再稼働に向けた手続きが進む九州電力川内せんだい原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)の事故対策として、鹿児島県と薩摩川内市は27日、原発から5キロ圏内の住民に、甲状腺被曝ひばくを防ぐための安定ヨウ素剤を配布した。

 福島第一原発事故を受けて見直された国の原子力災害対策指針に沿ったもので、事前配布は全国で初めて。

 県薬務課によると、配布場所は薩摩川内市内の小中学校など5か所。受け取りに来た住民に対し、3歳以上13歳未満には安定ヨウ素剤の錠剤を1錠、13歳以上には2錠ずつ計2420人分を配った。錠剤は、国の交付金を受けて県が購入した。

 副作用やアレルギーの恐れで受け取れなかった人は、市が「災害時要援護者」と認定し、最優先で避難させる。