佐世保事件 徳勝もなみの医療少年院送致決定 特別プログラムで重篤症状への対処法解明に一歩


家庭や周囲が「ギブアップ」出来る環境整備を

 

長崎県佐世保市の高1同級生殺害事件で、殺人と死体損壊、窃盗、父親への殺人未遂の非行内容で家裁送致された少女(16)に対し、長崎家裁(平井健一郎裁判長)は13日、医療少年院(第3種少年院)送致とする保護処分の決定を出した。

 家裁の審判は計4回ですべて非公開だった。少女が当時16歳になる数日前だったことを踏まえ、更生を主体とした少年院送致などの保護処分か、刑事処分相当として検察官送致(逆送)するか、判断が注目された。

via: <佐世保・高1殺害>少女の医療少年院送致を決定…長崎家裁 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

 

「何が医療少年院送致やねん、ゴラァッ!」とネットで袋叩きのこの判決。

徳勝もなみの責任能力を認めた一方で、検察送致で刑事処分にしなかったことは、罰という側面では確かに物足りないというか、全然ダメな判決かもしれないけど、制度として今後のことを考えたら批判を恐れずによくやったほうだろうと思う。

(というか、刑務所に行くことがこういう人にとって本当に苦痛なのか?)

 

まず、徳勝もなみを刑務所に送り込んだとして、どの程度再犯を防止する可能性が見通せるか?

この視点で考えたら、かなり見通しは暗いと言わざるを得んだろう。

基本的な部分で「人殺しをする危険性のある精神疾患」を抱えてる人間を刑務所に送り込んでも、周りの受刑者も恐ろしい目に合うわ、刑務官も危ないわ、出所した後の世間も危ないわで実りがなにもないのは事実だ。

 

医療少年院送致というのは、それが結実するかはともかくとして、将来の類似事件発生に関して結構含みを持った処分だ。

 

まず、酒鬼薔薇事件以降、日本ではまずまずの頻度で、単なる粗暴事件じゃなくて「猟奇事件」というのにふさわしい少年事件がポツポツ起きるようになっている。

直近では名古屋大学のタリウム大内とか、徳勝もなみとかがそれだ。

この手の事件が女子高生コンクリ詰め殺人とかと大幅に違うのが、強姦や少年同士の縄張り争い、面白半分の不良の因縁つけの延長線上の殺人ではなくて、殺すこと自体を純粋に目的化した精神疾患に基づいた猟奇殺人だということだ。

 

個人としてその手のキチガイやクソガキを俯瞰したら、体罰で矯正した方がいいと思ってしまうけど、制度としてこういう新手の事件を俯瞰すると、考えなければいけないことは山ほどあったりする。

 

まず、タリウム大内とか、徳勝もなみを例示すると、どちらの親も行政にお手上げサインを出してどうしたらいいのか複数回警察や精神病院に相談している。

結果的には、娘が毒物を複数入手しているヤバさに気づいた大内の父親の懸念も、長崎で措置入院の可能性を模索したもなみの父親も、本意を達成することは出来ず、徳勝氏は自殺する結果になった。

 

これらに共通しているのが、最後にギブアップして自分の子供を諦めるための制度がなかったってことだ。

というか、ギブアップするための判断基準がまずなかった。

 

普通、親が自分の子供を「こいつ人殺しすんだろうな」と思って観察するはずがなく、逆に日に日に奇行が目立つようになる子供を見ても、「まだギリギリセーフだよね」「うわ、猫殺したの?でも俺もカエルとか殺したもんな」と思って必死で自分をごまかそうとするはずだ。

贔屓目バイアスがある上に、どの程度の線で引き返せなくなっているのか判断する基準が明示的に公開されてない。

つまり、「それ以上進んだら人殺しになるから病院に行かせろ」と言う基準を作る必要がある。

 

2つ目に、それを徳勝父は実感して措置入院を模索して精神科をはしごしていたけど、結局娘を家から追い出して我が身の物理的安全を図るしかないようになってしまっていた。

「こいつやばい、絶対人殺す」と確信しても、具体的事件でもない限り措置入院は簡単には成立しないし、そこに至るまでの証拠の積み重ねのステップは、親の贔屓目バイアスで踏み外している場合が多いだろう。

 

これは、精神病院を座敷牢や厄介払いの代わりに使ったり、保険点数の不正取得のために悪用した医者のせいで(路上生活者や、道端で寝てしまった酔っぱらいを誘拐して薬漬けにして死ぬまで監禁していた奴がいる)そうなってしまったわけだ。

安易に措置入院をホイホイ引き受けると、別に狂ってないただ悪いだけのガキを放り込む座敷牢化されるリスクを制度や法は予見せざるを得ない。

 

しかし、実体的にはこの手のやばいガキを家庭に任せても何の改善も計れないし、周囲に危険を撒き散らかすだけなのが目を背けることの出来ない現実なわけで、新しい制度や、危険な症状と判定できる基準を設けるのにこの措置入院判決は重要な一石になるだろう。

 

酒鬼薔薇が校門に生首を晒した時代は、キチガイのガキの偶発的事件扱いだった。

ところが現在に及ぶまでに、一定の確率で存在が予見される普遍的な事件だったことが明らかになったわけで、その危険性を抱え込んでいる家庭向けに制度は対応せざるをえないだろう。

(被害防止のためにもね。)

 

徳勝もなみにとっては、一番見られたくない脳内をフルコースで観察される、文字通り牢獄のような暮らしが待っているわけだけど、加罰感情が納得行かない人にとっても、家庭で地雷のようなキチガイを抱えている人にとっても結果的にはいい判決だったと評価できると思う。

(これが一種の「腑分け」的判決で、いずれ「解体新書」を作る材料になるのだとすれば。)

あの酒鬼薔薇でも医療少年院での暮らしは書籍では一切回顧してないわけで、それがどれだけ苦痛かというのは容易に推察できる。

 

覚えてる人の方が少ないような回数だけど、時々テレビのドキュメンタリーでこのような番組を放映している。

こういう人の少年版を抱えている家庭がどれだけの危機感と恐怖心を持っているか考えたら、制度として何か対応して欲しいというのも自然な感情だろう。

たまらんで、こんなもんと毎日顔つき合わせる暮らしは。

 

 

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個人的には医療より除霊とかエクソシズムの方面の問題な気がするけど、
国が音頭を取って祈祷師を配備するわけにもいかんもんなぁ。
”魔が差す” がタダの比喩じゃないって実感したことあったら見当つくだろ?

 

 

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 家裁の審判は計4回ですべて非公開だった。少女が当時16歳になる数日前だったことを踏まえ、更生を主体とした少年院送致などの保護処分か、刑事処分相当として検察官送致(逆送)するか、判断が注目された。

 地検は昨年8月から約5カ月間、精神鑑定で責任能力の有無を調べるための鑑定留置を実施し「刑事処分相当」の意見を付けて家裁送致した。家裁も今年2月の第1回審判後、約4カ月間、鑑定留置していた。

 非行内容は、2014年7月26日午後8時ごろ、1人暮らしをしていた佐世保市の自宅マンションで、女子生徒(当時15歳)の首をひもで絞めて殺害し、遺体の一部を刃物で切断。女子生徒が持っていた数千円を盗んだ。また、同年3月2日午前3時過ぎ、同市の実家で父親の頭をバットで殴り、殺害しようとしたとしている。

 少女の付添人弁護士によると、少女は審判で、非行内容を全て認めていたという。付添人弁護士は「特別のプログラムを組み、徹底した治療・矯正に取り組む必要がある」として医療少年院送致の保護処分を求めていた。【竹内麻子、鈴木一生】

via: <佐世保・高1殺害>少女の医療少年院送致を決定…長崎家裁 (毎日新聞) – Yahoo!ニュース

 

 ◇父「自殺するかも」

 長崎港(長崎市)から旅客船に揺られ約30分で、通称「軍艦島」(端島(はしま))にたどり着く。寒さが残る3月10日午後、中学3年の少女が1人で渡った。家族連れや団体客が多い中では珍しく、ツアー会社のスタッフはその姿を鮮明に覚えている。

 「軍艦島好きなんですか」。女性スタッフが問いかけた。「ああ」。ズボンのポケットに手を入れたまま冷めた表情。「反応は薄く、とても暗かった」

 その少女は約4カ月後、1人暮らしをしていた長崎県佐世保市のマンションで、高校1年の同級生の女子生徒(15)を殺害した疑いで逮捕される。

 船では外で景色を楽しむこともなく、トイレの陰の目立たない席に静かに座っていた。島には40年前の炭鉱閉山で廃虚となった高層集合住宅が鉄骨をあらわにし、岩山がそびえる。少女はガイドの説明に興味を示す様子もなく約1時間、荒涼とした風景を眺めた。

 島を訪れる8日前、少女はある“事件”を起こしていた。家族の知人などによると、3月2日午前4時ごろ、施錠された自宅の父親の寝室にベランダづたいに入り、父親にまたがって金属バットを振り下ろした。父親は頭などを負傷して入院したが、病院には「階段から落ちた」と説明していた。知人が見舞うと、ぼうぜんとベッドに座って真相を明かし「もう娘とは一緒に住めない」と漏らした。

 バット事件後、少女は長崎市の親族宅に預けられていたが「(親族宅を)出たい。ホテルをとってほしい」とせがんだ。軍艦島を訪れたのはこの頃だ。父親は「娘は自殺するかもしれない」と不安を募らせていたという。

via: 少女:高1同級生殺害事件1カ月/上 バット殴打事件の後 軍艦島に一人たたずむ – 毎日新聞

 

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コメント

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  • コメント (3)

    • 迦陵頻伽
    • 2015年 7月 14日

    こういう人たちって「自分が手を出せそうな相手」は見分けるんだよね。
    「自分が勝てる」と思ったらとことん行く、「こいつには勝てない」と思ったら辞める、その判断はつく。
    それが一般人にとっては気持ちに折り合いつかない部分かも。

    同じ障害持つ人でもこういう犯罪犯さない人がほとんどなのにこいつは犯した。
    生きていて意味があるんだろうか?
    人が生きるのに意味なんてないんだろうけど、これだけの害悪を存在させておいていいんだろうか?
    それこそ戦争なんて始まったら、混乱招く火種を作りそう。

    • 天野大聖
    • 2015年 7月 16日

    ここみたいに大きく名前を取り上げられて貰えて名を後世に残せるし同胞からは英雄視される
    一人殺しただけで歴史にそれが犯罪史だとしても自分を広く世間に認識させる事が出来た
    否定された人間は承認欲求が上位に来るから模倣事件を起こし正当性を担保するから悪循環

    • 迦陵頻伽
    • 2015年 7月 30日

    医療刑務所に入れたところで殺人鬼が治るのか?治せるのか? タリウムやタンク山はロボトミー手術でもやらなければ治らないでしょうに。。

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