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一票の格差はまやかし  机の上から畑や海は操作できない  本質的にバランスのとれた日本の選挙制度と二極化進む都会・田舎格差の話

  1. 経済
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日本では選出される議員1人当たりの人口(有権者数)が選挙区によって違うため、人口(有権者数)が少ない選挙区ほど有権者一人一人の投じる1票の価値は大きくなり、逆に、人口(有権者数)が多い選挙区ほど1票の価値は小さくなっているとして、憲法第14条に規定された法の下の平等に反するとして訴訟が提起されている。

最高裁判所では2倍を超えても合憲判決が出されることが多く、著しい格差のみ違憲ないしは違憲状態との判決が出されている。投票価値の不平等が一般的に合理性を欠く状態が違憲状態であり、これが合理的な期間内に是正されない場合に違憲とされる。ただし、定数配分を違憲ないし違憲状態とする判決においても、事情判決の法理によって選挙そのものは有効とされている。2009年以前は一票の格差を問題視する住民は最大格差となっている選挙区のみで一票の格差を訴訟を提起していたが、2009年以降は一票の格差を問題視する住民は最大格差となっている選挙区のみの訴訟だけではなく、各高等裁判所管内の選挙区でも一票の格差の訴訟を提起し、各高裁において違憲又は違憲状態判決の数を背景に最高裁に判断を迫るという手法を取るようになってきている。

衆議院・参議院はこれまで一票の格差を是正することに取り組んできた。しかし、選挙制度改革とも関連しており政党や議員の利害が絡む問題であり、調整は必ずしも容易ではない。人口(有権者数)が多い選挙区の選出定数を増加させたり、区割りを変更したりするなどの抜本的な対策をおこなうべきと再三言われているが、十分な調整がなされていないと指摘されている。

via: 一票の格差 – Wikipedia

日本で何故か人権派のはずの弁護士が、一票の格差問題でしょっちゅう憲法訴訟を提起している。

法曹界としては当然法への問題提起を目的にしてやってんだろうけど、この一票の格差問題がほんとに解決されたら低所得者中心の田舎の政治と経済は更に疲弊するってことがどうも想像できてないあたり、いかにもな都市間格差を感じてしまう。

 

一票の格差の問題の本質ってのは、エリア自治に関わってくるわけで、エリア単位で区切って(しかも大雑把になりつつあるとはいえ地域実情に結構則している)その単位から代議士を国会に送り込むってのは結構合理的なシステムで、都市部の人が言う一票の格差是正をやったら多分地方自治はめちゃくちゃになるだろうなと思う。

 

↓の画像を見たら本質の部分がすぐわかるんじゃないかと思うけど、田舎で一票の格差が発生したから都会の票に重みを付けます、と言われても都会の暮らしからあの環境は想像できないわけで、農作業や日常の足に使っている車の税金問題とか、重みが違ってくる。

都市部の住人からしたら自動車やバイクというのは累進制の格差を表すアイコンかもしんないけど、車が必要な人の実情を考えたら地方ではむしろ逆進性のアイコンになっている面もある。

車が必須ではない都市生活者の物流に使われている道路の維持に所得税と自動車関係の税金と二重に払ってるわけで、都市生活で供給される食料や資材、それらのロジスに使われている道路の二重の果実を受け取っているにもかかわらず、都市生活者はその税金を負担してない。

これは累進制という言葉の本質とは全く逆の状況を指し示している。(つまり奴隷から首輪と足かせの代金を徴収してるのと一緒ってこと。)

 

そういうことが起きている以上、やっぱり都市部の票の重みが反映されているといえるわけで、これ以上都市部の意見だけ政策に反映されたら地方がどうなるかというのは言うまでもない。

結局、生産現場との没交渉ぶりを反映してよりひどくなるだけじゃないかと思う。

 

それと、一票の格差の是正で見逃せないことは、国会議員が生活の比重をどこにおいてるかってことだ。

安部総理は山口県から通勤してるかといえばそうではないわけで、およそ代議士の多くは東京で生活している。

たとえ地方出身の代議士でも最低大学から東京、仕事は官公庁とか大企業とほとんど東京都民と化してるわけで、地方代議士と言っても名ばかりの人のほうが多い。

 

選挙対策で地方に帰って来てはいるものの、一月の内主たる活動拠点はどこですか、と聞かれたら俄然東京での比重のほうが重いわけで、地場で産業を経営してる人以外は実質ほぼ東京都民。

(経営者も実質兼ねちゃってる人は、資金繰りやら日常の指示やらも大変だしね。)

かと言ってしょうもない県会議員みたいなのを国政に送り込むわけにもいかず、苦肉の選択でそういう状況を甘受している。

 

そういうことも考えていくと、選挙のための妥協をやりつつ本質的には東京都民の地方代議士の数が圧倒的であって、一票の格差論については空論だと思う。

雇用の大本は東京、政策は大半東京寄り、これが日本の実像ってことだ。農業や産業の補助金について都市部の人が槍玉に挙げたりするけど、それは都市部の人が安く飲み食いできるようにしているにすぎないわけで、補助金を打ち切りにして価格を市場に任せたらどうなるか考えて見れば良い。

最低限田舎の産業を維持するための公共事業や、食料品や生活必需品の価格統制が崩れたらどうなるのか、東日本大震災以降で都市部の人もみんな経験したはずだけどな。

 

もちろん、都会には都会なりの苦労がある。

田舎から都会に出張に行った時に、電車に乗ったら田舎者の俺なんか必ず風邪を伝染される。(不特定多数と狭い空間を共有することが田舎じゃそんなにない)

東京辺りになるとはっきり言ってJRの山手線以外は駅と路線を覚えられない、ビルが多すぎてすぐ迷子になる。

しかし「都会の金が田舎に盗まれている」というのは錯覚であって、理屈として成立してないってことは忘れないでほしいと思うね。

 

 

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仕事で都会に出張行くようになって最初に驚いたのって、電車に乗る子供。
あたりまえだけど子供が電車に乗るんだよな。
夜、塾の帰りの子が電車に乗ってるのを見て、迷子かと思ったら塾の帰りだという。
笑うかもしれないけど田舎の子供は電車自分で乗れない子が多いんだよ。
(正確には乗ったことない子供ね。)

 

 

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【エルドラドスプリングス(米ミズーリ州)】この町一番のレストランはオーナーの方針でアルコールを出さない。出せば牧師をがっかりさせてしまのではないかと心配なのだ。公立の学校は、教会で聖書の勉強会がある水曜日の夕方には行事を入れないようにしている。民主党支持者はめったにおらず、いたとしても仲間は見つからない。

American politics have become increasingly divided in recent years. One reason: Rural residents are having vastly different life experiences from their big-city counterparts.

 エルドラドスプリングスは高齢者が多く、住民はほぼ全員が白人で、共和党支持者が圧倒的に多い典型的な米国の田舎町だ。食堂のコーヒーは1杯90セント(約92円)で、2杯目からはただで飲める。だが、ここから北に2時間のカンザスシティーはまるで別世界だ。スターバックスでコーヒーを飲むにはエルドラドスプリングスの2倍の金がかかる。有権者が議会に送り込むのは決まって民主党の議員だ。

 米国の都会と田舎はこれまでもさまざまな点で異なっていた。今、その差は広がり続けている。都会と田舎の格差は政治システムを分断しているにもかかわらず、過小評価されていると政治家や学者はみている。

 世論調査や消費者データ、人口動態データを分析すると、2つの異なる米国の姿が見えてくる。2つの違いは傾向だけではない。日常生活で体験すること自体が異なっている。都会の住人はスマートフォンを手放せず、外国製の自動車を買い、ファッション誌を愛読している。田舎の住人は教会に通い、銃を所有し、軍を支持している。地域の絆を大切にすることも田舎の特徴だ。

 多くの点から見て、共和党支持者が多い「赤い」地域と民主党支持者が多い「青い」地域――政府の役割についての見方も――は、田舎と都会の文化を分ける境界線に沿って線引きできる。

 民主党が米国の都市部で優位に立つ一方、共和党は地方の根強い支持に支えられて、下院で多数派を占め、大統領選で民主党と互角に戦うことができる。

 セント・アンセルム・カレッジのニューハンプシャー政治研究所のニール・レベスク所長は「米国を分けているのは『赤』か『青』か、ではない」と話す。「都会か田舎か、だ」

 エルドラドスプリングスはシダー郡最大の町で、共和党支持者が多い地域にある。2012年の大統領選では、共和党のミット・ロムニー候補がシダー郡の投票総数の72%を獲得した。

 エルドラドスプリングスを含むミズーリ州第4選挙区が連邦下院に送り込んだのは共和党のビッキー・ハーツラー議員だ。農場経営者のハーツラー氏はミズーリ州時代に同性婚に反対したことでその名を知られるようになった。 「Running God’s Way(神の示す道を行く)」というタイトルの選挙攻略本も出版している。

 民主党の牙城カンザスシティーを含む隣の第5選挙区からはエマニュエル・クリーバー氏が選出された。クリーバー議員は黒人で現在5期目を務めている。この選挙区の有権者は10人に3人がマイノリティーで、カンザスシティーがあるジャクソン郡でのロムニー氏の得票率は39%にとどまった。

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Catalin Abagiu for The Wall Street Journal

カンザスシティーでは黒人との結婚に対するネガティブな反応はほとんどないと話すサラ・スターンズさん(中央)と夫、息子

 米国は必ずしもここまではっきりと二分されていたわけではない。田舎は何十年間も民主党の支持基盤の一部だったし、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の分析では、1993年の時点でも、下院では民主党議員が田舎の有権者の半数以上を代表していた。保守派の民主党議員が田舎の選挙区から当選することも多かった。ハーツラー氏の前任のアイク・スケルトン氏もその1人だ。スケルトン氏は2010年の選挙でハーツラー氏に敗れるまで34年間、議席を守り続けた。

 この均衡が崩れ、そのうち、共和党が地方で優位に立った。2013年には下院で共和党議員が田舎の有権者の77%を代表するようになった。しかし、都市部――政府の定義では都市と郊外の両方を含む――では共和党議員は有権者の半数弱を代表するにとどまった。下院で共和党が30議席リードしたにもかかわらず、である。

 都市と田舎の分裂は大統領選でも顕著に現れた。WSJが国勢調査と選挙データを分析したところ、1992年の選挙では、民主党のビル・クリントン候補が最も人口が多い50の郡――米国で最も発展している地域――で共和党のジョージ・ブッシュ候補に25ポイントの差をつけて勝利した。2012年には、民主党のバラク・オバマ候補が同じ50の郡で勝利。共和党候補との差は38ポイントに開いた。

 今では、ほぼ全ての大都市で民主党候補が大統領選を有利に進めている。これにはミズーリやインディアナ、テキサスなど共和党支持者が多い州の大都市も含まれる。

via: 2極化進む米国社会―「都会」と「田舎」が対立軸 – WSJ.com

 

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