な目論見を否定することで、東証もマスコミも本質的な役割を放棄している。
一番の問題はgumiが上場しなかったマザーズ市場にあるということを忘れ去って。
そしてマザーズに上場したい企業は激減して、出来高は地を這う有り様になった。
gumiは同期決算が上場初年度の決算になる。当初予想は連結売上高309億7200万円、経常利益12億7700万円だったが、それが今年3月5日になって突如、大幅下方修正し、売上高は265億円、経常損益は6億円の赤字(前期は1億6800万円の赤字)とした。
下方修正発表の翌日、gumiは1月30日に30億円を無担保で借り入れしていたことを公表した。運転資金に充当するためだったとしているが、借り入れから1カ月以上たってその事実を明らかにしたわけだ。これに対し市場関係者からは「運転資金を急遽借り入れたことが1月末に公表されていれば、投資家らは同社株式を売ることで損失を免れた可能性もある。運転資金を借り入れたという事実からは、年明けからの業績悪化を予想していたとも受け止められる」など批判の声が上がっている。
その後も、gumiの韓国子会社で「役員が数十億ウォン(数億円)を横領した可能性がある」と韓国メディアが3月19日に報道。gumiは「役員ではなく、従業員が数千万円を横領した疑いが強まった」と公表し、管理体制の甘さや内部の混乱ぶりが露呈した。これが投資家の嫌気を買い、20日、同社株価は49円安の1290円まで下落し、前日19日につけた上場来安値1282円に接近した。
このほかにも、株価暴落の過程で一部の経営幹部が持ち株を売っていた事実も発覚。3月27日には100人の希望退職者募集が行われることが発表されるなどして、gumiに対する批判と不信が広まっている。
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義務教育で学び損なったらどこまで悲惨な人間に育つか?
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企業を起こして育てて売ってドロップアウトして人生満喫というのもある意味夢があってアリだと思います
何となくアメリカンドリーム的な感じすらします
NHKの受信料訴訟が最高裁までいったら記事見てみたいですとても気になってます